これはなかなかリッチな生活だ。今は、天津麺や五目焼きそばなんて、並以下の外食料理だけれど、当時は外食するのが富裕層に限られていたから、立派に贅沢。しかも、私はいつも革靴を履いて、靴下を穿いていた。当時、靴下を穿いていた幼児なんて……。
この頃例えば、幼稚園のこととか遊び相手(男)のことはなにも覚えていない。
いろいろ書いていて、どうにも語彙が乏しいことに我ながら嫌になります。知り合いには難しい言葉が多いと言われるけれど、私はむしろ使用している言葉の数がみすぼらしいと思っています。
こういう思考するようになったきっかけが実は小学校の5年のときにありました。私はそんな子供のときに重大決意で掟を誓いました。
何かというと、まだ子供達がそれほどテレビ鑑賞に時間を取られず、娯楽の主力が漫画の本と屋外の遊びだった頃、私は漫画断ちを決めました。漫画を見れば人間が成長しないと考えたからです。
これは言うに言えないほどつらかったです。今の子供がゲーム機に手を出さないと決めるようなものですからねえ。滅多にいないでしょう。
しばらくは掟を破りたくてしょうがなかったけれど、一度決めた誓いは懸命に守りました。爾来一冊丸ごと漫画という本は今日の今日までどんなときでも全く手にしたことがありません。
今仲間と酒を飲むとゴルフの話がかなり話題を占めます。ゴルフをしない私はゴルフの話になると黙っているしかありません。それと同じで、その頃仲間が漫画の話をすると黙らざるを得ません。とっても寂しかったです。
当時、私は漫画を読みふけってばかりしておれば、きっと人間がダメになると思っていました。で、中学生が読むような本ばかり読んでいました。
それでもやっぱり金津園狂いをするようなダメ人間になってしまいましたが、漫画断ちをして以来、大人が漫画を読んでいるのを見ると、大変バカにしたくなりました。
それはそうです。私が読む本はエロい本以外は、いわゆるかなり高等なものばかりだからです。エロい本だって一級でした。古今東西の好色文学は殆ど読み、谷崎潤一郎の鍵や瘋癲老人日記は高校一年で読んでましたから。
私に言わせれば、女をペニス突き込みのサンドバックにしているだけで、女体の演奏をしない男は、小説を読まずに漫画ばかりを見たがる人と同類です。
因数分解や微分の計算で悩まされてきた人が、実社会に入ってこんなものが何の役に立つんだと息まいている文章によくお目にかかります。
一方、数学を教える立場の人は、数学的思考が大切なんだと反論します。
私は後者の意見に賛同したいです。
私の母は、夕食の支度にかかったり、ナイフで鉛筆を削ったりするときでも(まだ鉛筆削りなんてない時代です)、小学二三年の私に向かって、「午前11時40分から午後2時20分までは何時間何分ですか」という問題を出す教育ママだったから、随分悩まされました。せめて、午前11時10分からの問題にしてくれ!と子供心に怒り狂っていました。
ラジオ新諸国物語の笛吹童子や紅孔雀に全国の少年が聞き入り、中日ドラゴンズが初の日本一になった時分に、私の母の教育ママぶりは断然に異色でありました。
私が答えられないと、鉛筆を削っていた母はイライラしてナイフを振り回します。そのナイフがちゃちなものでなくて刃渡り10cmぐらいの大きめのナイフだったのですが、勢いよく振っているうちに、刃が柄から外れて1mすっ飛びました。
鉄製の太い刃が私の頬に突きささり、とがった刃先が奥歯に当たってカチン!と音がしました。頬から鮮血が飛び、母は真っ青になって私を小児科に連れて行きました。
頬の傷跡は私が40歳になる頃まで残っていました。
だから、今でも、大正10年3月生まれの人は今何歳と考えることがイヤでたまりません。
しかし、金津園で2時40分に部屋に案内されて、ダブルの200分で入ったから、上がりは何時何分のはずだという計算は、イヤでもせざるを得ません。
幼い頃は時間問題とか鶴亀算に散々悩まされたけれど、中学生以降は数学が大好きになりました。私は情緒的なものが好きだけれど、論理的なものも好むようになりました。
ax2+bx+c=0の解は?と聞かれたら、(1) a=0かつb=0の場合 (2) a=0の場合 (3) a≠0の場合 の三通りの答を出す必要があります。
こういう思考が大切だと私は思っています。
だから、私のエッセイはいろんなIFを想定して論理を展開しています。文章はダラダラと長いけれど、必要なところはしっかりと箇条書きにして少しでも飲み込みやすくなるようにしているし、定量的な表現も心がけています。
まるで実業の世界における、社内資格の昇格試験論文みたいにきちんとしています。真面目に読む人には識字の向上になります。しかも、エロさ満開だから、これは世界に例を見ないサイトと言ってもいいぐらいです。
考案する文章の構成と論理展開がしっかりしていることが好ましいことだとするなら、どう考えても数学的な素養は必要です。
10年有期年金の年金月額が月20万円なら、年金支給開始時期の現在価値評価額はいくらぐらいだろうかと考えることが先日ありました。
年金数理関係の本を買うのももったいないし…と考えていると、EXCELの関数を思いつきました。で、EXCELのヘルプで年金で検索するとPV関数というのがありました。
このPV関数を使って、月額が月20万円、金利5.5%、10年、で計算して、19百万円の答を得ました。
やはり数学の素養がないと、こういうことには手も足も出ません。
最近は皆で飲みに行っても割り勘ばかりです。会社の経費で落とせません。
44004は3で割り切れる。∵4+4+4=12が3で割り切れる。
45324は4で割り切れる。∵下二桁の24が4で割り切れる。
45184は8で割り切れる。∵下三桁の184が8で割り切れる。
45324は9で割り切れる。∵4+5+3+2+4=18が9で割り切れる。
という知識も何となく自己満足を生みます。(なお、これは小学6年の時に教わりました)
で、私が発見したピタゴラスの定理です。
(男の優しさ)2+(男のテクニック)2=(女の性感発揮乃至は
応対の雰囲気の良さ)2
更に、物質とエネルギーとの関係を示す神秘的な定理
E=MC2(Eはエネルギー、Mは質量で、Cは光速)は次を表します。
女のエネルギー(情熱)はM(男)の前でのシーシーと等しい、です。
シーシーは放尿です。