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2度目の二輪車

 2度目の二輪車遊びは最初の二輪車と同様恵里亜で楽しんだ。平成9年のことで、初の二輪車をした年の翌年だ。
 私は平成14年4月末発行の某ソープ情報誌を持っている。このラ・カルチェのところを開くと筆頭にユウの写真が載っている。眼のぱっちりした清楚な感じがする抜群の美人だ。同じ年の11月末発行のものにはもうユウの写真が載っていないからこの間で引退したようだ。
 このユウは平成9年では恵里亜で人気嬢だった。
 平成8年にかねてから念願の二輪車という贅沢な遊びを恵里亜でやった。それがとても愉しかったから半年も経つとまた二輪車がしたくなった。
 女2人と男1人の3Pプレイでは、鶯の谷渡りというのがよくポルノ小説に登場する。女2人をベッドの端に並んで寝させて、交互に抽送するのは確かに面白そうだ。女2人が向き合って重ね餅になり、上下に並んだバギナに交互に嵌め込むのはもっと愉しそうだと思う。
 アメリカやヨーロッパのエロビデオを見ると、女2人の3Pプレイでとても卑猥なものがある。
 女同士で69をして、上に被さった女のアナルに男が後背位で抽送し、上の女は下の女の性器をいらう。下の女は、上の女のクリトリスや抽送している男の棹の根元と陰嚢に舌を這わせる。男は時々アナルからペニスを抜いて仰向けの女にフェラチオさせる。アナルから抜いた湯気の立つようなペニスを女がしっかりしゃぶると、ペニスを握って先端を上の女のアナルに宛がう。男が射精の限界までピストンしてからペニスを抜くと、下の女が大きく口を開け、噴出するザーメンを受ける。
 私はそんな猥褻なことをしてみたい願望が激しくあるけれど、残念ながら絶倫さが足りなかった。また、そんなことをしたって女が愉しいということはあまりないだろう。むしろ、女2人に気をやらせることだけで充分に愉しいと思っていた。
 恵里亜の由美は前年の二輪車で、ローザが私にクンニリングスされた時に何とも音色のいいよがり声を出すことに驚いた。小柄で子供っぽいローザが、いかにも艶めかしい女になっていた。
 それで、由美は、親しいローザが気をやるのを側で見ているのが面白いけれども、一方では、そんな生々しい姿を見てしまって、ローザに申し訳がないような気分や、見てはいけないものを見てしまったような嫌悪感のようなものもちょっぴりあったのでないか、と私は想像した。
 女がオーガズムに達する姿は、男から見れば女を女らしくし、欲情を煽る。しかし、女から見れば、友人が落ちるのを見るのは生々し過ぎるかもしれない、それを我が身に思い合わせて恥ずかしくなるし、また一方では、それが情欲をかきたてるのかもしれない。
 私はそんなことにあれこれ想いを巡らすと、もう一度由美のいるところで他の女をよがらせて、愛液を垂れ流して気をやるのを由美に鑑賞させたい、その女が気をやった後由美の視線を受けて恥ずかしそうな顔をするのを見たい、と思った。
 昔は純情可憐な少年だったが、そんな淫靡なことを堂々と実行する歳になった。で、その相手の女を選ぶように由美に頼んでいた。
 由美はもう私と長いつきあいだから、心安く応じた。仲間の女の中から器量のいいのや、性的なことを恥じらいもせずに愉しみそうな女を思い浮かべたが、私の嫌がるちんぴらっぽい女が多くて、適当な候補者が見当たらないと言った。
 しかし、ある日、「××さんには存外いいかも知れない」と言って挙げた名前がユウだった。
 由美は、昔の恵里亜は女達が皆陽気に騒ぎ、客待ちの間退屈することがなかったが、今は控え室の雰囲気が暗くて嫌だと愚痴り、店に来て年数の浅い、不作法な口の利き方をする女を非難した。昔の控え室は自然と女たちが使うスペースが決まって、他の誰かがそれを侵すことはなかったけれど、今はむちゃくちゃで、皆自分勝手で、遠慮というものがない、ともぼやいていた。
