(5)女性のオーガズム 男性の多くは、性的興奮と勃起と射精を通して、95%の男性が、なんらかのオーガズムを感じることが出来る。しかし、女性が性行為でオーガズムに達する確率は50%以下といわれている。まして、性反応のサイクルの一つ「性的快感」(例えばクリトリスによる快感)もオーガズムだと解説していることが多いために、この50%についても勘違いの数字が含まれていると考えるべきだろう。 前述の通り、オーガズムの基本は全身のあらゆる筋肉の緊張と開放が原則である。この筋肉の緊張には、精神的没頭と集中が性行為中に求められることでもある。結果的に、足が攣るとか翌日に肩が凝るとか首筋が痛いなどの症状が現れるほど、激しい筋肉の緊張・硬直が必要とされていることを、ここで強調しておこう。若年、肥満や虚弱な体質の女性がオーガズムを得にくい理由がここにあるのだ。 女性のオーガズムは前述のように緩やかな曲線の性反応の中で発生するので、短兵急な男性の性反応曲線と基本的にミスマッチしている。ここが最も女性が真のオーガズムを得にくい元凶なのである。 女性の真のオーガズムがどのようなものなのか、実は非常に説明が難しい。ハイトリポートなどで報告されているオーガズムを表現する様々な言葉も個人差が多すぎて、最大公約的表現をみる事が出来ない。 現在、標準的女性のオーガズムについて判っていることは、次の点である。
1、性反応の過渡期におけるクリトリスを中心とした「快感」をオーガズムと勘違いしている人々が多い
2、ジェンダーフリーの世の中にあっても、オーガズムを得るには、パートナーである男性の、女性のオーガズム曲線に合わせられる性行為中の努力、テクニックが不可欠である
3、いったん真のオーガズムを体得した女性は、逆になだらかなオーガズム曲線を熟練によって、急激な男性のオーガズム曲線に合わせることが可能になる
|
記述者は『饗庭龍彦』氏となっていました。 ぐぐってみると『不倫 4人の女』などのネット小説の作家のようです。 次の紹介文を見つけました。 「上場企業の役員を経て、念願の無頼作家と童話作家の両立を夢見る48歳。学生時代には銀座の黒服(スカウトマン)として一世を風靡?個性的人生を謳歌する男、時にはフリーライターとしてルポも扱うが、専門ジャンルは経済事犯だという。そう云えば企業会計とかリスクマネージメントのプロでもあった」 私は左の論文を読んで(これは、性の学者でもない人が、文献を引っ張って書いたのであって、ご本人のセックス経験の深きが故に生まれた文章ではないな)と思いました。 それで、検索をかけると、単なるエロ小説家だとわかりました。 どう見てもこの文はペニス挿入至上主義者の文章です。 氏が「女性が性行為でオーガズムに達する確率は50%以下」、「(クリイキという)勘違いの数字が含まれている」とするなら──バギナでイク女性は何%である──と書いて貰わねば困ります。 私は「女性が男性との性行為でオーガズムに達する確率は(当然クリイキも含めて)20%以下」ぐらいではないかと見ます。 ペニスがインサートされた状態で、同時にクリトリスに刺激することなくして、純粋なる中イキを経験したことが一度でもある女性の比率は、もし女性の年齢を35歳以下20歳以上に限れば、絶対に5%には達しないと思います。 中イキは、ペニスを雄々しく振る男の幻想です。 女性の性反応が男性より格段のものであって欲しいという、エロ作家の願望です。 それにしても、どうして「足が攣るとか翌日に肩が凝るとか首筋が痛いなどの症状が現れるほど、激しい筋肉の緊張・硬直が必要とされている」などと、女性のオーガズムを男性のオーガズムとは格段の肉体反応を示すものだと考えるのでしょうか。 これは一種の『女性崇拝』なんでしょうか。女性だって、もっと楽にイキたいでしょう。これではセックスが労働になってしまう。 |
