良性記
藤井聡太さんの将棋に関する棋士の方々の意見など

 2019年5月9日:第69期 王将戦一次予選4回戦
 北浜健介八段に勝利
松本博文氏執筆のYAHOO!ニュース『神童・藤井聡太、連続王手の千日手で逃れ勝つ』より
 1図は△2三玉まで(藤井76手目)
 ここから松本博文氏の記事を抜粋で掲げる。
 北浜はまず、△2一飛(2図←略)と王手をした。(千戸注:玉がかわすのはだめなので)(中略)藤井は5択の合駒の中から銀を選び、△2二銀と打った。(中略)
千戸注:78手 △2二銀 79手 ▲2五銀 79手 2四銀 80手 同玉 81手2二飛成 82手 2三飛
 先手は合駒の銀を取って、▲2二飛成(6図)と追撃してくる。
 6図で△3五玉と逃げるのは▲3六銀まで。△1五玉も▲2四銀までで、後手玉は詰みとなる。
 よってここでもまた、合駒をするしかない。玉と龍(成り飛車)の間に、持ち駒の中から何を打つべきか。再び飛角銀桂歩、合駒5択の局面である。(中略)
 4手前には不正解だった飛車を合駒にするのが、今度は正解である。藤井は△2三飛(7図)と打った。
 合駒で王手を防ぐのと同時に、2二龍取りになっているのがポイントである。今度、先手が▲2五銀と打つのは△同馬▲同桂に△2二飛と龍を取られていけない。(中略)
 では7図から▲2三同龍△同玉(参考8図)と進むとどうなるか?
 8手進み、その間に2回の合駒を含んでいながら、なんとまったく同じ局面(1図と)に戻っている。
 藤井はこの8手1組の「連続王手の千日手」で勝ちだと読んだ。「連続王手の千日手」は禁じ手である。この手順を繰り返し、4回の同一局面が現れた時点で、王手をかけている側は負けとなる。よって、先手の北浜が手を変えなければならない。
 北浜は7図から▲1一龍と香を取った。手番を得た藤井は△3八桂成から先手玉に迫っていく。藤井玉はさらに追われはするが、3五から中段に泳ぎだし、容易には捕まらない。(中略)
 ――おわかりいただけるだろうか。先ほどは仕方なく合駒に打たされたと思われた2三飛が、なんと先手の2八玉をにらんで、その詰みに役立っている。
 9図(←略)からは△2七馬(大事な成り角を捨てる)▲同銀△1六桂(投了図)までで、藤井七段の勝ち。(中略)
 以上、長々と書き連ねた。要するに藤井は「連続王手の千日手」で逃れるという超絶技巧を骨子とする構想を前から読み進め、実現させ、鮮やかに勝ちきった。
 (中略)
 筆者は記事(千戸注:前日2019年5月8日の名人戦第3局▲佐藤天彦名人−△豊島将之八段戦での、4手1組の「連続王手の千日手」についての記事)に、これは奇跡的な筋であり、ごくまれにしか現れないレアケースと書いた。
 明けて本日。藤井はさらに複雑な、合駒2回を含んでの8手1組の「連続王手の千日手」を見せた。これはいったい、どういうことだろうか――。狙ってこんなミラクルを起こせるわけが・・・。えっ。いや、あるいはもしかして・・・? いやいや、さすがにそれは・・・。そんなことまで考えさせられるような一局だった。
 かくして藤井の令和最初の対局では、このような美しい棋譜が残された。
 思い返せば、羽生善治現九段は、18歳五段当時、平成最初の対局で、加藤一二三九段を相手に、将棋史に残る妙手▲5二銀を指している。(中略)
 羽生善治と藤井聡太。将棋史を代表する両天才のキャリアには、いくつもの共通性が見られる。
 たとえば昭和最後の新人王が羽生ならば、平成最後の新人王が藤井である。(後略)

 2019年3月27日:第32期 竜王戦ランキング戦4組3回戦
 中田宏樹八段に勝利
勝又清和六段のツィッターより
問題 この文章は事実か創作か?
「敗勢しかも1分将棋で銀のただ捨ての鬼手が飛び出し竜の利きを反らしてから王手して角打で合い駒請求だ歩合いするもその歩を取って打って駒余らずの17手詰み勝率第1位になる。将棋世界のアンケート「2018年度ベストバウト3」を返信していた棋士は慌てて出し直す」
遠山雄亮六段のツィッターより
軽く調べた感じでは、△6二銀を▲同竜と取ったことで先手玉に詰みが生じたので、△6二銀を取らずに▲3四桂と竜筋をそらさずに攻めるしかなかったようです。
しかし非常に難解で1分将棋でそれを見切るのは難しすぎます。
この辺りの詰む詰まないの判断の良さが、藤井聡太七段の強さの一つですね。

