良性記

時代劇大好き

 私は時代劇が大好きだ。長い作品は録画して観ることにしている。ところが、このところきちんと観ずに消去してしまうことがよくある。
 字幕付きと思って録画して、字幕なしだから消した事例もあるけれど、途中まで見てつまらないので消すというのが多い。歳を取って創作話には感動しにくくなったのもあるが、作り方自体が稚拙でカチッと来るのだ。時代背景や風俗設定等が無茶苦茶というのはいやだ。
 Wikiの『時代劇』に私が思っていることが書いてあった。
 私は時代劇を観ていてこれは許せないと思うことがいくつかある。それを書き連ねたい。
1.人間関係(上下関係、親子関係等)・男女関係について現代人の思考に合わせすぎなこと
 とにかく女性タレントをドラマの中で活かしたいという意識が強くて、女性の描き方を現代的にしすぎだ。当時は男尊女卑の世界で女性は奥に引きこもっていたのだからそのように描けば良いではないか。
 更に、主演の若い俳優を格好良く描くべく、その時代の人ならやらない言動をガンガンやらせる。自由、平等、博愛、人権、現代の考え方や、現代の折衝方法を入れ込む。もうかなわないと思う。若者や女性にはなかなか思うようにならないまどろっこしい世界であることをぶっ飛ばしすぎだ。
 テレビで芸能人たちがトークする番組を観ていると、互いが社会的地位の違い、見識の差、年齢の違い、こういうもの関係なしに全く対等な感じで言い合う。実社会(要するに、会社や学校や家庭の中)ではもう少しこういうことに明確な配慮があるのに、テレビの画面の中では皆極端なまでに対等!。で、それを誰も変だとは思わない。
 そんな流れから、時代劇では、面倒な挨拶・謙譲語・尊敬語・丁寧語、全部省略。こんなことで良いのかと思っている。私が昭和30年代40年代に観た時代劇と今の時代劇はかなり人間関係の描写が違っている。とにかく現代の価値観で歴史/人の有様を改ざんして良いものなのか。
2.風俗の取り上げ方が無茶苦茶だ
 お歯黒を描かず、下着が違うという点までは仕方がない。沢尻エリカ様がお歯黒で登場したらギョッとする。女はノーパンで出て貰いたいけれど、それは無理というもの。
 しかし、頭に来るのは月代の扱い。時代劇 月代でググって出てくるサイトのいくつかを眺めて欲しい。いろいろわかる。
 月代は前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた(抜き上げた)部分を言うが、成人男性はこれがあるのが当たり前だ。ところが、平成以降の時代物では総髪で登場する武士町人がやたら多くなった。
 制作コスト削減とは到底思えない。俳優の見た目配慮の故だ。それと、チョンマゲのカツラを綺麗に被るには、髪を短く刈り込む必要があるけれど、高ギャラの俳優には髪型を大幅に変えるのを嫌がる人が多いため、総髪のカツラにするようだ。
 更に、月代のカツラを使っても、見た目少しでも今の頭髪に近づけるべく、月代の面積が実に小さいものばかりになっている。黒澤明監督は偉かった。月代の面積が大きなカツラをしっかり使用している。
 三谷幸喜監督の映画「清須会議」も役所広司(柴田勝家)以外は月代の面積が大きなカツラだった。三谷氏はいかなる考えで役所広司には毛が生えたままのカツラをつけさせたのだろうか。映画「のぼうの城」でも、佐藤浩市が毛が生えたままのカツラをつけた以外はそんなに違和感のない(要するに、月代の面積がある)カツラを被っていた。
 今の世はとにかく禿げ頭忌避の風潮だ。ハゲとチビは下に見られ、結婚が難しくなる。そんな中でハゲや薄毛を売りにする斉藤司はエライものだが、これは格外人間で、とにかく見た目ハゲに近いカツラを男優も制作者も使いたがらない。どういうこっちゃ。
 自分で改善できるデブと真性包茎はくそみそ扱いして良いが、自分で改善できないハゲとチビは下に見てはならない。なお、バカは自分で改善できなくても馬鹿にすれば良い。
 前髪をつけたまま帯刀している主人公や主要な登場人物を見ると、テレビのチャンネルを変えたくなる。とにかく江戸時代や室町時代に書かれた絵に出てくる髪型とテレビや映画での髪型をもう少し一致させて欲しい。キムタクや堺雅人や妻夫木聡や岡田准一や山本耕史が変な顔にならないように現代に近い髪型にするのはやめて欲しい。ハゲとチビに人権を!!!
