良性記

写真で随想 A


日本一の風景
 日本一の風景ってどこだろう。私は鹿島槍ヶ岳から見る剣岳ともう3つ、剱岳、槍ヶ岳、羅臼岳の各山頂から見る 360°のパノラマ光景のいずれかだと思うが、この素晴らしい景色は登山ができる人しか見られない。
 特別の人しか見られないものを“日本一の風景”とすることはできない。そんなことで良いなら、松下奈緒や黒木メイサや深田恭子が全裸M字開脚している光景が“日本一”と力説せざるを得なくなる。
 一般の人が鑑賞できる範囲で日本一の風景は、私は長野県・扇沢から富山県・弥陀ヶ原までの立山黒部アルペンルートから楽しめる景色だと思う。
 ここに行くのは交通費がでかいから決断が要るが、ルートの製作費用が途方もなく巨額だからあれぐらいの出費は許容すべきだ。日本人なら一度はここに行かなければ話にならない。もしここを目指すときは、天気予報を確認してから宿の予約をするのが良かろう。
 悪天候ならどうしょうもないから、好天の時に行くようにすべきだ。西から東ではなく、信濃大町辺りで泊まって東から西とするのが良い。弥陀ヶ原で夕刻だ。
 ただ、私は自分の足で立山も剣岳も後立山連峰も何度も行っていて、このアルペンルートの全部を利用したことはない。
黒四
 黒四ダム遠景だ。登山家しか行かないような地点から撮った。
 夏も秋も良いけれど、やはりこういうところは残雪が多い時が一番良いだろう。

 立山黒部アルペンルートから眺める景色が日本一の風景ならば、第2位の見所はどこだろうか。名所旧跡でもって候補に次を考える。北から順に上げよう。
( 1) 流氷の押し寄せたオホーツク沿岸 (13) 白糸の滝周辺
( 2) 氷の摩周湖 (14) 初夏の上高地
( 3) 冬季の黄金道路(えりも町庶野〜広尾町) (15) 春の彦根城
( 4) 残雪の八甲田 (16) 京都の神社仏閣
( 5) 陸中海岸 (17) 奈良の神社仏閣
( 6) 樹氷の蔵王 (18) 春の吉野山
( 7) 残雪の吾妻スカイライン (19) 姫路城
( 8) 秋の裏磐梯/TD> (20) 宮島弥山からの眺めと厳島神社
( 9) 日光東照宮と華厳の滝周辺 (21) 日南海岸
(10) 鎌倉の神社仏閣 (22) 鹿児島から桜島遠望
(11) 富士五湖から富士山を見る (23) 開聞岳周辺
(12) 箱根 (24) 沖縄の浜辺
 ※ このうち八甲田と箱根と沖縄は私は訪問したことがない。
 こうやって並べるともう第2位はその人の好みだ。まあ私は上高地を第2位にしたい。これが第1位と同系統であるのを嫌うなら、春の吉野山、京都の名所、富士五湖から富士山遠望、華厳の滝周辺、宮島、桜島遠望ぐらいから挙げるのが良かろう。
 ただ言えることは、海外旅行ばかりしていて、国内旅行を馬鹿にし、或いは、金がかかるだけで意義が乏しいとし、以上の25件(アルペンルートを含めて25件)の6割の箇所に行ったことのない40歳以上の人は日本人をやめてもらったほうが良い。お話にならないのだ。

 並べた風光明媚な箇所の中で私がデジカメで撮った景色は残念ながらあんまりない。その中で華厳の滝の写真がある。
華厳
 明智平から華厳の滝と男体山といろは坂を遠望するのが目の保養になるが、その時は雨模様でカメラを出さなかった。華厳の滝の全景を展望台から眺めるのも大変結構だ。
 本当に奥日光は美しいところだ。

華厳
 写真にすると岩壁の怪異なさまが表現できない。
 日本三大名瀑は華厳の滝、那智の滝、袋田の滝と言われているらしい。ただ、袋田の滝に代えて、白糸の滝か秋保大滝を選ぶ考えもある。
 私はこの5つの中で那智の滝だけは見ていない。袋田の滝の岩壁は黒人さんのおまんφを連想させる奇っ怪さがあって結構だ。
 まあ、袋田の滝や秋保大滝よりは白糸の滝のほうが素晴らしい景観だと思う。秋保大滝は周辺の景色が冴えない。袋田の滝も滝だけだ。白糸の滝は全体にじわじわ迫るし、神秘的だ。
 一般の人が近づきにくい滝に称名の滝がある。一般の人どころかかなりの登山家でも見るのが難しい滝に剣沢大滝がある。共に富山県の山奥にあるが、この2つの滝は本当にすごい。私は剣沢大滝をNHKのドキュメンタリー番組で見ただけだが、実に壮麗だ。難攻不落なことは群を抜く。
 まあ我が国最高の滝は剣沢大滝だろう。

