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ヘルスで本番・写真撮影 上巻

 私は一時期金津園だけでなく名古屋のヘルスにもよく行った。ヘルスは専ら池下周辺の店で遊んだ。
 女の品揃えが一番良いのはJJクラブだが、ここは本番持ち込みが至難だと思って殆ど利用しなかった。また、本番に持ち込める可能性の高い店、要するに熟女の店も入ったことがなかった。
 本番達成の可能性が高いところでセックスに持ち込んだところで、全く達成感がないし、できてもゴム着だ。生の外出しが良い。それに、年増は若い女と比べてハメ撮りに持ち込むのが難しいと思った。
 というわけで私はリゾートという店を本番と写真撮影の攻略対象に決め、気長に達成を図った。こういうことを望んでも、拒絶があってはならないとする遊興哲学から、依頼の言葉を出すのはとても慎重だった。
 結局本番達成は3人、写真撮影は5人という結果が得られた。
 平成12年2月のある日、私は是非とも一発射精したかった。50代になってから、勃起が弱くなって歎いているのに、精を放ちたい気持ちだけは一向に衰えない。
 リゾートに電話して翔子を予約しようとしたら、8時の案内だと言う。まだ6時だから、2時間も待たなければならない。4日前に翔子と遊んだから、たまには新顔と遊んでみたい。それに、私はデジタルカメラで女の陰部を激写するのが趣味で、10人目の被写体の女を捜していた。
 翔子が9人目の性器写真ゲットの女で、5ヶ月前によがり汁で濡れそぼった陰裂をアップで撮った。その翔子には、リゾートの女で10人目を物色中だ、と言ってあった。
 リゾートに入り、女の写真を見て選ぶことにした。その店は一昨年の4月から通っていて、もう9人の女と会った。マリー、ミナコ、サトミ、アケミ、ユウコ、ユウヤ、翔子、シノブ、リュン、の9人だ。
 相方を差し出された6枚の写真からマコという23歳の体格の良い女を選び、コースは60分にした。ボーイにマコの在籍年数を聞くと2年と答えるので、長い働きに気が動いた。
 スリーサイズの数値が大きいのが気に入らないが、2年もおれば以前に通っていたミナコやユウコを知っているはずだから、話題をつくりやすい。
 マコは30分の待ちだと言われたが、結局1時間以上待たされた。足長の椅子に中途半端な恰好で座っていて、右足の腿から脹ら脛までが完全に痺れた頃に案内を受けた。カーテンの蔭にスタンバイしたマコと対面した時は、歩行が困難になっていた。
 姿を現すなり、私がよろけ、苦痛に顔をゆがめるのを見て、マコが驚いた。
 私は剽軽によろけ、うめいてマコの腰に倒れるように寄りかかった。マコが驚いて「どうしたの?」と聞くから、「完璧に……、脚が……、痺れた」と、とぎれとぎれに言うと、ケラケラ笑った。これは、マコにとっては印象深い初対面になるぞ、と私は悦んだ。
 右足を引きずって階段を上がり、上の階の部屋に入った。
 私は服を脱ぎながら、精一杯マコに軽口を言った。猥褻な単語も飛ばしまくった。初対面の女に深い第一印象を与えるのが私の狙いだ。
 マコは経験豊富な女らしく手慣れた受け答えで、しかも心安い応答で、私に関心を抱いたようだった。
「貴方、相当エロい人なんでしょ。エロい女が好みなの?」
「そうだよ。僕がクリトリスを舐めたら、まんこ汁をだらだら流して、嬉しがる女が大好きだ」
 私はすでに素っ裸になり、ベッドに座って右手でカリ首を揉みながら、まだユニフォーム姿のマコと喋っていた。初対面でさっさと裸になり、バスタオルを差し出されても腰に巻こうとせず、ペニスを構いながら猥褻なことを言う私には、マコは内心驚いているに違いない。
「そう期待されても、私はエロい女じゃないし、あんまり濡れないのよ」
「自分からエロい女と言う奴はいない。それに、濡れるかどうかは、君が本当に愛撫の上手な男とエッチしたのかどうかがわからないから、結論を出せないよ」
「あははっ」
「あっ、そうだ。ブランデーのロックをフロントに頼んでよ」
「頼むって、どうやって頼むの?」
「そこにインターホンがあるだろう?」
「えーっ。そんな横着なこと、インターホンで言ったら、ボーイさんに叱られるーぅ!」
「そんなことはないよ。僕はいつも持ってきて貰っているよ」
「ほんとう? なんて言えばいいの?」
「ブランデーのロックをダブルでください、と言えばいいよ」
「えっ? ブランデーのロックの、何?」
「ブランデーのロックのダブル、だよ」
「ダブルね。ほんとに持ってきてくれるの?」
「うん、間違いないよ」
 マコは怪訝な顔で通話器を取った。
「あのー、すいませんが、あのー、ウヰスキーのロックの、えーっと何だっけ、えーっと、あっ、ダブル。それをダブルで持ってきてくれますか?」
「ちがう、ちがう。ブランデーだよ」
「あっ、そうだ。…ブランデー、でーす!」
 マコはフロントに酒を注文するのが初めてで、これも私という男を印象づけるに違いない。
 私はどちらかといえば、痩せた女が好きだから、マコの写真で見た以上に豊満なことにたじろいだ。とにかく、Dカップ以上の巨乳の風俗嬢に常連になって通ったことも写真指名したこともない。
