写真で随想 G

 香嵐渓は愛知県の名所の1つ。それなのに私は行ったことがないので、突然思い立って出かけた。

 巴川(矢作川支流)の香嵐渓
香嵐渓
 香嵐渓は愛知県で数少ない美景で、紅葉で有名なところなのに5月でも予想外の人出だった。

 香積寺境内
香嵐渓
 境内の楓が紅葉したら素晴らしかろう。香嵐渓に紅葉の時期に行くなら、道路の厳しい状況から日曜日と祝日は絶対に避けるべきだ。
 楓は紅葉に限ると思っていたが、緑の楓もなかなか結構だ。楓の葉は鬱蒼とした感じにはならず、少し陽が通る。そして、緑色がやや淡く、それが何とも柔らかな感じになる。
 楓は年数を経れば結構な大木になる。ただ桜のようには早くない。我が家の庭に昨年(平成27年)7本の楓を植えたが、私が庭の手入れをできるまでの間にどれだけ伸びるのか楽しみだ。


 名古屋城に行く人の多くは経路の関係で天守閣を東や南から眺めることが多い。で、天守閣に上ろうとすると次の画像の天守を見上げる。
 名古屋城を500mぐらいの距離から見て一番凜として見えるのは西や北西の方向からの眺めだ。広くて深そうなお堀の向こうに驚くほどの高さの石積みの上で5層の天守閣が壮麗に聳え立っている。要するに、上の画像とは反対のウェスティンナゴヤキャッスルの周辺からの眺めが一番迫力があり、息をのむほど豪快だ。それ以外では堀が空堀だったり、よけいな施設が視界に入る。
 名古屋城はコンクリートで拵えたものだから馬鹿にされるが、あの石垣、そしてお堀は本当に見応えがある。

 次は姫路城。修復を終えて公開され、人出が落ち着いたと思われる9月の月曜日に行ったが、やはりかなりの人出だった。外人さんも多かった。
 姫路城には行ってみるべきだと思う。
 姫路城には小天守も残っていて外観は素晴らしい。しかし、天守閣以外のところがそんなに復元されていない。だから物足りない。
 天守閣は犬山城の天守を4倍した感じだ。天守閣は飾りであって、中で人が生活したわけではない。姫路城や彦根城は天守閣が国宝で、中に展示物がない。木の柱と木の床があるだけで、内部は殺風景だ。また、姫路城は最上階に上っても犬山城や岐阜城や彦根城ほど見渡す景色が良いわけでもない。
  犬山城───眼下の木曽川の眺めと岐阜城の遠望が素晴らしい。
  岐阜城───眼下の長良川と濃尾平野の眺めが素晴らしい。
  彦根城───眼下の琵琶湖と比良山地の眺めが素晴らしい。
 いろんな城に行ってみて思うのだが、天守閣に登ったところで(犬山城を除き)そんなに感動するわけではない。やはり城は外観だ。離れて眺めて文化遺産の値打ち・歴史の重みを感じる。

 次は彦根城。夕方だ。
 彦根城はお堀、庭園、樹木、屋敷がとても立派だ。今回が2度目で、ようやく全体を見終えることができた。いろんなものがとても良く残っている。楽しくなるところだ。

 彦根城 玄宮園
 玄宮園の庭園は素晴らしい。二条城の庭園も良いが、ここは上を行く。

 名古屋城本丸御殿
 名古屋城本丸御殿と併せて二条城の二の丸御殿も見ると、御殿がよくわかる。
 鉄骨鉄筋コンクリート造の名古屋城は木造復元が検討されている。しかし、天守閣は飾りであって、ただ木の柱と床があるだけの殺風景な木組みで、中で人が生活したわけではない。安土城(もし復元したら)を除き内部はつまらない。あれだけの構造物がエレベータ無しとなれば上れない人が多くなる。
 お城の値打ちは単に天守閣だけではなくて、お城全体だと思う。要するに、当時も戦がなければ全くの無用の長物だったもの、ただの権威の象徴にすぎないものを多大なお金を投じて正確に復元する必要があるのかと思う。
 彦根城も姫路城も犬山城も天守閣の中に視線を這わせていれば味気ない。天守閣は外から眺めるものだ。
 城は天守の中の見物よりも、全体像、庭園、御殿が楽しい。生活と対面の場である御殿に見所がある。
 お城はそれなりの数見てきた。お城の善し悪しは──(1) お城全体の外観、(2) お堀、御殿、庭園などがしっかり残っているか──の2点で判断したい。その観点からすると彦根城と二条城が双璧だと思う。姫路城は物足りない。
 やはり名古屋城天守閣の木造復元は無駄で、本丸御殿の復元が終わったら庭園をしっかり復旧して貰いたいものだ。空堀にも水を満たして貰いたい。
 犬山城は天守閣以外の遺構はそんなに残っていないが、天守閣からの眺めが抜群であるのが素晴らしい。
 岐阜城は単なる史跡指定だが、ハイキングコースとして一品であるし、天守閣からの眺めが抜群である。
 松本城と弘前城は、昔行った時の記憶では天守閣以外の遺構がそんなに残っていない。
 松江城、高知城、宇和島城、松山城、丸亀城、備中松山城、丸岡城は行ったことがないが、テレビ報道で見た限りでは、天守閣以外の遺構はそんなに残っていないようだ。
 熊本城、広島城、岡山城、会津若松城、郡上八幡城なども同様。