Wikiの『七人の侍』より
黒澤は日本画壇の長老前田青邨を美術監修に迎えた(青邨はクレジットされていない)。青邨は「(歌舞伎の影響の強い)従来の時代劇の鬘はおかしい。虎屋の羊かん見たいな髷がのっかっているのは言語道断、もっと剃り込んでいて低いはず」と、鬘の形を指摘し、鬘は従来のものよりも月代を耳の近くまで剃り込み、側面の髪を低くしたものを採用した。
3.会話に諱を出し過ぎなこと
 視聴者にわかりやすく──というのは大切だけれど、もう少し配慮して欲しい。家康様、信長様と当時の人が言うことは先ずないのだから。
 漢字文化圏では、諱で呼びかけることは親や主君などのみに許され、それ以外の人間が名で呼びかけることは極めて無礼であると考えられた──こういうことだ(Wikiより)。
4.昔人々は卑猥や差別用語にもっと大らかだったのに、それが全く出てこないから違和感がある
 かたわもびっこもえたも河原者も性器や性交を示す言葉も皆おおっぴらだった。行動も、女の立ち小便や屋外での和合などいくらでもあったはずだ。それを演出せよとは言わないが、女がひっころんだら「毛が見えた」とガキがはやし立てるシーンがあっても良いではないか。
 平成21年頃私は日記に次のように書いた。
 私は、脚本家が話を面白くするためにいろいろ話を作り込むことには反対しないが、史実とか当時の作法と思われていることにまるっきり反する作り話を仕立て上げることはよしとしない。
 たとえば時代劇で、簡単に登場人物が相手の名前で呼びかけるのには大変抵抗を感じる。官職名などで呼びかけさせて、テロップを流せばよいと思う。
 前回の『篤姫』(第22回)でも、小松(瑛太)が島津斉彬(高橋英樹)に「公方様がおたんちんと知って篤姫を御台所に勧めたのか」という内容の大変失礼な質問をぶっつけるが、こんなあり得ないことを作り込むのは反対だ。

 私が好きな時代劇はどんなものか。順不同で書こう。
 黒澤作品、NHK大河ドラマ、池波正太郎作品、戦国物、こんなところか。
 ここ数年で一番の時代劇については2018年3月25日(日)の日記に書いた。
 今でも夢に時々出てくるテレビドラマの名作がある。
 制作が1993年、私がスカパーで観たのが2016年、『阿部一族』だ。日記に「涙でグショグショになった」と書いた。(出演:佐藤浩市、藤真利子、蟹江敬三、石橋蓮司、真田広之、渡辺美佐子etc)
 DVDが出ているかもしれない。もし出ているなら借り出すのを激しく推奨したい。森鴎外の原作だからそりゃ良いわ。私はこのドラマを後の70%ぐらいしか観ていないけれど、それでもいくつかのシーンが夢に出てくる。本当に名作だ。
 藤真利子や渡辺美佐子らが自決するシーンが壮絶だった。NHK『八重の桜』で西郷頼母の妻(演:宮崎美子)と子らが自決するシーンが重なってとてもつらかった。
 藤真利子や渡辺美佐子と同等に宮崎美子らは好演したが、それが2013年の大河ドラマで、もう5年経っているとは不思議だ。
 2019年4月5日の朝テレビで福島県三春町の福聚寺のベニシダレザクラを取り上げた。福聚寺が三春城主の田村氏の菩提寺であることから本堂の正面に桜が植えられたと説明するご住職が小説家でもある玄侑宗久さんだから驚いたが、しだれ桜は満開になれば素晴らしかろうと思った。
 ワイフが説明を聞いていて「(三春城主の)田村家って、有名な殿様がいるの?」と質問した。
「田村は伊達政宗にいいようにやられたから有名な殿様は出ていないよ」
 そう説明しながら、私は桜田淳子のお姫様姿を思い浮かべ、うんうん呻って彼女の名前を引っ張り出そうとした。悪戦苦闘の末ようやく桜田淳子の名前を思い出し、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で、田村のお姫様(桜田淳子)が伊達政宗(渡辺謙)の正妻を演じて、遠藤基信(神山繁)や鬼庭良直(いかりや長介)らの伊達家重臣が嫁入りの姫様を受け取るシーンが印象深かったことを説明した。