 早く裸姿を、特に、豊満な肉体の女の陰部がどういう形をしているのか見たいけれど、ボーイが来るまでは急かさないことにした。
 マコは顔が丸く、庶民的な顔だ。無口でないのがいいし、声が大きくて元気がいい。よく笑うから、こちらも取っつきやすい。
「僕は、この店のミナコとユウコに随分通ったけれど、君は2人とも知っているだろう?」
「えー、貴方、ミナコちゃんとユウコちゃんに通っていたの。私、ユウコとは友達だったのよ」
「ああ、そうなの。ミナコもユウコも、僕がクリトリスを舐めてやると、おまたを拡げて、まんこ汁をだらだら流して、いつもヒィヒィ言って、スコーンとエクスタシーに達したぜ。僕も愉しかった」
「えー、うそー」
「ほんとだよ。ミナコなんか、膣とお尻の穴の両方に指を入れて、お豆さんを唇で揉んでやると、とっても悦んだぜ。ユウコも、割れ目にローション塗って、クリトリスに指でバイブレーションをかけると、もう、たまらない、という顔でブチュッと熱烈なディープキスを返した。ミナコもユウコも、お豆さんを舐めてやると、ベッドに敷いたバスタオルをべっとり濡らしたよ。2人とも、僕より背丈があって、ウエストが狭まって、本当に良いスタイルだった」
「ふふっ。ミナコちゃんやユウコちゃんがそんなふうにしていたなんて、想像できない」
「2人とも股を開きっぱなしだった。普段とベッドの上とは結構違うもんだぜ。女という生き物は」
「そうかもしれない。2人がやめてしまって、寂しいわねえ。じゃあ、今は誰に入っているの?」
「それは言えない。今日は君が僕を愉しませ、僕が君を悦ばせればいいのさ。それで、君が儲かり、僕の所持金が減る。それだけのことさ」
 ボーイがブランデーを届けにきた。
「ほんとね。ちゃんと来たわ、ブランデーが」
「当たり前だ。お客様は神様で、お客様のちんぼは神様のちんぼだ」
「あははっ」
 マコに裸になるように促した。
 マコは立ち上がって、私に躯の正面を向け、私から50cmほどの近いところで、胸を張って実に堂々とユニフォームと下着を脱いだ。ボディに自信がある証拠だ。私より背が高いから迫力がある。私を見つめて愉しそうに脱いでいるから、6枚の写真の中からマコを選んだ自分の眼力に感嘆する。
 太腿が太腿らしく、バストがバーンと突き出ている。尻もモワッとふくらみ、ウエストが締まって、絵になるボディだ。
「これ、毛を取っているね?」
「上のほうだけよ」
 恥毛に手当てしているようだと思って聞くと、マコが恥ずかしがらずに陰阜を突き出して説明した。
 マコがバスタオルを躯に巻こうとした。
「そんなもの、つけるなよ。素っ裸が一番きれいなんだから」と言うと、マコは素直に従った。
「お決まりの女の子がいれば、私は1回だけのお相手ね」
「1回だけかどうかは君次第さ。僕は気に入れば徹底的に通うよ。僕の好みははっきりしている。この前ここの売れっ子のリュンに入って、がっかりしたよ。リュンはとっても美人でも、キスはしない。おまんφに指入れはさせない。それで、ナンバーワンだということだから、世の中の男は一体どうなっているのかと思うよ。確かにとっても良い女だけれど、僕から猥褻行為がしにくい。そういうのはイヤだねえ」
「貴方、リュンちゃんに会えたの。なかなか入ることは難しいのに。……リュンちゃん、きれいだったでしょう?」
「うん、とっても美人だ。ウエストがキューンとくびれ、そこからモワーッと尻が広がり、足が長くて、スタイルが最高だった。でも、僕がリュンのクリトリスを丁寧に舐めて、リュンはぐしょ濡れになっても、イキそうでイカなかった。イクのはいつも遅い、と言っていたよ。イカない女は好きじゃない。でもね、面白いことが一つあった。僕は、デジカメでおまんφの写真を撮るのが趣味なんだ。画面全部が割れ目ちゃんというすごい奴。それで、リュンにその助平写真を見せてやった。そうしたら、リュンはとにかく驚いて、食い入るように写真を見ていたよ。こんなの見たの、初めて!と呟いて。あれには驚いた」
「あっ、貴方、××さんでしょう。私、リュンちゃんからも、ユウコからも、貴方のことを聞いたわよ。貴方、この店の女の子の間でとっても有名なのよ。エロ小説を書いてエロ写真を撮って、この店によく来る、と評判なの。××さんなら、今、お熱を上げているのは、翔子ちゃんだ。そうでしょ?」
「がーっ! 俺って、そんなに有名なの?」
「××さんは有名よ。私、小説を書く人だから、暗い人を想像していたけれど、明るいのねえ。驚いた。面白い人!」
 私は、ミナコやユウコのような印象深い女に会うと記録したくなる。それをユウコと翔子に渡した。
 ミナコは、ユウコに小説を見せられて、自分のことが書かれているのを読んで憤慨した。
「私はお尻なんかに指入れを絶対にさせてない! あの助平親父、ウソばっかり書いてえ!」
 ミナコの照れ隠しの怒りぶりをユウコは面白がって私に報告した。
 ユウコは、私の書いたものを読んで、親友のミナコが性体験は豊富なのに、お休みキスしかしたことがなくて、ディープキスという言葉すら知らなかったことに驚いた。
 ユウコがディープキスの説明を求めるから、「ディープキスは、最低限どちらかの舌が相手の口の中に入ること、互いに相手の舌を吸い合い、2人の唾液がからめば、正しいディープキスだ。要するに、フレンチキッスのことだよ」と教えた。