 2019年2月16日:第12回 朝日杯将棋オープン戦本戦 決勝
 渡辺 明棋王に勝利
渡辺明棋王ブログより
決勝、藤井七段戦。
図の△34歩に対して▲75銀と打つのが唯一のチャンスでしたが、全く気が付きませんでした。なので藤井七段は「図の1手前の△34歩では△75銀だった」という二回り上(こっちは▲75銀に気が付いてないので△34歩が疑問手なんて夢にも思わない)の反省をしていて、大盤解説で佐藤名人と二人掛かりでも先手が良くならなかったですね。
先手番で角換わりを拒否してまで作戦を主張して、相手の対策が十分ではない状況なら少なくとも「指し易い〜やや有利」くらいにはなることが多いんですが(それが先手番の有利性でもある) それを互角で乗り切られて、図の▲75銀しかチャンスが無い、なおかつこっちは全く気が付かないのに相手は全部読んでるってことがあるのかな、と(笑)・・・
序盤も理解度が深いし、弱点が見当たらないんですが、たまには負けたり苦戦する将棋もあるはずなので、次回までにそれを研究したいと思います。

 2019年1月24日:第32期 竜王戦ランキング戦4組1回戦
 村田智弘六段に勝利
 将棋・チェス板──[IP有] 藤井聡太応援スレ part462
249 名前:名無し名人 (ワッチョイ bbda-4pQH 投稿日:2019/01/25(金) 02:13:09.30 ID:gGtdC4sO0 [2/2]
>>229 圧巻なのは5筋から7筋へ飛車を捻らせて藤井の飛車は後退させられ、8筋の飛先は歩で謝り先手は好調に見えるが
攻撃の銀が5五歩で押し戻され、攻めの戦力は飛角桂だけになった瞬間、角交換で浮いた香車の下9八へ角が打たれて痺れちゃった
この香浮きの位置に打ち込むスペース出来るのは、優勢と思ってると事前の読みからフッと抜けちゃうんだよね
257 名前:名無し名人 (ワッチョイ 0f2c-GJyd 投稿日:2019/01/25(金) 03:32:03.73 ID:jPcbB4/S0
村田強かった。
終盤まで悪手はなかった。
終盤も-100ぐらいの手が重なっただけで一手ばったりというわけでもなく
258 名前:名無し名人 (ワッチョイ 9fe0-cDLG 投稿日:2019/01/25(金) 03:44:44.69 ID:R4LyqLr70
まあなんだかんだ今まではあっという間にくずれるレベルの棋士も多かったけど
さすがに徐々につまらん悪手をそのうちやるだろって相手は減ってきたな
259 名前:名無し名人 (ワッチョイ cb01-uJAn 投稿日:2019/01/25(金) 03:54:39.47 ID:gUlYeCSO0 [1/2]
トップ棋士以外は、藤井戦が自分の棋士人生の最大の晴れ舞台だからな
最高の将棋を見せてやろうと思ってるんだろう
260 名前:名無し名人 (ワッチョイ 1f85-xdiO 投稿日:2019/01/25(金) 04:04:02.68 ID:u+W+pLTP0
師匠も師弟対決で、自分の対局が注目された訳だが、それは朝日オープンの番勝負以来と言ってた。
タイトル戦番勝負に無縁な棋士にとって、藤井戦は棋士人生唯一の晴れ舞台。
261 名前:名無し名人 (ワッチョイ 9f02-uJAn 投稿日:2019/01/25(金) 04:28:44.96 ID:LbKB+6L80
>>260
ロートルはみんな引退前に一度指しておきたいと思ってる感じだからな
昇段が早すぎて難しくなったのも多いが
262 名前:名無し名人 (ワッチョイ cb01-uJAn 投稿日:2019/01/25(金) 04:34:45.43 ID:gUlYeCSO0 [2/2]
何とか一度は藤井と対戦してから死にたいと思ってるだろうなw

 2019年1月20日:第12回 朝日杯将棋オープン戦本戦T1回戦
 稲葉 陽八段に勝利
片上大輔六段ブログより
 藤井君強すぎる。この将棋、昨年夏の棋聖戦第4局(▲羽生ー△豊島)の改良版をこないだの新人王戦記念対局(▲藤井ー△豊島)で示して勝ったばかりですよね。(特に角換わりは)こういうことが普通に起きるので、新手の本を書くのはなかなか大変でした。
 それにしてもこの「先後逆を持って勝つ手法」はどうしても羽生先生を連想してしまう。研究は「他の人よりちょっとだけ先」を行くことが大事なんですが、なかなかできることはないし、良くなったとしてもその後正確に指さないといけないので、簡単にできることはない。はずなのですが。
 Daisuke Katagami@shogidaichan

Yahoo!ニュース 遠山雄亮六段の記事より
 この手(千戸注:△60手9五歩)が深い研究を思わせる一着だ。当然の▲9五同歩に△7七歩成▲同金としてから△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9六歩▲同香△7四角と攻め込んだ。最後の角打ちで9六の香を守る適切な手がない。
 この手順はその場で考えるには難易度が高く、藤井(聡)七段の研究で間違いない。△7四角の局面はすでに後手がリードしているように思う。タイミングのいい端攻めで主導権を握ったあとは、鋭い踏み込みで一気に攻め込んだ。稲葉八段はしぶとさに持ち味があるが、全く粘ることができず藤井(聡)七段の快勝となった。

