裏を返せず残念でならない女

 ソープ嬢には10年以上勤めるのも多いけれど、数ヶ月でやめてしまうのも大変多い。
 数ヶ月でやめるのは、(1) 勤めが我慢できなかった(首になったのを含む)、(2) 目標のお金が手にできた、(3) 親ばれ──のいずれかだ。(1) は私が(裏を返せず残念でならない)となることは先ずないだろう。
 (2) (3) は該当例が何人かいる。2度目がなくなったのが残念な嬢ばかりだ。(2) の最初がソープ道入門1の慶子だ。数ヶ月でやめるとなると『目標のお金』は何百万円ということではなかろう。ちょっとの金額を稼ぐために体を売ることができるのだから、操の心がない女が多いものだ。
 ここに記すカスミは、初会から1ヶ月を待たずに本指名の予約の電話を入れたら「やめました」と言われてキョトンとした。実に残念だった。(3) かもしれないが、(2) だと思っている。

 カスミ〜ルネッサンス、H19年6月
 ルネッサンスの建屋に入るのは平成7年に夏木ルイ(店での名はレイコ)に入って以来だ。相方の名はカスミ。良性記の読者からこの嬢は感度が良いから会ってみたらとメールされて予約したから、顔立ちもどのようなタイプの嬢なのかも全く知らなかった。推奨した方からも感度良好以外は何も聞き出してはいない。
 店のサイトでプロフィールの年齢も背丈も確かめなかった。確認したのは、写真をちらっと見て、体型が立派にスレンダーなことだけだ。その写真は顔が完全に隠してあり、面長かどうかもわからなかった。
 対面すると、カスミは目にパッとした華やかさがないけれど、顔は面長、20代前半の感じで、胸元の肌の白いのが目についた。
 しかし、問題は体がかなりふくよかなことだ。背丈が意外に大きいから上腕と腰回りの太さが逞しい。直前に店のスタッフから「この子でよろしいですね?」と呈示された写真の印象とは随分違って驚いた。
 カスミは太さはともかく、愛想がとても良いけれど、すでに性的行為以外のところで何やらソープの仕事になれていない様子だ。部屋もかなり暗くしている。
 カスミの応答の感じが良いから、私は部屋をもっと明るくするように頼んだ。カスミはいきなり明るくすることに戸惑っても、しょうがないという感じで応じ、「こんなに明るいの、恥ずかしい」と言った。
 私がいろいろ軽口を飛ばすと、すべてに乙女らしく恥じらう反応を返すから面白い。ただ、私の服を脱がせるにあたって積極的な誘導も支援もなかった。即のプレイに入る時も──私がしてあげます──という能動的な動きが全くない。
 私がパンツ一枚の格好になっても、カスミはドレスも脱がずに笑顔で応答しているだけで、屈託のない喋りようは楽しいけれど、カスミのほうから絡みを迫る気配がなかった。
 私のほうから積極的にリードしたほうが良いというタイプなのかな、と思って、とりあえずドレスとブラジャーを取らせた。
 カスミが恥ずかしげな嬌態を見せるだけでちっともペニスを攻めにこないから、私はカスミの乳首を口に含んだ。即座に「あは〜ん」の声が出た。そして、よがる声が長く続いた。乳首攻めでこの手の声を聞いたのは初めてだ。
 すごい演技派なのか、感じて声が出やすいのか、どちらだろうかと考えると、カスミの所作がずーっと何やらたどたどしくて、ソープ嬢らしくないから、フェイクとは思いにくい。
 カスミが「暑い。汗が出てくるわ」と言って、手の甲で腋の下をぬぐった。
 私がカスミの目を見続け、卑猥な会話をし続けるから上気したようだ。
「女の体はね、発情してにおってくるぐらいで丁度良いんだよ。僕は、女の汗をかいた腋の下を舐めるのが大好きだ」
 私がそう言うと、「そんなの、いやーっ」と言って手のひらで腋を覆い、私の目を見た。その表情はなかなか結構なコケットリーだ。