 するとユウコは、「うそー、フレンチキッスって、お休みキスのことじゃないの? 私、唇を重ねるだけのが、フレンチキッスだと思っていたぁ」と言った。
 ユウコは、ミナコが私に親愛の応対をして、陰部を洗うところを見せたり、アナルに指入れをさせたり、あまりにも開放的に振る舞ったことが信じられないと驚いた。ミナコがマン汁を流して気をやるところを読めばにんまりしたに違いない。それに、自分が小説に登場するのは初めてだから、喜んでいた。
 ヘルス体験の小説を見せた結果、私はユウコや翔子と一層親しくつきあえるようになった。ユウコも翔子も私の誘導に乗り、それまでしたことのない大胆な絡みをした。風俗観察記録を見せて親しくなる作戦を金津園で始めて、それまで完璧に狙い通りに成功した。
 マコは、ユウコから小説を見せられたようだ。
 女達は控え室で客のことをよく話題にするから、私のように、話すこと、やること、臆面もなく徹底的に助平路線を貫く個性的な男は、女の間で話のネタになると想像できる。それにしても、マコが私の名前を言い当てたのには驚いた。私にかなり関心を抱いているようだ。
 ユウコにフレンチキッスの説明をしたことや、小説を見せて喜ばれた想い出話をしながら、私はマコの顔とスタイルを観察した。
 背丈は 158ぐらいで、私より大きい。顔は、頬が丸くふくらんで、ぽっちゃりしている。乳房が大きくてDカップ、85cmは楽にありそうだ。太腿もドーンと張っている。でも、ウエストが締まって、腕や脹ら脛や足首はそれほど太くない。尻はグワッと張り出し、垂れてはいない。肌の色は薄い。
 均整のとれたグラマータイプで、この店でこの手の体格を見るのは初めてだ。
 容姿よりももっと重要な、性格、この気だてがマコは良い。これまで、リゾートで初対面の女とした会話の中では、マコが一番返しが良く、とても魅力的な性格だ。
 マコが私の名前を言い当てたことから、その日の遊びがますます愉快になりそうで、マコが奔放に性的行為を愉しむように、しっかり誘導してやろうと思った。
 今までリゾートで初対面の女が、「貴方のような、すごい遊び人は見たことない」とか、「貴方には、何かエッチのオーラを感じる」とか、「今まで会った人の中で、ずば抜けた天才的助平」とか、「貴方には、参った。他に、こんな人、いないよ」などと、私のことをしばしば感嘆した。
 マコも同じような観察をするに違いない。

 長くおふざけ会話に興じてから、シャワールームに入った。
「ローション、する?」
「ベッドの時間が少なくなるから、今日はいいよ」
 マコはとても愛嬌がある。風俗の女は愛嬌の良いのが一番ありがたい。しかし、愛嬌があっても、No.1のリュンのようにキスを拒むかもしれないし、私の絶妙のクンニリングスをもってしてもイクことのできない、大変イキにくい体質かもしれない。それでは全く面白くない。
 どんなふうにセクシャルなプレイをするのかと思いながら、シャワールームの中でマコと向き合った。
 狭いところで豊満な肉体を眼にすると、圧迫を感じる。
「ねえ、即尺してよ。僕はね、この店の女にはなかなか協力して貰っているんだよ。皆、おちんちんをシャンプーで洗う前にフェラチオさせている。誰でも僕を、好ましい男だ、身体も清潔そうだ、と思って、初対面でもサービスしてくれるぜ」
「えー、うそー」
 嘘だけれど、マコの反応が見たかった。
「これを口の中に入れてするなら良いわよ」
 マコが手にしたイソジン溶液入りのカップを指さして言った。なかなか親愛の反応だ。
「なんだ、つまらないなぁ。でも、して!」
 マコはカップの赤紫の液体をたっぷり口に含んで、丸顔が更に丸くなった。そのまま床に膝をついて、ペニスを掴んだ。含んだものをこぼさないように、顔を少し上に向け、ペニスを少し下げてカリ首を咥えた。消毒液を口に含んでのフェラチオだから、何だか染みるような違和感があるけれど、この調子ならキスをちゃんとしそうな気がする。
 シャワールームを出てからは、何と言ってもマコの最大の長所、グラマラスな体型と、飛び込みの良い喋り口を褒めることから始めた。
 女は、自分が長所と思っていることを褒められるよりも、自信がないことを褒められるほうが気分いいものだ。私がマコのアクセントのついた体型と気さくな会話を褒めると、マコは店の女の容貌について感想を聞いた。
 本当は自分の顔についての感想を聞きたいのだろうけれど、とりあえず搦め手から持ち出した。
 私は、ミナコが、眼が離れすぎて、また、唇もぽってりしすぎて、決して好みの顔ではなかったこと、それに、ユウコも翔子も庶民的な顔で可愛いと思ったことなどを説明した。
 眼が離れすぎているミナコにしても、正面から真ん丸の鼻の穴が見えるユウコにしても、そして、鼻の横の大きなほくろが目障りな翔子にしても、よがっている顔が抜群に魅力的だと言いかけたが、マコを徹底的によがらせてからにした方が現実味があるだろうと思って、そのことは言わなかった。
 最後は、女の体型と容姿は二番目以降に重要で、一番大切なことは、気だて、その気だてが、ユウコと翔子は最高だ、マコも気だてのいい女であるに違いない、という本音の外交辞令で締めた。