 路線バスを利用して奈良に出かけた。
  名古屋 07:50 → 奈良 10:30   奈良 13:50 → 名古屋 16:35
という乗車時間で行楽の時間が3時間しかなく、浄瑠璃寺と西大寺の2ヶ所で終わりだ。
  奈良までバス往復 4,100円、浄瑠璃寺までのタクシー代 3,270円、
  浄瑠璃寺→近鉄奈良駅のバス代 570円、近鉄西大寺駅までの往復 420円 交通費はこれだけ。
 浄瑠璃寺も西大寺も見物客が殆どいないのがとても嬉しい。

 浄瑠璃寺
浄瑠璃寺
 浄瑠璃寺は近鉄奈良駅からはやや遠いところにあり、バスの本数も少ないが、ここは必見のお寺だ。タクシーを使っても是非訪れるべきところだろう。
 馬酔木を1本庭に植えたが、その時にはもう木の名前を忘れていた。浄瑠璃寺に行く前にネットで調べて、馬酔木の参道が有名だと知り、写真を眺めてアセビとわかった。
浄瑠璃寺
 浄瑠璃寺は真言律宗の寺院で本堂の仏像(9体の阿弥陀坐像と四天王立像4体)が素晴らしい。浄土式庭園も結構な景色だが、4月頭の参拝だったため草木の雰囲気が少し味気なかった。

 浄瑠璃寺 国宝三重塔
浄瑠璃寺

 西大寺 四王金堂
西大寺
西大寺
 西大寺は厳かな仏像がたくさんあり、人も少なくて、とても心が落ち着く。拝観に関して親切なところが良い。どのお寺も仏壇近くには立ち入り禁止の境界があるが、西大寺にはそれがなく、仏像にかなり近づくことができた。称徳天皇の位牌がセンターだった。
 その後開化天皇陵を見学した。天皇陵というものを初めて見た。


 かねてから念願の秋の京都高雄を目指した。ところが、それほど紅葉が進んでおらずがっかりした。

 神護寺
 神護寺は日曜日で、さすがに人が多かった。参道の登りがきつかった。婆さんで私よりも元気良く登るのが何人もいてガックリした。

 神護寺 明王堂
 伝・源頼朝像についてお寺の説明が愉快だった。要するに、源頼朝像に間違いないという説明。
 テレビ番組では「源頼朝ではなく足利直義」と言い切るのが多いが、昔からの言い伝えはそんなに間違っていないと思う。Wikiの『神護寺三像』にいろいろ書いてある。言い伝えというものは信用できないとする立場に同調的なようだが。

 西明寺への指月橋
 神護寺→西明寺の道筋(清滝川)が素敵だ。

 西明寺
 西明寺も参拝する価値がある。

 高山寺 開山堂
 高山寺の石水院では鳥獣戯画の写しがとても興味深い。

 槇ノ尾から直指庵を目指した。タクシーで2,300円ぐらいだった。途中広沢池を通ったが、そのあたりの人家の無さには驚いた。

 直指庵
 直指庵はそれほど人が来ないが、良いところだ。竹林が良い。

 直指庵から大覚寺まで歩いた。
 実はこの日曜日、新幹線に乗ったことがないという孫娘(小学3年)を連れて行った。ところが、雄では全く小学生の行楽客などおらず、孫娘も紅葉とお寺の見物では最善ではなかったかも知れない。
 その上、直指庵から大覚寺まで歩かされて大変だったろう。ただ、鳥獣戯画の写しを私の2倍の時間かけて見ていた。
 まあ、最近の児童は昔のようには歩かないから、良い経験になったと思う。

 大覚寺
 大覚寺は人出の多さに驚いた。大覚寺は真言宗大覚寺派大本山だけあって、各建物がとても立派だ。

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