 本当に『独眼竜政宗』は想い出の作品だ。一緒にこの番組を観ていたワイフは桜田淳子のことを全く憶えていないようだ。
 さて、09/03/16に陶酔の映画とNHK大河ドラマというページを発表した。その後サイト(旧陶酔記)が抹殺されて、現良性記を再構築した時は、大河ドラマについて持論や感想を世に出すほど作品を繰り返し観てはいないし、濃厚な感激がそんなにあるわけでもないと思って、このページは没にした。(但し、映画について書いたものは『自己紹介、というか若き日への郷愁』に載せた)
 しかし、田村の姫の嫁入りのシーンを思い出すと、NHK大河ドラマについてまとめたものがたとえ論にまで昇華したものではなくても、捨てることもなかろうと思い直し、『篤姫』までの記載だったのを『麒麟がくる』まで書き足し、時代劇全般に話を拡げてこのページをまとめた。
 NHK大河ドラマを思い出すと自分の人生まで振り返ることができる人が多いのではないか。私は大河ドラマを観ていない人は──歴史に興味を持てず、ちゃらい白痴番組か運動能力だけが誇りの人の肉体動作にしか興味が持てないつまらない人物──とどうしても認定してしまう。
 そういう観点から大河ドラマの視聴率がどんどん落ちていったのが残念でならない。嗜好と思考の多様化なんていう言葉で片づけたくないと思っている。芸能人同士のトークやゲーム興じの馬鹿番組を観ることに仕事の後の余暇や一家団欒の時間をつぎ込む日本人の多いことには本当に腹が立つ。これが──価値観の広がりで、良いことだ──とは絶対に思わない。これは一億低脳化だ。
 NHK大河の放映一覧表を眺めると自分の人生を思い出せるのが結構だ。だから、2009年にWikiの記事を利用して一覧表を作った。
 こんなとろいものを‘大河’にとりあげるなんて!──と確信的に思って視聴しなかった作品を除き、第1回作品から全部を観ている日本人はそうはいないのではないか。(下限年齢は1949年生まれぐらいだろう)
 下表の『頻度』は観た割合で、旅行などの不可抗力で観られなかったのは「観たこと」にして、また、第1回放送しか見なかったとか数回しか見なかったものは0%にした。
番組名 放送期間 原作 主な出演者 頻度  思い出すこと
花の生涯 昭和38年 舟橋聖一 尾上松緑、淡島千景
佐田啓二
60  私は高校2年だった。
私は佐田啓二氏主演の映画は観たことがなかった。(私はとても映画好きだけれど松竹映画は10代では殆ど観ていない)
これを見てなかなか味のある役者だと思った。
赤穂浪士 昭和39年 大仏次郎 長谷川一夫、林与一
宇野重吉
60  大学受験の時期だったけれど、誘惑に負けまいという心を殺して観ていた。
林与一の魅力に驚いた。
太閤記 昭和40年 吉川英治 緒形拳、高橋幸治 100  大学に進学し、山岳部の合宿でこれが観られないことがあったのが残念だった。
高橋幸治の演ずる信長像に好感を持った。
緒形拳は実に好演だったね。
Wikiの記述はとても興味深い。
源義経 昭和41年 村上元三 尾上菊之助、加藤大介
藤純子
100  あまりシーンが思い浮かばないから、熱中度は低かったのかも。
主演男優が気に入らなかった。
三姉妹 昭和42年 大仏次郎 岡田茉莉子、山崎努
藤村志保、栗原小巻
100  これもあまりシーンが思い浮かばないから、熱中度は低かったのかも。ただ、栗原小巻のあの大きな口に見とれていた。
竜馬がゆく 昭和43年 司馬遼太郎 北大路欣也、三田佳子
浅丘ルリ子