 ただ、一言、マコの顔はユウコと同じで大変庶民的だ、と言ったから、マコは不満足だったに違いない。
「××さんはどういう顔が好きなの?」
「10代の若尾文子の顔」
 当たり前と言えば当たり前だが、私より年上の若尾文子をマコは知らなかった。
「今の芸能人で言えば、中山美穂みたいな顔」
「じゃあ、××さんはリュンちゃんの顔がいいんだ」
「確かにそうだなぁ。とっても女っぽい」
「やっぱりー。リュンちゃんはきれいだから、羨ましいわ。……翔子ちゃんは、とってもサービスがいいんでしょ?」
「うん、翔子は素晴らしい」
「翔子ちゃんはすごいもんねえ。ぐんぐん人気が上がっているわ。××さんも相当通っているんでしょ?」
「よく通っているよ」
「ほんとに、すごいわぁ」
「大胆に、思い切ってサービスすれば、君もそうなるよ。おしっこをするところを見せてやるとか、とにかく体当たりでやると、仕事も楽しいよ」
「えっ、やだー。翔子ちゃんはそんなことをしてくれるの?」
「頼んでいるんだけれどねえ、出ないんだ、おしっこが」
「あはっは。ねえ、リュンちゃんに見せたカメラ、今日、持っているの?」
「今日はないよ。そんなもの、いつも持っていることはないよ。僕は真面目なサラリーマンだから。今度、カメラを持ってきて、君のおまんφの写真を撮ってあげようか。自分の大切なものをまともに見たことはないだろう? フラッシュがついているから、こんな明かりが乏しいところでもしっかりと写るよ。股の間のいやらしく凸凹したところが」
「やだー」
「マコはアルバムでは23となっていたけれど、本当はいくつなのかな」
「私、もう25なの」
「正直でよろしい。君は顔が老け顔ではないから良いよ。さあ、助平をしようか。ベッドに寝な。僕がたっぷりおまんφを舐めてやる。僕の舐めは気持ちいいぞ。なめたらあかんぜよ」
「ふふっ。……明かりは?」
「一番明るく最強に。おまんφの襞の奥まで見えるように!」
「ええっ、今よりももっと明るくするの?」
「うん。そうしないと、尻の孔の皺の数が数えられない」
 嬉しそうな顔をして照明を調整し終えたマコがベッドに上がった。私はマコをベッドと直角に寝させた。脚を持ち上げさせたまま、端に腰を置かせて、股間の前にしゃがんだ。
「もっとお尻を前に出して」
「うわー、恥ずかしい」
「恥ずかしいだろう? でも、男の顔の前で脚をMの字にするこの恰好が、女の心を溶かすんだぜ」
「助平ねえ」
「でけえけつが、重みでつぶれているぜ」
 マコは、大陰唇の下部やアナルのまわりに殆ど毛が生えてなかった。これはなかなかめずらしい。ユウコと同様に、股を開くと割れ目が開き、膣口と尿道口が見えるパックリ型の割れ目だ。
 足をMの字に構えて両膝を引くと、尻が大きく、太腿が豊かで、大陰唇に横幅がある。大陰唇に毛が生えていないから、股間と尻の底面の全体が一様に薄目の肌色で、やけにワイドで、しかも平坦に見える。
「うわー、むちゃ、恥ずかしい。全部丸見えじゃないの」
「それがいいんだよ。女が一番美しく見えるのは、こういうふうに白い太腿を開いた時だ。マン毛も、割れ目も、お尻の穴も、おしっこの穴が少し盛り上がっているのも、全部見える。この形が素晴らしいのさ。君はあんまり毛が濃くなくて、特に、土手のところは殆どないけれど、処理しているの?」
「私、下のほうは何にもしていない。上だけカットしている。もともと下は薄いの」
「へー、めずらしいねえ。大抵の女は大陰唇の下のほうにもアナルのまわりにも毛が生えているもんだよ。自然に裸の土手は見たことがない。……恥垢が全くついていないねえ。つまらないぜ。マン滓がない! 僕がこの店で初めて会った女は殆どがマン滓をつけていたぜ。小陰唇は小さからず大きからず、歪な形でもない。だけど、これ!、大陰唇がとっても大きいねえ。面積が広いんだよ。相当大きいぜ、この大陰唇は。それで、立派に黒く変色している。皺がいっぱい入ってぶよぶよしているから、毛が生えていなくても黒ずんで見えるんだよねえ。とってもいやらしくて、これは最高の土手だ。この手の大陰唇は見たことがないよ」
「そんなに、黒くて、大きいの?」
「うん、僕は君が信じられないくらいの数のおまんφを見ているから、それも、殆ど20代30代の女のおまんφで、僕の言うことは間違いない。だけど、『黒くて、大きい』だけじゃなくて、マコのは、黒くて、とっても大きくて、皺がいっぱい入ってぶよぶよしている、だよ。自分の大切なところだから、正確に表現しなくちゃ」
「ふふっ」
「お尻の穴の形はなかなかいいよ。きっちりと窄んでいる。あっ、膣の入り口に、処女膜の破片がまだ残っている。これ、このびろびろしたピンクの肉。新鮮だねえ。マコのマンコは」
「私、他の人の、あんまり見たことないから、何がどうだかわかんない!」
「だから、僕が丁寧に、かつ、具体的に解説してやっているんじゃない。これはすばらしく猥褻な女性器、卑猥な形のマンコだよ。問題は、愛液がでるかどうかだ」
「私、プライベートエッチでも、愛液はあまり出ないの」
「でも、俺が出させてやる」
 そんな会話をしてから、クンニリングスを始めた。
「冷たいだろう?」