 そんな5、6歳年下の仲間の中で、由美が気に入っていたのがユウだった。
 ユウは挨拶がきちんとでき、由美が遅れて店に来た時には、「由美さん、こちらへどうぞ」と言って、いつも由美が使っている一角を明け渡す。先に小物類を置いて場所を確保しているのだ。
 由美を先輩として立て、何かと気を配るだけでなく、ユウは化粧が上手で、化粧下手の由美のメイキャップをうまく仕上げてくれる。ユウが由美の化粧に手を入れるのは、眉と眼を中心にするのだが、なかなか仕上がり具合が良くて私が目を瞠ったことがあった。
 ユウは体型を隠すように写真を撮っているけれど、かなり太めだ、と由美が言った。私が太めの女を全く敬遠していたから、二輪車の相方として悦ぶかしら、と懸念した。
 しかし、見苦しいほどの肥満なら本指名が返る筈がないから、そのことは気にしなくても良さそうだし、たまには太めの女に会ってみたい、と私は思った。
 何よりもユウに興味を感じたのは、ユウが恵里亜で一番の美人で21歳と若いこともあるけれど、腿に彫り物が入っている、と由美が報告したからだった。仲間に決して覗かれぬようにしているが、彫ってあることは間違いないと言う。
 私は、若い美人が彫り物を入れるその人生に興味があった。
 由美がユウを可愛がっているなら二輪車をすることに問題はない。これは女同士が気が合わなければつまらない。そう考えて、いずれ店が混雑しないときにしてみようと決めた。
 私は遊びが終わると、誰でも案内される2階の上がり部屋に入らずに、エレベーターで直接一階の玄関まで降りて由美に見送られていた。だから、上がり部屋の壁に飾ってある女の紹介写真をしばらく見ていないので、ユウがどんな容貌だったか憶えてなかった。
 それで、ボーイにアルバムを出させてユウの写真を確認すると、顎の線が優美で、目許の涼しげなびっくりするほどの美形だ。私はユウの全裸の姿を見たいと思った。
 由美はユウに尋ねた。
「いつもよく話している、私の××ちゃんがね、ユウちゃんと私とで二輪車をしたいと言っているんだけれど、ユウちゃん、二輪車いいかしら」
「えーっ、由美さんのお客さんと二輪車? 私、太っていて、おなかも出ているから恥ずかしい!」
「それがいいのよ。××さんには貴女が太めであることは教えてあるの。そしたら××さんは、いつもローザちゃんと私のような痩せたのばかりに入っていたから、たまには豊満な子に会ってみたい、ユウちゃんの太った脚を拡げて、肥えた女の肉付きのいいおまんφの扉を指でぐいっと開いて中を覗いてみたい、と言っていたんだからぁ」
 そんな会話をしたことを由美が思い出し笑いをしながら語った。私はすぐに2人の予約を入れた。
 電話をすると、フロントの男が二輪車の遊びは受け付けないと言った。
「何故なんだよ。僕は、前に由美とローザとで二輪車をしたんだぜ。店長に聞いてごらんよ。由美もユウも2人とも二輪車をOKだと言っていたからいいじゃないか」
 私は押し切った。
 マネージャーが由美に尋ねた。
「××さんから予約の電話が入ったんですけれど、それがーぁ……二輪車ということで、それは困ると、私、言ったんですがぁ……、由美さんがいいと言ったということで、一応受け付けたんですけど、由美さん、本当にいいんですか?」
「ユウちゃんとでしょ。いいわよ」
「本当に二輪車でいいんですか?」
「私がいいと言ったんだから、××さん、予約、入れてきたのよ。××さんは私の常連のお客さんなんだから、貴方が私の気持ちを心配する必要はないでしょ」
 由美から聞いた押し問答がこういうものだった。
 ひとつ問題があった。恵里亜はコンドームの着用をきちんと守っていた。ローザや由美が私にNSの応対をするのが全くの例外で、ユウがNS応対をするとは考えられなかった。