 私は右手でカスミの左手を持ち上げ、左手でカスミが左腋を隠している右の手を掴み、覆いを外した。
「でも、僕は舐める。……しょっぱ〜い。おいしいよ」
「いやん」
 毎度の私の痴態だ。
 それでもカスミはペニスを咥えにかかる気配がなく、手でさわろうともせず、(次はどうするの)というようにニコニコと待ち構えていた。
 私は(こんな高い値段の店で、この子は一体何を考えているんだろう)と思わざるを得ない。しょうがないからとりあえずクンニリングスでスタートすることにした。
「キミ、舐められるの、好きだろう?」
「うん」
「僕の舐めはすごいぞ」
 カスミの腰をベッドの端に来させてマンコを舐めようと思っていたのに、カスミは、私がショーツをはぎ取るや、ベッドにさっと上がり、すーっとその中央に行ってしまった。そこで両足を伸ばして後ろ手をついて座り、ニコッとしている。
 その顔は可愛いのだが、私のほうはパンツを穿いたままで、手にはカスミのショーツがあるのだからマークが頭に浮かぶ。
 ただ、私の顔を見て、(貴男の舐めを期待しているわ)という顔つきで微笑んでいるから──僕のパンツを脱がせてくれないの?──と注文しにくいし、──違うよ、キミが寝るのはこっちだ──と、ベッドの端に腰を置くように位置替えを求めにくい。
 それにしても、私はまだパンツを穿いたまま床に立っているのだ。私がパンツを穿いたままで、女がベッドの上で割れ目を見せているという光景はひょっとしたら金津園で初の体験かもしれない。
 そう考えながらさっとパンツを脱いだ。
 私はパンツをソファーの上に放ち、勃起ペニスを突きつけるようにしてベッドに上がった。それをちらっと見たカスミに寄り添い、少しだけ乳房を吸ってからいきなりカスミの足の間に身を沈めた。カスミの驚いた顔が、すぐ嬉しそうな表情になった。
 白くて太い腿の円柱の間で割れ目がパカッと開き、膣口が覗いていた。ラビアは低かった。陰核茎部は毛に覆われていて形がわからなかった。
 ベッドに腹這いになっておまんφを舐めるのは全く久し振りだ。剛直したものの安置の仕方に気を配って俯せになった。
 かかったとたん、首に負担を感じた。ベッドが柔らかくてカスミのでかい尻が沈んでいる。べったり腹這いのまま頭を持ち上げてオーラルプレイをするのはやはり首がつらい。
 驚いたのは、私の舐めの最初の一撃でカスミが「あは〜ん」と声を出し、腰をよじり、それからずーっと喘ぎ続けたことだ。実に感度が活性化している性器だ。
 私は一気に気分が昂まってクリトリス攻めに精を出した。舌の感触はかなり柔らかいものに当たっている感じだけれど、頬と顎にはかなり違和感があった。
 カスミは大陰唇の毛をカットしていて、私の口の周りに当たる毛先の感じは剛毛に近かった。でも、鼻に当たる恥毛が柔らかいので、不思議な感じがした。
 大変素人っぽいからマンコはにおうかもしれないと思っていたが、大陰唇の毛を処理しているだけあって、洗浄が上手なのか少しもくさくはない。
 カスミの喘ぎは私の耳にはっきり届くほど大きかった。身悶えも顕著だ。私は(なんじゃ、この女は!)と思いながら刺激を強めた。そして、ものの2分ぐらいで「イキそう!」と来たから驚いた。
 私が、ならばイカせてやろうと、舌をクリトリスに押しつけて揉みたてた。
 カスミがすーっと気をやった。
 イクのが早かったから、続けて舐めても、カスミがノーサンキューということはなかろうと判断した。
 そのままクンニリングスを続けたら、こそばゆそうにしてはいるけれど、股を閉じずに舌使いを受け入れていて、そのうちにまた明瞭なよがり声を出しはじめた。
 もう私の攻め方になれてただ喘ぐだけでなく、「気持ちいい」とか「いい、いい」とかの声も調子よく出てきた。