「うん、冷たい」
 私はブランデーのロックを飲んだから、舌の最初の一撃がクリトリスには冷やっこい。この会話はユウコも翔子もしたはずだ。
 マコはベッドの角に尻をおいて、しっかり両足を上げていた。つくづく優美に太い太腿だと感心する。
 私は床にしゃがんでクリトリスを刺激した。舌先で肉豆を掃き、唇で挾んで揉み込んだ。
 翔子もユウコもミナコも、皆快感のポイントへの一撃で、それこそ15秒ぐらいでラブジュースを膣口から流したけれど、マコは、なかなか濡れない、と言ったとおり、お汁が出ていない。
 クリトリスに微妙な刺激を根気よく続けたら、愛液が流れる筈だ。そう思って、気合いを入れてソフトなクンニリングスをした。
 ふと気がつくと、意外なことに、マコは最初から、頭を壁で支えて顔を持ち上げ、しっかりと眼を開けたままクンニリングスの様子を眺めていた。不愉快な悪戯をされるのを警戒して見ているのかと思ったが、どうもそうではなく、私の性戯を見て愉しむ心のようだ。その証拠にずーっと微笑みを浮かべている。股間から快感が走ると、僅かに顎を上げる。
 自分のクリトリスが舐められている様子を確かめようとする女がそんなにいるものではない。マコはとってもエロい女だ。
 1分ぐらい経ってから、私は顔を横向きにして、上下ではなく、左右からクリトリスを唇で挾んで、上唇と下唇をずらすようにして揉みながら、横目で割れ目の下側を眺めた。やっぱりラブジュースが垂れて、滴が2筋会陰にたまっていた。流れた跡が残っていないから、粘り気はなさそうだ。
「おい、マン汁が出ているぜ」
「ほんとう?」
「君はやっぱり汁が少ないねえ。大抵の女は、僕がこれだけ舐めたら、おまんφをベトベトにしているもんだぜ」
「羨ましいわ」
 私は、また顔を股ぐらの正面に構えて、それまで微妙に舌を動かしていたのを、クリトリスにぺったりと当てて大きく動かすようにした。下から跳ねるように肉豆を掃いたり、舌面の真ん中に包んで揺すったりした。マコのクリトリスがはっきり丸みを覗かせているから、舌が外れることはない。
「気持ちいいかい?」
「うん、気持ちいい」
 頭をベッドに下ろしたマコがうっとりした表情をしている。会陰を確かめると、はっきりと濡れていた。
「ここまで濡れたら、自分で、濡れているのがわかるだろう?」
「うん、わかる!」
「でも、やっぱり君は愛液が少ないね。どろどろ状態になる女が多いから」
 もう始めてから5分以上は経っているだろう。マコに喘ぎ声と身体のふるえが出るようになった。まだ、マコが気をやるかどうか見当がつかなかった。
 シャワールームで戯れている時、膣に指入れを許すかどうか、マコに尋ねていた。のりのいい会話をしていたから、まさかノーとは言わないだろうと思って聞いた。しかし、マコはきっぱり拒絶の返事をした。
 でも、愛情をこめて口唇愛撫をして、その後に、女に指入れを拒まれたことがあまりない。マコも私にされるままになると思った。
「入れていいかい。指を」
「入り口だけなら、いい」
 膣孔がまん丸に開口していた。大柄な割に小さな入り口だった。
 私は、関節一つまでもぐらない程度に挿入して、存外と狭い膣の中で微妙に動かしながら、クンニリングスを続けた。マコは大柄の躯でも、なかなか膣が締まっている。
「気持ちいいだろう?」
「うん」
 マコの息づかいが、最初の頃とは明らかに違う。でも、波打つような身もだえがない。もっと奥まで指を入れたいけれど、膣の中がぐしょぐしょになっているわけではないから、それはやめておこう。指を使うよりも、クリトリスに集中した方がいいかもしれない。そう判断して、指を抜き、クリトリスの包皮を指で押さえ込んで、肉の丸みを弄い続けた。
「ねえ、また冷たいの、して」
 マコが意外な注文をした。そんなリクエストを女にしたことがあるが、女にされたのは初めてだ。絶対にマコはエロい女だ。
 グラスの氷を一つ口に含んで、氷を直接クリトリスに当てないようにして、冷えた舌で小突起を弄った。
「それ、気持ちいい!」
「うらやましいねえ、女は長いこと、気持ちいいんだから」
 口の中の氷が溶けてなくなりかけた頃、マコが両膝の間隔をぎゅっと狭めた。
「イキそう!」
 私は、舌の全面でクリトリスをこすった。マコの腰を両手で押さえつけ、身を乗り出して、熱っぽい股間で顔を揺すった。
 マコが僅かに胸を反らせた。柔らかな太腿で私の頬を締めつけ、上体をよじった。
「イクーぅ!」
 マコのアクメは意外に早かった。10分は使っていないように思う。振り絞るような声を出して、陰阜を突き上げた。なかなか顕著なエクスタシーだ。
 私はマコの乱れ方に悦び、更に厳しいクンニリングスを続けた。
「こそばゆい!」
 そう叫んでもやめない。とうとうマコは腰から私の手を振りきって脱出した。私の髪の毛はマコの手でかき回されてぐしゃぐしゃだ。毛の少ない股間に何とも香しいかおりが立ちこめている。愛液が少ないから、濡れていたはずの会陰がもう乾いている。
「私、イッたの、ほんとに久し振りなのよ。あー、気持ちよかった」
「存外と早かったねえ。しかし、確かに愛液が少ないねえ」
「ふふっ」
「君は、オナニーしていたんだろう? オナニーが好きそうだぜ」