 もう一つは春の吉野。とにかく人出のすごいことには驚いた。まともに歩けないのだ。一面満開の桜の眺めがそれだけ素晴らしいということだ。
 外国人の観光客が意外に少なかった。やはり桜は日本人が好む度が高いということか。
吉野1

吉野2
  金峯山寺

吉野3
 吉野の吉水神社の展示物は感心できなかったね。展示物に防犯・保存の観点から疑問があった。それだけまがい物が多いのではないかと疑った。インチキくさいのが多いのだ。
 それにしても吉野山について“全山桜”という形容をよく目にして、書物で見た時はふん?と思っていたが、実際に目にするとまことにド迫力だ。大勢の人が長年植樹の努力をしてきたことに想いを馳せるよ。

 更に宮島だ。弥山の高いところから眺める瀬戸内海の景色が素晴らしい。私が行った時は残念ながら良い写真が撮れなかった。
 勿論厳島神社も大聖院も大変結構なところだ。厳島神社は本当に壮麗だ。
厳島神社
  厳島神社

大聖院
 大聖院の庭園だが、大聖院というのは実に結構だった。
 大聖院は是非すべてを見学したい。


古刹(1)
 ソープ好きな男がそんなに古刹巡りをする筈がないが、多少は神社仏閣を見にいくことがある。
 先ず美濃の谷汲山華厳寺だ。
谷汲
 私の母の父がたいそう信心していたからどんなところだろうかと思っていたので、退職後に行ってみた。
 御開帳の一大セレモニーとかで、ものすごい人出だった。驚いたのは還暦を過ぎた私より若そうな人が1割もいなかったことだ。
 岐阜駅前からのバスが超満員で往復立ちっ放し。参った。

 谷汲山の参詣が平成21年で、このとき心が洗われた気がしたので、平成22年の初夏に思い切って鳳来寺に行くことにした。
 鳳来寺山は子供の時に行って以来だが、記憶以上に超長い激烈な階段だった。よく登り切れたと我ながら感心する。もう最後は死ぬ思いだった。
鳳来寺

鳳来寺2
 鳳来寺山の山頂?まで車で行けるのだが、ここは絶対に車で行ってはならないと思う。鬱蒼とした木立の中の尊い道のりであり、歩くべきだ。
 ただ石の上り階段があまりにも凄まじい。膝を持ち上げる筋肉が壊滅する。夏に行っては発熱して死ぬ。春か秋が良い。
 まあ、一番感じ入ったのは、愛知県東部のあの地区がたいそう貧しそうに見えたことだ。愛知県の行政と言っても西と東とでは随分違うだろうと思った。一色でやれっこない。

 京都の名所。三千院も清水寺も竜安寺も嵐山も良い。代表はやはり金閣寺になる。
金閣寺
 私の京都観光は、(1) 小学校の修学旅行 (2) 女房と婚約時代に、二条城、春日大社、銀閣寺、詩仙堂、曼珠院 (3) 初老の時期に天龍寺などぐらいで、この時に金閣寺にも行き、これは小学校の修学旅行以来だった。
 金閣寺というと何となく俗の塊のような気がしていたけれど、大人になってから眺めてみると、やっぱりすごいとしか言い様がない。
 清水寺→金閣寺→天龍寺→大原三千院と回った。
 清水寺では、境内くまなく、また、寺を囲む石畳の坂も次々に歩き回り、清水寺の見どころは『清水の舞台』だけではないということがよくわかった。
 三千院は樹木寄贈の立て看板がやたらと目立ち、せっかくの風情をぶちこわしにしているのが残念だった。地味な色の小さい看板にしていたら良いのに。大原の田舎風景が良いと思った。
 それにしても、清水寺界隈→嵐山・天龍寺→詩仙堂→曼珠院 なんてコースは、愛人と歩けば最高だと思う。

 醍醐寺が世界遺産だと知り、行きたくなった。やはり桜の時期に行くのが良い。
A01
  醍醐寺入り口 桜のトンネル

A01
  醍醐寺 五重塔

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  醍醐寺 無量寿苑

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 醍醐寺 三宝院 憲深林苑

 醍醐寺三宝院の庭園は撮影禁止の度が過ぎてあきれた。残念だった。

 鎌倉のお寺や京都の竜安寺や清水寺も良いが、東大寺と興福寺と法隆寺はとにかく圧倒される。
東大寺
  大仏殿

01
  写真を撮らせてもらえるんだねえ。

02
 二月堂

 私が東大寺に行った時(2013年04月23日<火>)と厳島神社に行った時(2012年10月31日<水>)には思いの他の外国人の多さに驚いた。欧米系もよく見かけたが、東アジア系がとにかく多かった。
 なお、吉野山と醍醐寺はそれほど外国人を見かけなかった。平等院は欧米系の観光客がそこそこいた。

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(千戸拾倍 著)