 顔もよく動き、腿にも力が入り、カスミの腰のあたりに当てた私の手を探る動作もあった。
 私が相手の腰とか膝の裏とか腿とかに手を添えてクンニリングスをしているとき、嬢が私の腕に触れようとして手を伸ばすというのは、初会の即のプレイで考えれば、3人に1人ぐらいしかいないと思う。
 カスミの手の動き方はそうせざるを得ないという無意識的なもののようだから、私はカスミの官能にニンマリした。
 私は(感度は良いけれど、ヌラヌラのズルズルのベタベタになるほどには愛液が出ないな)と思いながら唇と舌を使っていた。途中からは首のつらさを減らすため、カスミのでかい尻の下に両手を入れ、マンコを少し上向きにしてクンニリングスした。
 クリトリスは包茎タイプで、舌先の振動よりは、舌を強く押しつけて‘押し揉み’するほうが効くようだった。そして、さほど時間を要せず、カスミは再びアクメった。
 私は体を起こし、69に移行するつなぎの体勢として乳房をオーラルしようとした。
 カスミはそれを見て、ペニスが完全に勃ち上がっているのを認めるや言った。
「来て!」
 絶叫のような声だった。私はまだされていないフェラチオを味わいたかったが、切実な要求顔にはそういうわけにもいかない。
 正上位で取りかかった。
 バギナは包み具合が良かった。中に穂先を刺激する起伏があるようだ。そして、私の腰の動きによがるカスミの喘ぎ顔が素晴らしい。
 私は存分ペニスを突き入れ、射精の兆しが現れたところで、ペニスを抜き、「まだフェラチオをしてもらってないから、69をしよう」と言った。
「まずこれを取ろうよ」
 そう言って、カスミがまだ体につけていたガーターベルトとストッキングを脱がした。カスミは甘い顔で受け入れた。
 後ろのホックを外そうとして腰に手を回すと、ヒップが豪快にでかかった。
 広いベッドの中央で相舐めすると、カスミのフェラチオには大層熱意が入っていた。キンタマもきちんと攻めた。ベテラン嬢並みの口の使い方だ。
 カスミの不馴れな動作やカスミが進んでフェラチオしようとしなかったことからすると、その大胆な攻めは意外だ。
 また、私のクンニリングスに対する応答が申し分なしだ。既に2回気をやっていて、それでも私を攻めながら終始ピクピクしているのが大変気をそそる。フェラチオとクンニリングスの同時進行中に、豆弄いに明瞭な反応を返す女というのはそんなにはいない。
 私は最初互いが右脇を下にして横向きに寝てするやり方で69をして、次は、私がカスミの上になり、カスミが下からペニスを咥える体勢でやった。
 仰向けのカスミの顔の両脇に膝をつき、真上からペニスを口に突き刺し、キンタマを鼻先に迫らせた。私の先走りが全部カスミの口の中に流れるというのが、かなり露骨さ・征服感・侵略感があってエロい。
 カスミの両腿を脇に抱えて尻が上向き加減になるようにすると、白い太腿の幅が見事で、尻たぶの突き出しぶりに迫力があり、私の顔を覗いているようなアナルの景色がまことに露骨だ。
 そして、割れ目はパカッと開いて猥褻きわまりなく、その上、膣口が大きく開いて、入り口に膜状の肉片が立ち、限りなく性欲をそそってくれる。この恥ずかしくて制圧的な格好でも、カスミはしっかりペニスを吸いながら、股間の快感に浸っていた。
 次はどうするかと考え、カスミの上体を起こさせた。
 カスミに両足を投げ出させ、私はその背後に回ってカスミの股ぐらに右手を伸ばし、マンコをいじった。
「鏡を見てごらん。自分のマンコが、今日初めて会った男に指でいじられているところを」
「いやん。恥ずかしい」
 ベッドが接する壁は鏡張りになっている。私の足より長いカスミの足が大きく開いて、私の指先が紅い割れ目の上部を揺らしているのが見える。
 カスミはでかい嬌声を上げて手で目を覆った。