「最近は、全然していないわ。昔、していただけ」
「10代ではどれぐらいしていたの? 週1回ぐらい?」
「うん、それぐらいはしていた。でも、今は全くしていないから、ほんとに久し振りにイッたの」
「他人にイカせてもらうのは、むちゃくちゃ気持ちいいだろう?」
「ほんと、気持ちいい」
「さあ、今度は君が僕をガーンと気持ちよくして」
「うん、まかせて!」
 私はベッドに上がり、その日初めてマコにキスを求めた。ソープと違い、ヘルスの女はキスを嫌がることが多い。マコは、いつもは客に指入れをさせていないようだから、キスの求めに応じてもソフトキスぐらいで、顔を背ける可能性も大いにあった。
 唇を寄せると、マコは眼を瞑って、ソフトキスなら応じよう、という唇の構えだった。そこまで気をゆるめるなら、ディープキスまで持ち込むのが私のやり方だ。
「べろを頂戴」
 マコの大柄な身体を抱き寄せてせがむと、最小限の唇の開きで舌先を突き出した。その柔らかい舌にしゃぶりつき、吸い寄せた。
 私は何か二つのことを同時にしたがる性分だ。キスをしながら、マコの股ぐらに指を伸ばした。中指の先をクリトリスに当て、細かく振動させた。
 マコの膝がすーっと伸びて、膝から下がベッドから飛び出した。
 唇を離してマコの表情を確かめた。顔がうっとりしている。
「あっ、その指、とっても気持ちいい!」
 マコにもう一度唇を寄せると、舌を突き出してきた。カッポリ含んでしゃぶり、私も舌を差し出して、情のこもったディープキスになった。
 私は満足してベッドに寝そべった。
「イクの早いの? 遅いの?」
「遅いよ」
 ムードのない質問だけれど、私は強いフェラチオを期待するから、あえてそう答えた。
 マコが半勃起のペニスを右手で支えた。カリ首が先走り汁で濡れているのを認めて一瞬動きが止まったけれど、意を決したようにぱっくり咥えた。
 マコのフェラチオのしかたはやや単調だが、動きが深く、舌もしっかり絡めた。気持ちがいいし、個性的なマコに気をそそられて、存外に勃起度が強かった。
 マコは右手で幹のところを押さえてゆっくりと上下に動かし、唇の内側をべっとりとカリ首に当てる。柔肌の穂先を唇と舌で気合いよくこすった。ペニスのエラの近くを、右手の親指と人差し指で輪のように挾んで支えている。それを回転させるように動かしながら首を縦に振るのが面白い。
 私はマコが勢い良く首を振るのを頼もしく眺めた。意外に早く兆しが現れた。チュッパチュッパの音を聞きながら、ドカーンと口の中に放った。
「ばか! そんなに早くイカせるなよ。ちんちんがバンバンに張ったら、ペロリンコをして遊ぶもんだぜ」
「だって、遅いと言ったもん」
 マコは私を充分に愉しませることのできる女だ。
 このところ、いつも翔子に通っているけれど、翔子の他にもう一人、気が合う女に通いたいから、マコも定番にして、この土手の黒ずんだおまんφをこれから舐めにこよう、と思った。

 しばらくしてまた、ヘルスに行きたくなった。
 マコには6日前に会ったばかりだから気持ちは翔子に向いていたけれど、翔子がまだ生理休暇中なので、マコに続けて逢うことにした。
 リゾートに電話して驚いた。マコが店をやめたと言う。去年の8月にユウコを失ったことに続いて落胆することになった。ヘルスの女は実によく店を替わる。
 2年近くリゾートで働いて、何故今になって店を替わるのだろう。あの愛嬌なら常連客がいただろうに、どっと新人が入って、稼ぎが不満になってやめたのに違いない。
 マコは一度会っただけだけれど、私はマコに印象を植えつけるべく目一杯演技して、ジョークも飛ばし、大いなる関心を抱かせるよう、種をまいた。手応えがしっかりあった。それが無駄になった。
 マコは、私がクンニリングスする様をのぞき見て、それで亢奮し、見事にエクスタシーに浸った。マコの注文通り、氷を口に含んでクンニリングスしたら、深々とアクメに達して、嬉しがっていた。何とも愉しい女だから逢えないのが実に残念だ。
 私はイク女が大好きだ。ソープでもヘルスでも、性感が深くて、躯を仰け反らせて悦びの声を上げて気をやる女には、いつもとことん通った。商売気が飛んで赤心の応対をされると愉しい。マコは、指入れをいつも拒んでいたようだから、ペッティングも自由にさせなくて、店で気をやったのが初めてだったのかもしれない。そう思うとますます腹立たしい。
 ユウコに逢えなくなったのが、昨年の8月だ。それまでヘルスで最も親しく遊ぶことができた女だから、すっかり気落ちした。
 それでも、代わりの女を見つけようとリゾートに入り、写真で選んだのが翔子だった。出された4枚の写真の中で、年齢が一番上で、背丈が 155cmぐらいで、ほどよいと思ったから選んだ。
 翔子に何を尋ねても、肯定か否定の簡潔な答を返すだけで、最初は×点しかつけられなかった。
 歳が23と、店の女の中では若くないのに、意外にも入店して3ヶ月ぐらいの素人ニューフェースで、風俗入りが遅かった。私はベテラン好みだから、それを聞いてがっかりした。それだけでなく、私は女の身体でウエストが括れていることを最も重要視するけれど、それが翔子は乏しかった。
