恵里亜は平成元年から五年頃にかけて金津園で流行っていた店の代表格で、私は予約して行っても、部屋が空かず、恵里亜が提携するティファニーで予約した恵里亜の嬢と遊んだことが何度かあるぐらいだ。
恵里亜では梓という女に惚れて通った。熱の入れようは、ソープ嬢には惚れるものではないと心に決めた私でも気持ちの抑えようがないほどで、通った期間も長かった。
梓がいたから、私は二月に三回の入浴が、月に三回と金津園遊びが一気に拡大した。とにかく想い出深い女だ。浅茅陽子に似ていた。
私は金津園で梓のようにユニークな個性の女には会ったことがなかった。その個性に魅了され、惚れ込み方はそれまでの通い女を超えた。実のなる恋ではないだけに私は梓にはたっぷり振り回された。あの惑乱が今となると懐かしい。