60  教養部を留年していてようやく学部に進んだ。それまでの怠惰を反省して真面目に学業に取り組んだし、原作を読んでいたから、見ていない回も多かった。
それに、司馬遼太郎の竜馬持ち上げに忌避感があったのかも。
天と地と 昭和44年 海音寺潮五郎 石坂浩二、中村光輝 100  就職先も決まって安心して観ていたと思う。いくつかのシーンがいまだに記憶に残っている。長尾政景を演じた山口崇が印象的だった。
樅の木は残った 昭和45年 山本周五郎 平幹二朗、田中絹代
吉永小百合
100  就職し、任地仙台に赴くべく上野発の特急列車に乗った。白石あたりから沿線に「樅の木は残った」の幟が飾られていて、ふるさとを遠く離れた実感が湧いた。
春の坂道 昭和46年 山岡荘八 中村錦之助、長門勇 100  錦之助さんの演技がオーバーだと思いながらも、柳生宗矩という歴史の傍流人物が主人公なので、楽しく見ていた記憶だ。
10 新・平家物語 昭和47年 吉川英治 仲代達矢、中村玉緒
佐久間良子
40  お見合いし、現ワイフへの求愛活動で、番組を見る余裕がなかった。それに、日曜日は登山やスキーに忙しかった。
11 国盗り物語 昭和48年 司馬遼太郎 平幹二朗、高橋英樹
近藤正臣、池内淳子
100  結婚前後の時期で、登山やスキーは控えていたから、真面目に見ていた。斎藤道三と織田信長が主人公と来れば、もう熱中だ。
12 勝海舟 昭和49年 子母澤寛 渡哲也、松方弘樹
尾上松緑
当時日活は日本をだめにする映画を出していると思っていたから、そこの俳優は皆大嫌いだった。それに、幕末物が嫌いだった。更に、長男の出産もあって、継続して鑑賞できなかった。
13 元禄太平記 昭和50年 南条範夫 石坂浩二、岡田茉莉子
江守徹、竹脇無我
30  育児と勉強(税理士)で見る余裕がなかった。
14 風と雲と虹と 昭和51年 海音寺潮五郎 加藤剛、吉永小百合 30  育児と勉強(税理士)で見る余裕がなかった。まともに史実が残っていない平将門にも関心が乏しかった。
15 花神 昭和52年 司馬遼太郎 中村梅之助、中村雅俊
米倉斉加年、浅丘ルリ子
50  主役の役者に関心がなかった。原作を読んでいた。明治物があんまり好きでなかった。真珠腫中耳炎で悪戦苦闘していた。
以上によりそんなに観ていなかった。
16 黄金の日日 昭和53年 城山三郎 市川染五郎、栗原小巻 仙台から東京に転勤した年で、真珠腫中耳炎の闘病もあって見ていなかった。そもそもまともに史実が残っていない主人公だから、見る気がしなかったのだと思う。
17 草燃える 昭和54年 永井路子 石坂浩二、岩下志麻
国広富之
100  岩下志麻の熱演に惚れ惚れしていた。相当力を入れて観ていた。松平健演ずる北条義時そして金田龍之介演ずる北条時政も良かった。安達盛長(武田鉄矢)、三浦義村(藤岡弘)、比企能員(佐藤慶)も印象的だ。
18 獅子の時代 昭和55年 なし 菅原文太、加藤剛 大河で明治物をするのが不快だった。主役のタレントが体育会系だから関心がなかった。真珠腫中耳炎の再発と手術で心が乱れていた。
19 おんな太閤記 昭和56年 なし 佐久間良子
西田敏行、藤岡弘
100  愉快に観ていた記憶だ。信長役の藤岡弘が印象に残る。
20 峠の群像 昭和57年 堺屋太一 緒形拳、多岐川裕美 東京から名古屋に転任し、業務多忙、家の新築検討、引っ越し、親との同居で見る余裕がなかった。忠臣蔵にも飽きていた。
堺屋太一をくさく感じていた。
21 徳川家康 昭和58年 山岡荘八 滝田栄、武田鉄矢
役所広司
100  仕事の強烈な忙しさにいやになり、ソープ遊びに嵌った年だ。日曜日まで仕事をすることはないから、この番組は熱中していたが、滝田栄が徳川家康のイメージとは違いすぎるので気になってしょうがなかった。