 2018年5月18日:第31期 竜王戦ランキング戦5組4回戦
 船江恒平六段に勝利
遠山雄亮六段ブログより
 対する藤井七段の指しまわしが積極的で驚きました。
 普通であれば後手番でもあるので、まずは無難におさめたいところ。
 しかし、まず▲2六銀に対して△1四歩とせず。
 ▲1五銀と出させて△4五角と反撃の狼煙をあげます。(中略)(千戸注:20手△4五角、21手▲7八金の後)
 プロの本能として△7三銀と指したい局面です。
 この銀を上がれば
 ・飛車の横利きが通る
 ・▲5五角が飛車取りにならない
 しかし藤井七段の選択は△1四歩。
 あえて相手に攻めさせました。
 中継コメントではあまり言及されていませんでしたが、相当に強気な手で驚きました。
 結果的にこの積極的な姿勢が功を奏し、少しずつリードを奪い、最終的には完勝。
 強さを感じさせる内容でした。

片上大輔六段ブログより
 角換わり棒銀を相手に、△4五角と中空に放った一手は、初めて見ました。
 その後もまったくミスがなかったように思います。
 これまでの彼の棋譜を見ていて、特に角換わりの研究量はすごいと感じていますが、研究だけでなく初見での対応力も抜群で、30年以上将棋をやっていて子どもの頃から最近までずっと角換わりをよく指していた自分よりも、すでに経験値の面でも上という気がします。
 情報を際限なく得られる時代になったいま、そこから効率よく(単なる経験ではなく)しっかりした経験値を得る方法を、自然と身につけているように見えます。
 終盤で飛車の高美濃囲いができたのにも驚きました。
 △6三金(千戸注:58手目)という手はけっこう気がつきにくい手だったと思います。(中略)
 前にも書きましたが今回の連続昇級による昇段は、規定としては変な気がするので、個人的には改まってほしいと思っています。
 いっぽう朝日杯(全棋士参加棋戦)優勝の時点で七段でも良かった気はしますね。

 2018年6月5日:第31期 竜王戦ランキング戦5組決勝
 石田直裕五段に勝利
jcastニュースより
「歴史に残る一手になるかもしれません」――。将棋の藤井聡太七段(15)が、2018年6月5日の対局で見せた一手に、同業のプロ棋士から賞賛と驚きのコメントが相次いでいる。
 この日、藤井七段は竜王戦予選のランキング戦5組決勝で石田直裕五段と対局。96手で勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。いま話題となっているのは、終盤の76手目で、藤井七段が飛車を切り捨てたことだ。
■「最善手であり、決め手でもある」
 この一手について、遠山雄亮六段は対局翌日の6日に更新したブログで、
「将棋では『見るからにすごい手』というのはなかなかありません。これはまさにそういう類の手。最善手であり、決め手でもあるところに、またすごさがあります」
と絶賛。同日のツイッターでも、「歴史に残る一手になるかもしれません」と絶賛しきりだった。
 さらには、片上大輔六段も6日のブログで、「藤井君はたびたび信じられないような将棋を見せてくれますが、昨日のはもう、なんと表現して良いのやら…」「もはや同じルールの将棋とは思えません」との衝撃をつづった。
 また、将棋をテーマにした映画「3月のライオン」の指導・監修を担当した藤森哲也四段は、藤井七段の対局中にリアルタイムで更新したツイッターで、
「マジか...。 どこからその予定だったの...?」
と衝撃を受けた様子で反応。勝又清和六段も、「人間が指せる手か?」との一言を伝えていた。

 2017年6月26日:第30期 竜王戦決勝トーナメント1回戦
 増田康宏四段に勝利
将棋世界平成30年11月1日『強者の視点─棋士たちの藤井将棋論─』より
★三枚堂達也六段
 ▲2二歩△同金▲7七桂△8二飛▲6五桂△6二銀▲7五角(略)。▲2二歩は後手陣を乱した手。△同金には▲3一角△3二金▲7五角成が自然に映りますが、(略)。▲6五桂は意表の一手。軽い感じですが、▲2二歩の効果(△6四歩には▲3一角がある)でこの桂はなかなか取れません。そして▲7五角に感動しました。ここに何取りでもない角を打つのは浮かばない手です。
 5三桂打もすごい手でした。角と桂が利いているところに桂を打ち込んでいる。しかも何取りでもない。斬新な組み立てです。

 2017年3月10日:第48期 新人王戦2回戦
 大橋貴洸四段に勝利
将棋世界平成30年11月1日『強者の視点─棋士たちの藤井将棋論─』より
★青嶋未来五段
 時間を使わず、次の△8四角を指します。▲同香なら△8四桂。6四に銀の質駒があり、一気に逆転です。
 誰しもが▲9三桂成〜▲9四歩をやりたくなる。それを誘った勝負術です。△8四角は盲点で、浮かぶ人はプロでもなかなかいません。

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(千戸拾倍 著)