 ここまで楽しめばもう充分だ。私は再度カスミと合体した。ひこひこの腰の動きに工夫して、カスミのよがり声の揺れる様を観察し、肉筒の感触に浸った。
 存分に抽送したのち、爆発的な噴出で私は果てた。
 カスミは満足そうな顔でティッシュを取った。どうするかと見ていたら、後舐めはなしで、ティッシュを自分の股ぐらに挾んだだけだった。ティッシュをペニスの先に当てようともしなかった。
 高額店の女としての大切なことがわかっていないな、と思ったけれど、セックスそのものに大満足だったから、どうすべきかを教えるのはやめにした。
 私はカスミにブランデーを所望した。
 ボーイが運んできたブランデーでロックを作ると、カスミがブランデーの瓶の口を鼻先に持ってきて、悪戯っぽい顔をして香りを確かめた。可愛い。
「私、これを見るの、はじめて!」
 銘柄はヘネシーのVSOPだった。私は瓶を取り上げて、ブランデーを手にしたのが初めてのカスミに説明した。
「VSOPというのは、なかなか立派な酒なんだよ。この下に、VSOとVOというのがあるんだ。VSOPはね、ばっちい、助平汁がでる、おまんφに、ペニスが入る、という略語だよ」
 VSOPの文字を一つ一つ指さしながらそう言った。
「やだー!」
「ばっちいとかばばちいとか、意味わかるの?」
「うん」
「へーぇ、新居町でもばっちいとか、ばばちいとか、言うの?」
「言うよ」
 新居町は静岡県西部の田舎町で、新居町からカスミが通っていることは既に聞いていた。
 差し出されたグラスを見ると、氷がグラス一杯に入っていて、液体に高さが全くなかった。
「何や、少ないやないの。氷ばっかりで酒が7ミリぐらいしかないよ。氷がなければ4ミリ程度だ。ブランデーのロックをつくる時は、ワンフィンガーですか、ツーフィンガーですか、と聞くものだよ。これでは、氷がなければ0.5フィンガーも入っていない。そんな酒の作り方はないよ」
「……ワンフィンガーって?」
 私は右手の指を立てて言った。
「ワンフィンガーというのは指1本の幅で、ツーフィンガーというのは指2本。キミのおまんφを普通に指で開いた時の幅。スリーフィンガーは指3本で、キミのおまんφを思いっ切り指で開いた時のおまんφの幅」
「いやん、私、スリーフィンガーもないー」
 それからマットプレイの話になった。
 下手だろう?と聞くと、カスミが頷いた。
「よし、僕がマットの仕方を教えてやる」
「うん、嬉し〜い」
「実地の指導の前に基本を教えておこう。いいかい、大切なことは、3点確保と、男の局部攻め。自分の体を四点で支えて、口だけをペニスに当てるのはダメ。体は両手両足の4つの中のどれか3つで支えれば充分で、それが3点確保。3点確保ならば片手が必ず空く。その片手を必ずペニスかキンタマかアナルに当てること。これが大切であって、店の講習はそういう肝心なことをあんまり教えていないからダメなんだ」
 一応カスミは頷いていた。
 それで、マットでは詳しく実技指導をしてやった。一番強調したのは、最初にペニスを刺激して、既に即ベッドで射精を済ませて萎えているものをまず雄々しくさせねばならないという姿勢・意識だ。
 カスミは、私の教えに従って、玉やペニスを揉みながらアナルを舐めることとか、カリを揉みながらアナルに指を入れることとかを楽しそうにやっていた。
 やったことのない動きばかりさせたので、カスミは驚いていたと思う。アナルに指を入れる時には凄まじい嬌声を上げた。
 私が俯せの体勢での実技指導が終わって、私が仰向けになったところでカスミの行動に驚いた。
 カスミはいきなり「嵌めたい」と言って跨ってきた。先生が因数分解について熱心に教えているのに、女子生徒がズボンの上からペニスにタッチするようなものだ。嬉しいことは間違いない。