22 山河燃ゆ 昭和59年 山崎豊子 松本幸四郎、西田敏行 大河で現代劇をするのが不快だった。
23 春の波濤 昭和60年 杉本苑子 松坂慶子、壇ふみ 大河で明治物をするのが不快だった。
24 いのち 昭和61年 なし 三田佳子、役所広司 大河で現代劇をするのが不快だった。
25 独眼竜政宗 昭和62年 山岡荘八 北大路欣也、岩下志麻
渡辺謙、桜田淳子
100  これは本当に熱中して観ていた。最上義光役の原田芳雄が記憶に残る。岩下志麻も好演だ。仙台に8年住んだので話に出てくる地名が殆どすべてわかるから、愉快に思っていた。
26 武田信玄 昭和63年 新田次郎 中井貴一、若尾文子
西田敏行
80  若尾文子が大好きで、彼女の登場を楽しみにしていた。
27 春日局 平成1年 なし 大原麗子、佐久間良子
丹波哲郎、山下真司
100  源平合戦から徳川初期までを題材にしたお話が大好きだから、これは熱心に観ていた。職業人としては脂がのっていた時期だった。
28 翔ぶが如く 平成2年 司馬遼太郎 西田敏行、鹿賀丈史 40  原作を読んでいて、劇のほうには興味が湧かなかった。仕事では、上司と全く肌が合わず、気分的に不振の時期だった。
29 太平記 平成3年 吉川英治 真田広之、沢口靖子
武田鉄矢、片岡孝夫
100  これまでの大河ドラマの中では『篤姫』と並んでのめり込んでみていた作品だ。沢口靖子の美貌に魅了されたし、足利直義役の高嶋政伸や高師直役の柄本明に痺れた。北条高時役の片岡鶴太郎の怪演、長崎円喜役のフランキー堺も記憶に残る。
仕事では、上司と全く肌が合わず、気分的に一大不振の時期だった。
30 信長 平成4年 なし 緒形直人、滝田栄
菊池桃子、仲村トオル
100  それなりに楽しんで観ていた。
31 琉球の風 平成5年 陳舜臣 東山紀之、渡部篤郎
原田知世、工藤夕貴
半年大河というのが不快だった。更に、原作に関心がなかった。
32 炎立つ 平成5年 高橋克彦 渡辺謙、古手川祐子 60  半年大河というのが不快だったが、源平対立に先立つ物語だし、自分がお世話になった東北の中世がどのように描かれるのかと興味を持って眺めた。
33 花の乱 平成6年 なし 三田佳子、市川團十郎
萬屋錦之助、京マチ子
100  『太平記』のときもそうだが、私は大河ドラマで室町時代がなかなか取り上げられないのを不満に思っていた。だから喜んで観ていた。萬屋錦之助の山名宗全も良かったが、細川勝元役の野村萬斎、一休宗純の奥田瑛二、森侍者の檀ふみが印象的だ。
34 八代将軍吉宗 平成7年 なし 西田敏行、小林稔侍 100  とにかく楽しんで観ていた。『花の乱』の時もそうだが、私は、筋立てが史実と違うぞと思っても、そんなに気にしないタチだ。装束・用語などのほうは気にする。
35 秀吉 平成8年 堺屋太一 竹中直人、沢口靖子
仲代達矢、渡哲也
100  竹中直人のやりすぎの演技を楽しんでいた記憶だ。とにかく沢口靖子に痺れていた。
36 毛利元就 平成9年 永井路子 中村橋之助、森田剛
富田靖子、松坂慶子
100  当時永井路子さんの作品をよく読んだから、これも楽しませて貰った。毛利氏のことはそれほど知らなかったから、この頃その方面の史書をよく読んだ。
いかにもくそ真面目系の中村橋之助はタイプではないが、富田靖子のエロそうな雰囲気で我慢した。
37 徳川慶喜 平成10年 司馬遼太郎 本木雅弘、大原麗子 主人公にも主役のタレントにも興味が湧かなかった。敗残者は嫌いだ。
38 元禄繚乱 平成11年 舟橋聖一 中村勘九郎、東山紀之
石坂浩二
80  忠臣蔵には辟易していた。
大河全体に言えるが、歌舞伎役者の主演はいつもミスマッチに感じた。