 由美が私とNSでしていることをユウに教えている可能性はないと思って良い。そうだとすると、ユウの目の前でコンドームを着けずに由美とセックスして良いのかということだ。それに、勃ちが素晴らしかったらコンドームを被せてユウのバギナに入れてもよいけれど、ゴム着が頭にちらつくときちんと勃つ自信がなかった。
 二輪車をするに当たってファックをどうするのか私には悩ましいものがあった。性交しにいくのにこれは心苦しいことだった。
 予約した当日が来て、私はボーイの案内を受け、エレベーターの中を見て瞠目した。いつも女1人に迎えられるのと違い、若い女2人が並んで微笑みかけるのは壮観だ。由美がいつも以上に妖しく咲き、ユウは華やかに咲いて、特にユウの方は正真正銘の美人顔だった。
 恵里亜は若い美人が揃っていて、店が基準としている指名数を獲得して部屋持ちになっている女が常時3人以上いた。しかし、一級品の美人が部屋持ちをはっていても、それだけでは私は会いたいとは思わなかった。
 売れっ子でも、写真指名がやたらと多くて本指名が相対的に少ない女は、情緒もエロチシズムも乏しいのが多いから、ただ綺麗なだけの女に全く関心がなかった。
 由美が26になった頃は、私は由美とローザだけに逢って、やはり、写真指名が集中して入る若い売れっ子に全く入浴することがなかった。
(本当に魅力がある女は本指名が先に埋まって写真指名の入る余地が乏しくなる筈だ。本指名がそれほど多くないということは、たとえその女に入っても、由美やローザと逢う時のような充足感が出ないだろう。それで、熱烈な愛撫をしても女が気をやることがないとなると、失望感が残るだけだ)
 そう思っていた。
 由美もローザも私と逢うと身も心も燃焼するのに、売れっ子に会って、もし気に入って何度も入浴することにでもなれば、その2人に申し訳がないという心もあった。そもそも同じ店の2人の女に常連で通うことを私は気にしていた。
 そういうわけで、ユウという美人に助平心を動かしてはいなかった。しかし、目の前のユウの美しさを見て、私はさすがに胸をとどろかせずにはいられなかった。
 由美の部屋に入るまで、2人の歩き方が艶やかだ。ユウの背丈は由美と同じぐらいで、2人とも私より少し背が高い。ユウは思ったほど大柄ではなかった。
「今日もユウちゃんにお化粧を手伝って貰ったのよ」
「僕の、美しい由美ちゃんを、いつも、より美しくしてくれて、本当にありがとうよ、ユウちゃん」
 微笑んで謙遜するユウの顔を見て、彫り物を入れていても、由美が言った通り気立ては良さそうだ、と私は思った。
 ユウは若くても大人びた顔をして、気品が漂っていた。ふっくらした面長で、目鼻立ちが整っており、薄暗い廊下でも色白だと判った。
 部屋に入ると私がさっさと素っ裸になり、由美も喋りながらあっという間に裸になった。そんな単刀直入の入り方をしたことがないから、ユウが驚いた顔をした。
 2人が裸になっても、ユウは下着をなかなか外さず、「恥ずかしい!」と言って佇んでいた。
 私は、「脱いじゃえよ」と言ってもすぐに従わないユウにじれたが、下着姿を眺めると、話に聞いていたほどのデブではない。下腹がふくらんでいない。水泳部にいたから、肩から腕にかけて丸々としていても、脚はそれほど太くなかった。
 ウエストの括れがぼけているのは、顔の美貌からすればやはり勿体ないと残念に思った。

 私はすぐに湯船に沈み、マットの準備を由美がしているので、ユウに風呂に入るように声をかけた。
「早く脱いで、風呂に入りなよ」
 ユウはようやく下着を取って湯に漬かった。
 でも、その動作は素早いし、初対面で裸姿をまじまじと観察するのが憚られるので、私はユウの体型も彫り物の大きさも絵柄もよく確かめられなかった。