 店のユニフォームは、ノースリーブの、丈が短いジャケットと、超ミニスカートのセパレート型で、少女漫画に出てくるようなへそ出しルックだ。翔子は、その上下ともが身体に食い込んで、横腹が板かまぼこの断面のように丸く飛び出していた。
 ミナコからユウコに乗り換えてしばらくして、ユニフォームが、それまでの白地で超ミニのワンピースから光沢のある青色のセパレートタイプに替わった。
 新しいユニフォームは素肌の腹部が中央分離帯になって覗くのがチャームポイントだ。その縦の幅が、ユウコは10cm以上あき、見える腹部が平坦だった。しかし、翔子はユウコより7cmぐらい背が低いから、あいた間隔が5cmぐらいしかなくて、そこが盛り上がっていた。
 大正時代の水着のような、ユウコのユニフォーム姿が脳裏に残っていたから、セパレート部分が狭い翔子の恰好を見ると、何だか変に感じた。
 ユニフォームの間から脇腹が突き出ているのを見ると、何じゃ、これ!と思って、飛びでた肉を、思わず指でつまんでしまった。ウエストの皮下脂肪の厚みを確かめたから、翔子が困った顔をした。
 眼が一重瞼で細かった。それに、両眼が顔の端に寄っていた。瞳孔間隔のせまい、寄り眼の顔は貧相に見えるけれど、開いておれば裕福に見えるわけでもない。
 顔全体はユウコのように縦方向が圧縮された顔ではない。伸びて面長だ。眼も頬骨も顔の上の方についている。面長の顔に唇がぽってりして、肌が白くて滑らかなのが嬉しい。店で会った女の中で一番の色白だ。それに、私が猥褻な冗談を言うと、眼の細い面長の顔が恥ずかしそうにしているのが、気をそそる。
 私はかなり卑猥な言葉を連発していたように思う。第一印象を強烈に植えつけるいつもの手立てだ。
 リゾートは20歳ぐらいで入店する女が多い。翔子は風俗入りが遅いだけに、たぶん堅気の仕事を経験しているだろう。化粧も地味だ。ヘルス嬢らしくなくて、私の猥褻な言葉に反応が初々しいから、私は、自分のペースで押し通したらどうなるだろう、という心が湧き起こった。
 私に続いて翔子が全裸になると、まだ会話らしい会話もしていないのに、壁の横に立っていた翔子に、左足を上げるように求めた。
「ねえ、この足を上げて、あそこの匂いを嗅がせて!」
 翔子の左足の膝が胸に届くように膝の裏を支えて、片足立ちの不安定な恰好にさせ、私は翔子の足元にしゃがんだ。そのまま繁みに鼻を突っ込み、陰部の匂いを嗅いだ。
「何も匂わないねえ。もっとおまんφの匂いがするかと思った。……初対面で、こんな猥褻なことをされたのは、初めてだろう?」
「うん」
 翔子の困った顔が可愛い。
 シャワールームに入る前に性器の匂いを探るようなことをしたのは初めてだ。ユウコでもマコでも、私がもし初対面でそのようなことをすれば、「ダメ、洗ってから!」と言っただろうと思う。翔子の繁みの量は多からず少なからずだった。
 初会でローションプレイをしたかどうか憶えていない。その記憶をなくすぐらいに、翔子のベッドプレイはインパクトがあった。
 私は、翔子にベッドを横切るように仰向けにさせた。尻たぶがベッドの角に来るようにいざらせると、翔子は自分の淫らな恰好に戸惑いながら、両足を宙に浮かせた。
 部屋が明るい状態でもろ見えのご開帳の恰好になると、風俗嬢でも「婦人科に来たようでとっても恥ずかしい」とよく言う。
 ラビアは着色が薄く、大陰唇や会陰の皮膚と同じ色合いをしていた。ぽってりとした感じで、内側に小皺が入り、左右対称型だ。陰核茎部はそれほど顕著にふくれていない。会陰はどちらかといえば幅があった。腹も内腿も会陰も尻たぶの内側もアナルも、肌がきれいだ。
 恥毛は大陰唇にも生えているけれど、その辺りでは密度がかなり薄い。要するに、翔子の外性器はそれほど変形せず、色が薄く、若々しい姿をしていた。
 私がクリトリスに舌を当ててレロレロすると、翔子は身体をくねらせ、私の左腕を掴んだ。快感が深まるにつれて腕を撫でたり首筋に掌を当てたりして、時には、私の髪を撫でる仕草もした。
 ソープでもヘルスでも、女をクンニリングスでよがらせている時、女に腕を握られたり、頬を撫でられたりすることがあまりない。本当に気持ちいい時、女は、最初は胸か腹の上で組んでいた手を枕元に置き、両掌を上に向けて、万歳のしかけのような手の構えでヒィヒィ喘いでいることが多い。
 だから、女が悦びに耐えかねて、すがるように私の手を握ったり、首筋を撫でたりして、手の動作で気持ちの昂まりを訴えると、私は、一気に恋人同士のラブプレイをしている気分になった。そんな時はペニスも必ず先走り汁を垂らした。
 翔子のよがり声は、ほとばしるような絶叫口調ではなくて、淑やかだけれど、継続的で、胸の奥から喘いでいた。快感が深いことは、翔子が顎を突き出して表情を完全に崩していることでわかる。しかも、その陶酔状態が早々と始まり、延々と続く。
 手を翔子の腰にあてがっていると、翔子は右手でその手首を掴んで、全く忘我の表情でよがっている。見事に喘ぎっぱなしだ。ラブジュースもだらだらと流している。
 ミナコとユウコは実によく濡れたが、翔子はもっと濡れた。ラブジュースが濁りを帯びたかたまりになって頻繁に会陰を通過する。