4、女性のオーガズムはその時の精神的没頭、集中を経て、全身の筋肉組織の緊張、攣縮、およびその開放で得られるので、性行為のパートナーとの間に信頼関係は不可欠である。オーガズムという性的快感の頂上を感じたいという強い意志がないと、ほとんど得ることはできない。ある意味で、オーガズム以外の目的・思考を停止することであり、「禅」の境地が必要である。
5、4を実現する性的パートナーの環境は夫婦や恋人であり、不倫における男女の関係である
6、何もせずに男性からのサービスでオーガズムを得ることは不可能である。自ら自分の身体全体を結合部に集中し、筋肉組織の緊張を厭わず、苦痛に近い緊張の中で、オーガズムの到来を待つ、忍耐力や持久力そして貪欲さが求められる
7、このようにして緊張と攣縮を持続し、それを一気に開放したときに、女性は真のオーガズムを感じることが可能になる
8、オーガズムに到達した女性の多くは、発汗、腹部筋肉の硬化、呼吸脈拍の増加、血圧の上昇が観察できる。そして、呼吸を停止することでピークに達している緊張を解きほぐしたとき、オーガズムは現れる。いったんオーガズムが現出すると、視覚・聴覚・味覚・痛覚などが麻痺して、外界からの刺激を一切受け入れない状態になる。
9、このオーガズムを得た状態を見ると、「失神」という表現が当て嵌まる
10、多くは数分で回復する。しかし、性的パートナーが何らかの性的刺激を回復後に与えると、再びオーガズムを得た少し前の女性の身体が再現され、マルチオーガズムのサイクルに突入する
|
女性が「精神的没頭、集中」を得てようやく得られる女性のオーガズムは「ほとんど得ることはできない」難しいものなんですねえ。 「禅」の境地が必要である──とは凄いことです。 そんな特別なものなら、そんなに熱心に検討してもしょうがないと思いますが。もっと広く、クリトリスでの快感にも焦点を当てて 、セックスを楽しもう、と呼びかけたらどうなんでしょうか。 6を眺めると、中イキは本当に滅多に得られるものではないようですねえ。 そんなに堅く考えなくても、女性はクリイキで乱れさせてくれれば、本当に幸せ感を感じてくれますよ。まあ、笑止千万なこと。 この人は中イキを求めて頑張ってセックスをしてきたのですかねえ。 快感が突出してカクンとなったのがオーガズムです。だから、クリイキも見事なオーガズム。 これを、男女のセックスで、男性がまともに女性に与えていないから、世の中のセックスは女性にとって大変味気ないものになって、問題なんです。 更に、男性と絡みあっても、クリイキすらなかなか得られない女性もいるということにもう少し着眼して貰いたいです。 セックスとその快感に真剣に好奇心を持ち、こういうハウツーセックスを眺める女性は10代から30代の人でしょう。 女性にオーガズムを与えるにはどうしたらよいかと思って、こういうハウツーセックスを眺める男性も、10代から30代の人でしょう。そのセックス相手はやはり10代から30代の女性。 となると、ペニスピストンでオーガズムまで至る女性は、もうかなり少ないと思います。中イキのオーガズムを絶賛せずに、『先ずクリイキ』とどうして説かないのでしょう。 |
11、このマルチ・オーガズムは性的行為としては、異常に高まった快感の連続であり、「よくぞ女に生まれけり」なのだが、身体・内臓などあらゆる器官を駆使して行われる行為であり、限界を定めておかないと、身体的なダメージは相当なものであることを肝に命じる必要がある。
12、このマルチ・オーガズムの終着点を男性パートナーの射精に位置付けるのが、もっとも簡単で納得し易い。
13、マスターベーションを前向きに行い、クリトリスで若い時期から「快感」を得ることが、多くのセックス指南書に書かれている。しかし、筆者はこのクリトリスオーガズムで容易に快感を得てしまった女性は、結合におけるオーガズムを会得しにくい体質乃至は心理的制御が働いてしまうことを懸念している。クリトリスにおける快感の享受には体力も差したる努力も必要ではなく、お手軽快感に満足する傾向が顕著である。