 私は脚を投げ出し腰を浮かせて、股間を洗うように求めた。へそのところまで湯に入ったユウの胸許に、白髪が混じり始めた陰毛を従えて、半立ちのペニスが浮かび上がった。
「いつも石鹸で洗わないんですか?」
 ユウが由美に尋ねた。
「××さんはいつもお風呂で洗うの。カリ首の溝の滓をちゃんと取ってあげなさいよ」
「そう。しっかり、ちん滓をとるんだぞ。ちゃんと剥けているから、掃除がしやすいおちんちんだよ」
「うん、剥けているわぁ」
 ペニスを握って、ユウが相づちを打った。いくらソープ嬢でも、ユウのような若い女、それも眼と顎の線がとても綺麗な美人がカリ首を眺めながら「うん、剥けているわぁ」などと呟くと、とても愉快だ。
 ユウがすっぽんぽんになるのを躊躇っていたから、ユウがまな板の鯉になるのには時間がかかるかなと思ったが、「うん、剥けているわぁ」の笑顔に私は少し安心した。
 ソープ嬢は皮被りの陰茎が嫌いだ。由美がこんなことを語ったことがある。
「おちんちんの皮が剥けていないのは、必ず臭いがするから、いやーぁね。皮を剥いたら滓がしっかりついていて、そこを剥きあげて徹底的に洗っても、指を離すとすぐに完全な包茎状態になるようなおちんちんは、ベッドをするのが、洗って20分ぐらい過ぎているから、もうその間にくさくなっているような気がするの。ほんとにくさくなっているのよ。だから、そういう人には、私、指で立たせてからすぐゴムを被せて、それで尺八をするの。……××さんのこれ、ちゃんと剥けているもんねー」
 私は馴染みの女には石鹸を使わせないという趣味があった。石鹸は昔から好きではないし、日頃それほどカリ首の溝に白いものを溜めていない。
 それに、女がどの客の股間にもシャンプーをかけてごしごしするのに、私にだけはそれをせず、一緒に風呂に入ってペニスを湯面から突きださせ、にんまりと微笑んで微かに付着している恥垢を指の腹でこすって取って、そのままかっぽりと口に含むことで、親密度合いを測って愉しんでいた。
 汚れ物を洗うように石鹸液をかけてごしごしと洗浄させない代わりに、私はまず風呂に入りアナルと睾丸を念入りに洗う。ペニスは女にまかせる。
 それで、由美もローザもペニスを洗おうとして、カリ首の付け根や裏筋の溝に眼を近づけ、恥垢が見あたらないと、よく叫んだ。
「ない! 今日はちん滓が全然ない。私が取ってあげるのに。××さん、こんなにきれいにしていては、つまらないじゃないの!」
 私は、2、3日カリの溝を洗わずに、わざわざ恥垢をため込んで由美やローザに逢って、2人とも滓取り作業で喜ばせたことがあった。
 ヘルスやソープで働く女が、女陰のどことペニスのどこに滓が溜まりやすいのか、わかっていないことが時々ある。
 私は、陰核の包皮やラビアを引っ張って蔭の部分を示し、「ここをきれいに洗うんだよ」とか、カリの裏筋を指で摘んで、「この筋の左右の窪んだところに、万年雪というほどではないけれど、3日滓が貯蔵されるから、お客さんのここをよく洗うんだよ。洗うことに、遠慮はいらないから」とか、新人のソープ嬢やヘルス嬢によく教えている。
 ユウが湯船の中で私に言われるままにペニスの裏筋を摘んで、カリ首の溝をまさぐった。その指先がたどたどしい。洗い終わると、ユウは私のペニスをフェラチオした。
 由美が「やっているわ!」という表情で見ていた。
 国産のエロビデオでよく登場する、見栄えの良い、眺めるにはとても猥褻な気をそそる舐め方だ。でも、洋物のビデオで女がしている、性神経にぐりぐりと刺激が走るような激しいフェラチオではない。私には吸引が陰圧不足で、今一つ物足りなかった。
 ユウはペニスから口を離すと、浴槽の中で正座するように腰を下ろした。私はユウの股間に手を伸ばし、初見参の陰裂の感触を確かめた。
「きゃー」
 ユウが叫び、困ったような顔で由美の方を見た。