 そのまま私に背を向けて、腰を浮かせたままペニスを掴んだ。割れ目に沿ってカリを一往復させた後、ぐっと腰を沈めた。マットプレイは素人でもチンコの嵌め方は熟達風だ。
 両膝をマットにつけるから女上背膝位〜逆茶臼というやつだ。カスミが上体を前屈みにしたのでペニスが足もとのほうへ傾けさせられて、なかなか具合が良かった。ただ何故か穂先への刺激が乏しかった。
 私が注文したのでもないのにカスミが体の向きを変えてきた。対面の形になって、今度は膝をつかず、女上跨位でバンバン上下動した。カスミが、和式便所でのウンコスタイルのまま、接合部を覗き続けていた。カスミが素人同様の女だから、私は大変エロく感じた。
 途中、カスミは膝をマットにおろして、上体を前に倒して動こうとしたが、すぐにペニスが外れた。
 カスミが上体を前に倒すと、バギナの角度が一緒に傾きすぎていて、ペニスが外れてしまう。上体を前に倒しても、腰の角度だけはペニスの角度と同じに保つことができない。要するに、腰の背骨に負荷をかけていない。体が硬いのだ。
「キミは体が硬いねえ」
「うん」
「まっ、僕のチンコが短いということもあるけれど」
 体が硬い女はこうなるものだ。こういうとき私はいつもは、
「女上位で動いていて、ペニスが抜けてしまって嵌めなおすというのは、その度に互いに快感がストップするし、男の心に(やっぱり俺のチンボは短いんだ)という考えをよぎらせるから、ソープ嬢は絶対にチンコが外れないように意識して腰を動かさなければいけないよ」
 と教えるのだけれど、新人のカスミが自分で快感を追求しているみたいに能動的にやっているから、それは言わなかった。
 2度ペニスが放り出されたところで、カスミはまた上体を起こし、今度は上下の動きではなく、局部を前後に揺する動きに変えてきた。それも、カスミの全体重が私の腿と恥骨にかかる感じだ。
 その圧迫で恥骨も睾丸もかなり苦しいけれど、私は我慢した。
 カスミが腰を前後に揺するスピードを上げたから(これはクリトリスを刺激してイク気だな)と思って、ペニスが受ける刺激の物足りなさを感じながら、頑張って腰を浮かし、恥骨の辺りを突き出して応答した。
 そのうちにカスミはアクメった。3回目だ。
 マットが終わってまた談笑した。
 カスミがずーっとアナルに指を入れられることを拒んでいたので、わけを聞くと、全くの新人嬢がノーと口にしにくいのをいいことに、客に無理に入れられて出血したことがあったからだ。
 新人狙いの客にはこういう男がとても多いから腹が立つ。
 カスミも、自分自身でアナルに指を入れたことが殆どないらしい。
「アナルというのは、風呂に入るたびに指を突っ込んで洗っておくものだよ」と言っておいた。
 カスミが(へー!)という顔をした。
 経歴を聞くと3ヶ月だった。
 私がカスミを指名したのは、知り合いから、とても性感度の良い女だと聞いたからだ。そのことを教えるとカスミが驚いた。
「キミはチンボの前後運動で気持ちがよいのはわかるけれど、前後運動でイッたことはないでしょう?」
「えーっ、どうしてわかるのー?」
「キミはクリトリス派だし、第一、ペニスの前後運動でイクなんて、若い女では殆どないことだよ。女の友だちとエッチな話をしていて、私は中でもイケるわ、と断言したのはこれまでにいたかい?」
「……」
「チンボを嵌めていてイクのは、たいがいはさっきみたいに、女上位でクリトリスをチンボの付け根に押しつけてイクのだよ」
「うん、あれ、気持ちいい」
 カスミは業界入りの前は普通に勤めていた。ソープに転じた訳は尋ねなかった。
 ただ、親と一緒に住んでいるというので、仕事に使うドレスや下着はどうしているかと聞くと、自分で洗っているという答だった。