 その女っぽい恍惚の顔と、左腕を曲げたまま顔に寄せ、まるで苦痛をこらえているような仕草を眺めて、完璧に痺れた。これはイクだろうと思った。
 しかし、口唇愛撫のレパートリーを繰り出して、翔子の快感は最高潮のようでも、何故か十合目まで持ち込めない。大陰唇から会陰まで愛液でヌラヌラの状態になっているのに、絶頂がやってこない。
 Gスポットを攻めたら良いのかもしれない、と思った。
 クンニリングスをしながら膣道に指2本を往復させると、翔子のよがり方が一段と激しくなった。膣口がヒクヒクし、膣内がうねるのがわかった。粘液が指に絡まり、ジュボジュボと卑猥な音を立てる。姿勢はおとなしくベッドに寝た姿ではなく、上体を頻繁にくねらせた。
 翔子の意外な乱れぶりに、私の情欲は昂揚状態が続き、ますます激しく指を往復させた。
 べらべらと喋る女ではないから、早めに始めたベッドプレイだけれど、私は、時間を充分に使って翔子をイカせてやろう、という意識もあった。
 オーラル愛撫に時間を長く費やしても、翔子はイキそうで気をやるまでには至らなかった。
 びしょ濡れになった指を眺め、あまりに凄まじい愛撫を続けたことと、翔子をイカせられなかったことにため息をついた。でも、翔子の性感が深いことに痺れた。
 翔子がバギナに指入れまでさせたから、キスもするだろうと思った。唇を寄せると、お休みキスの構えだから、「べろを頂戴」と声をかけた。翔子は最初おずおずと舌を出していたけれど、すぐに大胆に差し出すようになった。
「君のおまんφの匂いがよくわかるだろう?」
「うん」
「唾、ちょうだい」
 ……
「おいしい!」
 私のお決まりの会話だ。若い女の呼気と唾は生臭くなく、とても美味だった。私はむさぼるように吸った。
 翔子のフェラチオで深い射精を果たし、私は、ペニスの吸い込みと唇の深浅の動きがダイナミックなことにも満足した。
 2週間以内に翔子に裏を返そうと思った。
 翔子は洗浄前の性器の匂いを嗅がせ、指入れも許した。忘我の表情で完全に私の愛撫に身をまかせ、しっかりディープキスをした。
 初対面で、私の求めるままに何でも認めたことは、ミナコを思い出させる。翔子はミナコのように寡黙な女だ。ただ、ミナコのように脳味噌の活動が弱くて無口なのではなく、内省的な性格だから、もの静かになるようだった。

 裏を返した時、翔子に年齢を聞いた。アルバムに23と紹介されている素人ニューフェースだから、一つ二つ歳を若くしているのではないかと想像したが、もうすぐ24歳と答えた。
 私はシャワールームでローションを使ってペッティングした。翔子が身悶えするのを愉しみ、シャワールームを出た後はすぐにクンニリングスにかかった。翔子は時間がかかったけれどアクメに到達した。
 クンニリングスに指ピストンの併用で、切なげな「イキそう!」の声の後、腋を締めて両腕を伸ばし、顎も突き出し、ふるえるように到達した。前回イカせられなかっただけに、それはとても嬉しいことだった。
 翔子が期待通りアクメに達すると、もう可愛くてならない。私もベッドの上に寝て、そのまま長々と69を続けた。ずーっと性戯に没頭し、あまりお喋りをしていなかった。2人で性欲だけの世界に閉じこもった感があった。
「僕たちは、あんまり会話していないねえ。今日もすぐにエッチプレイを始めたし、前回もそうだったし。君は、他の客だともっと会話の時間が長いんだろう?」
「ええ」
「何だか変だね。でも、しっかり愛撫されて、気持ちいい方がいいだろう?」
「うん」
 私は翔子と既に親しくなった気がしていた。あまり言葉で喋り合っていなくても、肉体で充分会話をした気分だった。
 翔子がそのような歳でヘルスに出ることになったわけを聞きたくなった。女の個人的なことは親しくなってから尋ねるようにしていたけれど、2度目の対面でずけずけと質問した。後日確認したことも併せて略歴をまとめると次の通りだ。
 翔子は高校生の時家から飛び出し、援助交際で生活した。
 40代のパトロンを見つけ、男が用意したアパートに住んだ。逢うたびに2万円を貰うことにしていた。週1回は必ず逢っていて、家賃とか食事代とかを考えれば、男は月に20万円以上使っていたに違いない。パトロンは翔子の好みのタイプではなかったけれど、セックスは上手だったらしい。
 アルバイトを除けば、堅気の仕事に就いたことはなく、不特定多数の男と援助交際を長く続けた。そのうちに男の失敗が元で、何百万円かの借金をつくり、その返済のためヘルスに飛び込んだ。借金を返し終わったら風俗から上がる、と言った。
 そんな破天荒な生活は、翔子の化粧の仕方が地味なだけに意外な感があった。
 現在はマンションに独りで住んでいるけれど、両親も名古屋在住なので、雑誌に顔出しをする気はない。今の仕事はそれなりに愉しい。そんなことを聞き出して、私は満足した。
 ミナコもユウコも翔子も、10代で数えきれないほどの異性交遊をして、それでもオナニー以外ではよがることが殆どなかったらしい。でも、私が性戯を振るえば、本人が驚くほどのラブジュースを流す。それで、気をやらせて、僅かな対面で親密になることが愉しくてならない。
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(千戸拾倍 著)