 股を閉じたりはせずに女陰を弄らせているから、私は、ユウが客に風呂の中でそのようなことをするのは別にどうってことはないと思っているのに、女のたしなみとして悲鳴を上げたのか、本当は嫌だけれど、由美の常連客だから、と思って我慢しているのか、一体どちらなのだろうか。
 由美は私と親しくなっても、湯の中で割れ目を弄られるのは嫌がった。
 掌に当たるその部分はやはり全体が豊満な感じがした。湯の中で海藻のように漂う春草が掌に心地よかった。
 マットプレイが始まった。
 私が俯せになって膝立ちして腰を上げ、その脚の間で由美が腹這いになった。そのまま伸ばした足を開いてマットの上で滑りやすい躯の安定を確保し、私の棹と金的とアナルの愛撫を始めた。
「わぁー、すごい格好! 由美さんのあそこまで丸見え!」
 ユウの素っ頓狂な声を聞き、私が首を思いきり曲げてユウを見ると、ユウは由美の伸ばした足下の、更に壁際の、マットの端のところで膝を抱えてしゃがみこんでいた。たたんで太さを増した腿の間に、黒々とした股間の草むらが眼に映った。
「私はどうしていたらいいの?」
「そこでそのまましばらく由美ちゃんのマットプレイを眺めて勉強していなさいよ」
 私は振り向いて、戸惑っているユウに言った。
 ユウは、由美の超猥褻なテクニックに感心し、尻をつきだした男と、腹這いで股を拡げて、アナルを舐めながらカリ首をさすっている女の淫乱な姿を見て、「わーぁ、すごいわ」と嬌声を上げた。
 私は由美からいつも通りの卑猥な愛撫を受けても、二輪車プレイをこれからどう進行させて楽しんだらよいのか、また、初対面のユウの心を観察することに気をつかって、今一つペニスの隆起が充分でなかった。
「ユウちゃんもマットプレイをしてよ」
 ユウにペニスを弄られたくなって声をかけた。
 由美がソープ歴6年の大ベテランだから、ユウが恥ずかしがってプレイに入るかと思ったら、何やら自信ありげな顔でマットに上がり、盥からローション液をすくった。
 ユウはマットに尻を下ろし、脚を投げ出して腿の上に私の腿を乗せた。俯せの私は、下から支えるユウの腿がなかなか太いから、尻がユウの躯の前で持ち上がる。そして、ユウはいきなりペニスを両手で挾んで刺激した。
 ソープ嬢になってまだ1年ぐらいしか経っていなくても、彫り物を入れるぐらいだから、既に性技を充分心得ていた。マットプレイのやり方はベテラン並みだった。
 その体勢の入り方は、ローションを活用した愛戯に自信のあるソープ嬢がよくするやり方で、男の股間が愛撫しやすい。いきなり股間の刺激から始める女は、ペニスも陰嚢もつかんでの手揉みが上手いというのが私の経験だった。
 ユウはローションでぬめらせた手を眼下の私の股ぐらに差し込み、予想通り金的とカリ首を大胆に愛撫した。どこで教えられたのか意外に本格的で淫乱なマットをするけれども、私には少々指と掌の圧力が優しすぎた。
 私はユウがどこまで淫猥なプレイをするのか試したくなった。
「ねえ、お尻に指を入れてー」
 意外なことに、ユウは躊躇いもなくアナルに深く指を挿入した。その行為に心理的な抵抗がないことがわかったところで、私は「サンキュー」と言って、アナル攻めをやめさせた。
 女の伸ばした足の腿に私の腿を乗せて腰が浮く体勢になると、私は、必ず少し躯を丸めるようにして右手を私の股間から女の割れ目へ伸ばし、相互ペッティングをすることにしていた。
 指先が陰裂に届くと、ユウはまた「ひゃー」と悲鳴を上げた。ユウの客には、そんな反撃をした男がいないようだと私は判定した。
 私はクリトリスを探り当てて揉み、伸ばした手がつらくても指先を微妙に動かし続ける。指の動きに工夫を凝らすと女はいずれ快感に浸る。でも、ユウはその肉付きのいい躯から顕著な反応がなかなか現れなかった。