 自分で洗うのは良いが、干していて、それを見た親が疑問には思わないのだろうか。とにかく堅気の女が使うものよりはドレスも下着もうーんと派手になるのだから。そして、カスミが住んでいるところは快速電車が停まらない田舎町だ。
「キミはあれだけ感度が良くて声が出て、男を歓ばせる女だから、結構だよ」
「皆、声を出さないの?」
「出すのは出すけれど、舐めはじめてすぐとか、チンコ嵌めてすぐというのはあんまりいないぜ。ずーっと声が出っ放しなのもなかなかいない。演技で、意識してやっているのはいるだろうけれどね」
「ふーん」
「お前、この仕事をやるからには、あれだけ感度が良くて声が出て、男を歓ばせられるんだから、店で上位5位には入らなければダメだぜ」
「えーっ!」
「積極的なペニス攻撃の気持ちが足りないよ。俺が教えた通りにやれば、絶対に5番目以内に入る」
「ふーん」
「まあ、この顔では、1番2番は無理だけれど」
「んっ!」
「もっと痩せなきゃなぁ」
「私、お客さんに写真詐欺だと言われたことがあるのよ。店の写真はピルをのむ前に撮ったから、スラーッとしているけれど、それからもうどんどん体重が増えて、10キロは行ったわ」
「10キロというのはすごいねえ。ほんの僅かな月数で。……とにかく下から3番目とか5番目というのはだめ!」
「うん」
「業界入りの前の男性経験は何人ぐらい?」
「私、それが少ないの」
「少ないと言っても、3人ぐらいはいるだろう?」
「えーっ、どうしてわかるのーぉ?」
「ソープに来た女で、素人の時に男性遍歴をたっぷりした女以外は、皆そんなものだよ」
「ふーん」
「その3人は、どうせ嵌めるだけのセックスだったろうから、つまらなかっただろう?」
「そんなことないわよ。皆マンコを舐めてくれたぁ」
「へーぇ、若い男が、めずらしいねえ」
「気持ち良かったぁ!」
「ここの客は? キミは感度が抜群だから、皆嬉しそうに舐めてくれるだろう」
「きちんと舐めてくれる人なんていないわ。本当につまらない」
「じゃあ、徹底的にきちんと舐め、ものすごくエロくて、マットのやり方まで教えてくれた僕は、忘れられない客になるだろう?」
「うーん」
 カスミは甘い表情を見せた。
 その後もいろいろ話を聞いた。オナニーをよくしていること、ネットをしていること、どこかからか帰宅して、おしっこが我慢できずに、庭でおしっこをしたこと、その時紙で拭くことはせずにそのままパンツを穿いたこと、店の運営の仕組み、などだ。
 面白い女だからもっとお喋りしたかったが、40分残っているところで絡みを急かされた。
 カスミはとにかく、「入れて」とか、「舐めて」とか、「嵌めたい」とか、「したい」とか、「早く〜」とか、要求の言葉をはっきり言った。
 ベテラン嬢が言えば、それは言葉のテクニックだけれど、カスミの場合は技巧で発しているのではない。本心だ。ここまで嵌めに能動的な女は、私は初めてだ。
「よし、最初は僕の舐めからだ」
 ベッドの中央に行こうとしたカスミを止めた。
「仰向けになって。お尻はここ」
 私はベッドの端を叩いた。
「えーっ、体が落ちちゃうよ」
「そんなことはない。キミは胴がこんなに長いんだから」
 私は床にしゃがんでカスミのマンコにクンニリングスをはじめた。
 すぐにカスミが喘ぎはじめた。
「即の時はベッドの真ん中でしたから、首がつらかったぜ。いつもは、僕はこのやり方でやっているんだ。首がつらくならないし、舐められるほうもこっちのほうがベロの当たり方が良いだろう?」
「うん。気持ちいい」
 そんな言葉を交わした後、カスミは僅かな時間のクンニリングスですぐに気をやった。早かった。
「もう一回な」
 初めはこそぐったそうにしていたけれど、ソフトにオーラルしているうちに調子に乗って、マンコを私の口に押しつけるようにしてきた。
 そして、私が唇と舌で圧迫して揺する動きに変えると、間もなくアクメった。5回目だ。