39 葵 徳川三代 平成12年 なし 津川雅彦、西田敏行
尾上辰之助
100  秀忠・家光が大河に主人公出てくるのが嬉しかった。やはり徳川幕府創成期は面白い。
私の勤労人生で一番地獄の時期だったからこれを観るのが楽しみだった。
40 北条時宗 平成13年 高橋克彦
和泉元彌、渡部篤郎
渡辺 謙、浅野温子
100  渡辺謙が好きだった。渡部篤郎の赤マフラーには参った。木村佳乃の「ときむね〜ぇ」にも参った。あり得ない呼びかけだから。北条実時役の池畑慎之介(ピーター)、平頼綱役の北村一輝に痺れた。
41 利家とまつ 平成14年 なし 唐沢寿明、松嶋菜々子
反町隆史、酒井法子
100  反町隆史の信長に痺れた。
唐沢寿明と松嶋菜々子は私がそんなにそそられるような俳優ではなかった。
42 武蔵 MUSASHI 平成15年 吉川英治 市川新之助、米倉涼子 初回?の盗作(七人の侍)で観る気がなくなった。そもそも市川新之助(→海老蔵)はなるべく観たくない。
43 新選組! 平成16年 なし 香取慎吾、藤原竜也
山本耕史、佐藤浩市
主役のせいで見る気がなくなった。とにかく香取、草g、中居が主演する映画や、メインのMCになる番組は観るものではない。稲垣と木村はgood。
44 義経 平成17年 宮尾登美子 滝沢秀明、松平 健
中井貴一、渡 哲也
100  脚本にかなり不満を感じたが、ちゃんと見た。稲森いずみ、松平健、中井貴一が良かった。
45 功名が辻 平成18年 司馬遼太郎 仲間由紀恵、上川隆也 100  司馬遼太郎氏の小説は殆ど読んでいる。脚本にかなり不満を感じていたが、ちゃんと見た。
それまで山内一豊やその土佐入りなどにさほど関心がなかったけれど、興味を持って調べもした。
46 風林火山 平成19年 井上 靖 内野聖陽、市川亀治郎
Gackt
100  面白く見させて貰った。藤村志保の寿桂尼と伊武雅刀の太原崇孚雪斎を熱心に観た。
47 篤姫 平成20年 宮尾登美子 宮アあおい、瑛太 100  とにかく熱中した。小松帯刀を前面に出したことだけで評価できる。
48 天地人 平成21年 火坂雅志 妻夫木聡、北村一輝 100  ストーリー作りが無茶で腹が立つところもあったが完走した。上地雄輔演ずる小早川秀秋が記憶に残る。
49 龍馬伝 平成22年 なし 福山雅治 大したことをしていない美化された坂本龍馬はきらいだから当然本作は観ない。
50 江〜姫たちの戦国〜 平成23年 田渕久美子 上野樹里、宮沢りえ 100  作り話がひどすぎて参った。どうして全部観たのだろうか。
51 平清盛 平成24年 なし 松山ケンイチ、松田翔太 100  「王家」という言葉は気に入らなかったけれど、白河法皇(伊東四朗)、鳥羽上皇(三上博史)、崇徳上皇(井浦新)、後白河上皇(松田翔太)の描き方が興味津々だった。
52 八重の桜 平成25年 なし 綾瀬はるか 100  幕末物は嫌いでも、綾瀬はるかの主演の時代劇であれば観るよ。それに、尾張藩高須4兄弟の3番目がしっかり出たからね。
53 軍師官兵衛 平成26年 なし 岡田准一、竹中直人 100  荒木村重や戦国時代の播磨方面のことをそんなに知らなかったから、本作でそういったことを認識できて良かった。
54 花燃ゆ 平成27年 なし 井上真央 幕末物は嫌いだし、女性をむりやり主人公に仕立て上げた作品だから放置した。
55 真田丸 平成28年 なし 堺雅人、草刈正雄、小日向文世 100  この作品のお陰で、武田信玄が死んだ後から関東転封前までの徳川のことが随分勉強できた。
秀吉を演じた小日向文世の演技に目を瞠った。
56 おんな城主 直虎 平成29年 なし 柴咲コウ、菅田将暉 100  今川家をしっかり描いたから良かった。それに、柴咲コウと菜々緒が良い!!