 この女のお豆さんは感度が少し鈍いようだと思うと、先程ユウが「ひゃー」と悲鳴を上げたのは、やはり困って叫んだのだろう、由美の上客だからペッティングを拒むのは悪いと考えて、嫌々愛撫を受けているのではなかろうか、と勘ぐりもした。
 指のバイブレーションを続けながらあれやこれやと想像すると、いつもはカリ首を手揉みされれば最硬度に漲り続ける如意棒が次第に力を失ってきた。私はその辺でマットをやめることにした。
 由美にバスタオルで躯を拭かせてから、私は床に腰を下ろし、じっくりとユウの顔とスタイルを鑑賞した。それで、ユウがつっ立って躯を拭く後ろ姿を見て驚いた。
 前から眺めると、かなりの美貌で、乳房もこんもりとして形がよく、肌も白く、ヘヤースタイルもうまく仕上げてある。腰の括れがはっきりしていないことを除けば、百点満点の女だった。
 でも、後ろ姿が、背から尻を経て腿まで絶壁になっている。尻が箱形で丸みが全くない。前後にも左右にも膨らみがまるでなくて、尻から腰にかけての形が悪かった。
(ほんとに美人なのに、これは残念だ! 男でも、もっといい形の尻をしているのがいるぜ)
 そのことは本人にはわかりにくい筈だから、ユウが気にすることはないだろうが、私は由美に目配せしてその臀部に注意を促した。由美も気づいていた。

 3人が腰を下ろして落ち着き、しばしの間談笑した。ユウが私の隣で、由美が小テーブルをはさんで正面に座った。私のそばにユウがくるように由美が配慮してその座り方になった。
 由美は、私がいつもどのように振る舞っているかを、楽しそうにユウに解説した。ユウも、私と由美がブランデーやビールを飲むのをにこにこと見ていた。
 話がとぎれると、私は会話をリードするためにどんな話題を出そうかと悩んだ。
(初対面の女がいると、やはり会話も疲れるものだ。同じ二輪車でも、ローザの時とはムードが違うぜ)
 私は若い頃から、女の肉体美を鑑賞する際に乳房などより尻や腰の形の方をよほど重視した。だから、ユウの後ろ姿にはとてもがっかりし、それにこだわっていた。
 更に、最前のマットで、ローションの威力を駆使した指の刺激にユウが目立った反応を示さなかったことで、ベッドでユウにクンニリングスをしても、ユウが明瞭なよがり声を上げないような予感がした。
 ユウは、私が話しかけてもどことなく口調が丁寧で取っつきにくかった。指名で初対面の客と会えば、本指名の多い売れっ子は何やかやと語りかけるものだ。ましてや二輪車という、恵里亜ではなかなかない珍しいプレイで、ユウにも初体験で、親しい由美が隣にいて、客は由美の常連客で警戒する必要もない男だ。
 こんな状況では気分も昂まり、快活にもなり、あれこれと質問したりして会話が途切れないのが人気のある女の接客パターンだけれども、ユウは開放的に飛び込んでいく接客手法を身につけていないようだ。恥ずかしくて緊張しているようにも見えない。
 目立つ彫り物を入れても、ズベ公の雰囲気は全くない。なかなか丁寧な語りかけをして、それは評価できるけれど、どんと男を蠱惑するような吸引力、愛想の良さに欠けている。
 ユウが器量の割には本指名が稼げない理由が私には推察できた。
 そのうちに女2人が部屋の飾りの置物について話しだした。会話に入りようがなくて、私が静かに酒を飲んでいると、ユウが自分の持ち部屋に飾っている気に入りのものを由美に見せたいと言って部屋まで取りに行った。
 私はその間に由美に頼み込んだ。
「あのー、頼みがあるんだけどなぁ」
「なあに」
「今日、ダブルにしてくれないかなぁ。俺、時間が足りないと思う。ユウちゃんを帰した後、君と2人でゆっくり愉しみたいよ」
「いいわよ。私もそれを頼もうかと考えたんだけど、ユウちゃんがいるから駄目かな、と思っていたの」
「嬉しいな。……ユウちゃんはとっても性格のいい子だと思うけれど、やっぱり初対面は気疲れするねえ」
「ふふっ」