 私は立ち上がり、嵌めることにした。カスミの腰はベッドの端だ。そのお尻をもう少し引き寄せた。
「落ちる。こわい!」
「僕が腰で押すから落ちないよ。……ベッドが低すぎて、ちょっと嵌めにくいなあ」
 カスミを誘導することに心が占拠されているし、ペニスが刺激されていないから、少し勃ちが甘くて、低い位置の膣口に入りにくかった。
「ちょっと待って」
 私はカスミの開いたマンコを凝視しながらカリを手揉みし、勃起を確かなものにした。
 横綱の土俵入りのように、膝を大きく開いて、腰を前に出した。ツルンとカリが没入した。
「ああん」
 良い声だ。
 そのままスコンスコンと前後させた。
「この体位、初めてだろう?」
「うん」
「チンボが穴の上のほうをガンガンこすって、気持ち良いだろう」
「硬くて、い〜い。奥まで入る〜ぅ」
 私のペニスは実に快調だった。すぐにイキそうな気配がなかった。カスミもたっぷりよがっていた。
 抽送に満足したところで「舐めあっこしよ」と声をかけた。
「うん」の声が元気良い。
 互いに横に寝た形で69をしながら、私は指でバギナの中を刺激した。カスミも口と手を使って、喘ぎながら私の股間を攻めた。
 突然カスミが言った。
「嵌めたい」
 そのまま私の腰を押して仰向けにさせ、乗っかってきた。そして、手で私に指示して両膝を立てさせ、その両膝頭に後ろ手をつき、尻と私の腿が接触するのを楽しむかのようにして大きな尻を回した。
(若いのになかなかやるわい)
 と思いながらマンコの動かし方を観察していた。
 カスミは上下動でかかったり、回転でかかったり、のけぞった角度にしたり、前にずらしてペニスの後ろの根元を圧迫したり、いろいろやっていた。
 女上位に疲れが出てきたかな、と思った時に、私のほうも強張り具合が弱くなってきた。自分が動いていないと、硬さが維持できないのが私のペニスの特質だ。
 体位を正上位にした。初めからガンガン突いた。カスミの両足の構えと私の上体の角度をいろいろ変えて、カスミの喘ぎ声を楽しんだ。
 私はもう半年ばかり2回目の中出しを成功させていなかった。だから私はそれを追い求めた。カスミのよがり声とよがり顔が、私の腰に持続とリズムを呼んでくれる。私は蒸気機関車のように突いた。突いて突いて突きまくった。
 そして遂にペニスの先に微妙な感覚が生じてきた。
(ここでイケないのなら、もう2度と2回目の中出しはありえない)
 そう思ってカリでバギナの前壁をこすった。カスミが右手で陰核茎部を揉んでいたのをやめると、私が体を前に倒して、陰阜を割れ目の上端にこすりつけるようなこともした。
 最後の猛烈ダッシュ。来た。来た。来た。遂に来た。ザーメンが噴射された。実に気持ちが良い。私は身震いして吠えた。
 カスミがティッシュを股ぐらに当てると、言った。
「時間がある。3回目、しよっ!」
「バカ、そんなもん、できるかっ!」
(やっぱりこの子は自分の股ぐらの後始末だけして、こっちのほうはやってくれないなぁ)
と思いながらふとシーツを見ると血がついていた。右の膝を見ると、果たして皮膚がすりむけていた。こりゃあ激しい前後運動だったんだ、と納得した。
 最後の談笑を楽しくやっているうちに、終わりの時刻になった。
 その後、カスミ嬢の推奨を頂いた方から「カスミの女上位の性交で、彼女が前後に妖しく腰を揺すって、そのままイッたようだけれど、中イキだったのだろうか。フェイクだったのだろうか」という問いがあった。
 私は「クリイキでしょうね」と答えた。

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(千戸拾倍 著)
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