14、勿論、コミニケーションとしてのセックスが全てであると考えるならば、クリトリスオーガズム説でも充分である。結合によって得られるヴァギナやボルチオや骨盤・隔膜におけるオーガズムまで不要ですというのも、一つの選択である。しかし、その性反応のサイクルの一部に過ぎない「快感」をもってオーガズムと解説することには疑問を感じる。
15、何故、熟練し真実を知っている婦人科医がそのことを述べないか、薄々理解は出来る。ここで解説した女性のオーガズムに至るには男女の性パートナーが多くの時間と回数と試練や努力を経て到達できる領域だからだ。夫婦であっても、オーガズム到達前に子供が生まれ、性行為の環境が変化することが多いし、日本の男女がそこまでSEXで快感を得ようとしていない社会的要因もあるし、実際に教科書通り努力しても失敗の連続になる可能性も高く、汎用的オーガズム解説としては不適当だと考えているのかもしれない。
16、ここでは「真のオーガズム」について、隠すことなく解説したのだが、おそらくこのレベルのオーガズムに至る性的ペアは2〜30%に過ぎないであろうことも現実であり、夢と希望を打ち砕く不快なものになるかのしれない。たしかに生活を行う上で、ここまでセックスと真のオーガズムに執着しても意味ないだろうとという考えにも一理ある。ただし、このhowtosexはそういうことを解説するものであり、ライフスタイルを云々するものではない
|
ソープランドの客の中には、ペニスピストンに命をかけたような猛者がいます。そして、相手をするソープ嬢の中には、もうバギナが充分ペニスピストンになれて、しかも、もともとペニスピストンが嫌いではなかった人が多いです。 それでも、中イキにまで至る嬢は滅多にいません。 要するに、この説明を読む読者を考えたら、このような論は、異次元の話です。 筆者の「クリトリスオーガズムで容易に快感を得てしまった女性は、結合におけるオーガズムを会得しにくい体質乃至は心理的制御が働いてしまう」という意見は、女性から見たら、要らざるお節介です。 まあ、確かに同じ相手と何度もセックスし、子供を産んでバギナが楽になり、男性の抽送力が増したら、中イキの確率は増大するとは思いますがね。 著者のようにオーガズムを定義するなら、「16」の2%のほうに限りなく近いでしょう。 同じサイトの『(4)男女のからだとセックス』の章で著者は次の文を書いています。 問題は上述の条件さえ揃えば、女性が「のたうちまわる」オーガズムを見られるかというと、そうもいかないのです。外性器も内性器もエクササイズされて強靭になっている必要があります。また、肌の馴染みや性器が双方馴染む必要があります。回数的には、年 200回以上、2〜3年継続する必要があると言えます。計算上同一人と継続的に6〜700回のセックスをする必要があるということです。つまり、気の毒ですが若い世代には環境的にも時間的に無理なものです。 最も現実的に、このオーガズムが得られる環境に位置しているのは、夫婦ということになります。愛人関係でも、深い関係で安定している場合は成立するでしょう。せいぜい、若い男性がこの恩恵に浴する可能性は、このオーガズムを知っていて、大脳に記憶をすり込んでいる女性と出会った時でしょう。それは若い男性にとって僥倖と云えるでしょうが、経験不足な男は女性恐怖症にならないとも限りませんし、十分な時間前に射精などして”だから若い男は駄目なのよ”などと悪口を叩かれるかもしれませんので、とても推奨できません。詳しくは上級テクニックにて そこまで中イキが難しいと認識しているのなら、「女性にクリイキをさせて、セックスを互いに楽しみなさい」という論旨にしなさいと言いたくなります。 クリイキを馬鹿にせずに、クリイキさえもセックスで得られないとか、そのクリイキがバイブで果たされるという情けないセックスとかをたしなめて、上手で楽しいクリイキのさせ方を論じてあげるのが、読者に合わせたハウツーセックスではないでしょうか。 |