今川氏真役の尾上松也が印象深い。
57 西郷どん 平成30年 林真理子 鈴木亮平、瑛太 100  幕末物は嫌いだけれど、鈴木亮平氏の頑張りに感心し、結局完走した。明治初期の風物をしっかり描いていたと思う。
瑛太という役者は嫌いだったけれど、慣れてしまった。二階堂ふみという役者を知らなかったから確かな演技力に驚いた。
その後ワイフは二階堂ふみが民放の画面に現れる度に演技がワンパターンだ、つらい表情をしているだけだ、と非難する。私が感心することには水をかける性癖がついたかな。
58 いだてん〜東京オリンピック噺〜 平成31年 なし 中村勘九郎、阿部サダオ スポーツ馬鹿なんてこの世に要らないと思っているのに、現代劇で、しかも、私が最も苦手とする運動がテーマだ。観たくない!
テレビ画面に市川海老蔵が現れた時私は「こいつはきらいだ!」と言った。ワイフが訳を聞くから、「歌舞伎役者は血統で主役がやれるかどうかが決まるから、そういう世界で代表者として出てくるやつは好かん。脇役役者がいつまでも脇役をやる歌舞伎や狂言になんてなくなればよい」と答えた。
堀越勧玄の舞台登場を秋篠宮家のご長男のように大々的に取り上げるテレビ局の制作姿勢が不快だし、世襲制の世界の人間は古典芸能を守る役割があるから世襲制があってもよいけれど、その世界だけで働かせれば良い。
59 麒麟がくる 令和2年 なし 長谷川博巳 楽しみだ。
 過去のNHK大河を思い出して自分の過去が振り返られる人は多いと思う。
 このNHK大河ドラマは見逃し者のため翌週に放送する以外にも後年よく再放送されているけれど、その再放送を見たのは『武田信玄』と『太平記』の数回分だけで、表の『思い出すこと』は短文ではあるが、(出演者の名前を確認するために検索した以外は)放送後何らの補強情報を得ることなく書いている。いくら感動しようが1回見れば終わりにするのが私の性格のようだ。
 58作の中でとても力を入れて観た作品は、真田丸、篤姫、葵 徳川三代、毛利元就、八代将軍吉宗、花の乱、太平記、春日局、独眼竜政宗、徳川家康、草燃える、国盗り物語、天と地と、太閤記、こんなものか。
 太閤記(昭和40年)で高橋幸治の演ずる織田信長に目を瞠ったのが何だか近い過去のような気がする。私が大学に進学したのは恐ろしいほど昔なのに、不思議だ。
 ベストワンは何と言っても太平記だ。どうしてかというと、観たシーンがよく夢に現れるからだ。
 私の娘は自分の子に「パパ」「ママ」と絶対に言わせない。どうしてそうなったのか長年不思議に思っていたが、私のワイフも自分の子に「パパ」「ママ」とは絶対に言わせないことに今更ながら気づいた。私が自称に「パパ」と発したことはあったのにねえ。
 そして、私は小学生の息子に「父上と言いなさい」と求めて「いやだ!」と言われた会話を突然思い出した。文章を書く行為は、大昔の、殆ど振り返ったことのないしょうもないシーンを蘇らせるのだねえ。記憶というのは本当に不思議だ。

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(千戸拾倍 著)