「でも、ユウちゃんのお尻の形には驚いたなぁ」
「ぺったんこだもんねえ」
 由美は私の希望を聞き、フロントに次の案内時間に予約が入っていないことを確認すると延長を頼んだ。
(由美とは後で2人っきりになるのだから、ユウがいる1本目の残り時間の50分ぐらいは、ユウを中心にして淫らっぽく愉しめばいいや)
 私はフロントに電話する由美の裸の姿を眺めながら考えた。
(やっぱり生のセックスが良いから、ピストン運動はユウが帰ってから由美とすることにして、それまではユウを愛撫してエクスタシーを拝ませて貰おう)
 それで、私とは全く無関係の部屋の置物を話題にしたユウに逆襲することにした。
「ユウちゃんは、ほんとに美人で、肌の色も白くて、ふくよかだけど太りすぎというほどではないし、とってもいいよ」
「私、前はもっとぶくぶくに太っていたんだけれど、一生懸命に痩せようとしているの」
「僕は、ぶくぶくの躯のユウちゃんのおまんφを見たかったよ。ねえ、ローションのついてないおちんちんをフェラしてくれないかなぁ」
 ユウは一瞬由美に遠慮する表情をしたが、由美が笑顔なのを見て腰を上げた。
 私はベッドに腰掛け、ユウは私の股の間に入って床に横座りし、私の膝に肘をついてフェラチオした。好みがわかったのか、ユウの、顔を前後に振り立てる速度と圧迫感は塩梅のいいものだった。
「僕は、そこの先っちょを強く吸われるのが好きなんだ。……うん、とっても上手だよ」
 眼下のユウのロングヘアーが揺れるのを見て色っぽいと思った。ユウの奉仕をしばらく愉しみたかったが、由美が所在なげにしているから、適当なところでやめることにした。
 唇のまわりが唾液で光るユウの顔を見て、私は声をかけた。
「さっきのマットでは、君は、僕のお尻の穴と由美ちゃんのおまんφをしっかり見ていたろ。僕も由美ちゃんもまだ君のおまんφを見ていないから、見せてほしいなぁ」
「えーっ、恥ずかしい」
「私も見たーぃ」
 由美が援軍を出した。
「君だって、由美ちゃんのおまんφを近くから見たいだろぅ。後で由美ちゃんのおまんφも見ていいから」
 ユウは何とも妖しい表情をして立ち上がり、ベッドの真ん中に腰を下ろした。
 すーっと首を振って肩にかかった髪を落としてから、胸を反らして後ろ手をつき、私と由美に向かって大きく開脚した。
(ふーん、性格がなかなかよろしいぞ!)
 なかなか大胆で、意外な対応だから、可愛い女だと思った。
「おおっ、いいぞ!」
 私はユウの逆さWの字の格好の股間に寄って、指で陰裂を開いた。
 見事に美麗な小陰唇だった。全体が完璧に左右対称で、2つの稜線が優雅な浅い弧を描き、全く形に崩れがない。ラビアの肉厚も左右対称、内側の紅い色が鮮やかで、稜線部分の変色も薄い。陰核の下から膣口まで縦にすっきり伸びていた。
 根元を引っ張られた小陰唇は、ぐにゃりとせずに、芯が通っているかのようにすっきりと前に突き出ていた。その肉厚が根元から稜線にかけて直線的に薄くなっていき、その断面は細長い二等辺三角形の形で整っているようだ。
 陰裂も長すぎず、短すぎずで、囲む大陰唇はぽってりとして色白で、ラビアをぐっと広げて膣口を開くと、挿入口の形もそんなに変形していない。陰核茎部も形よく膨れて茂みの方へ伸びていた。末端の包皮をめくると、容易にクリトリスの全貌が現れ、綺麗なピンク色をしていた。
 そして、ご開帳をして男に覗き込まれる女の照れたような微笑みはいつも実に妖艶に輝く。
「わー、小陰唇がすごく綺麗な形をしている! 由美ちゃん、これ、本当に左右対称で、2つともきれいな半円形をしているよ。ユウちゃんのおまんφ、むちゃくちゃ綺麗だよねえ」
「ほんとねえ、きれいだわぁ」
「こんな整った形の小陰唇は、僕は見たことがないぜ。美しいおまんφ!」
「かたち、いいわぁ。すっごくきれいだわねえ」
 ユウが上体を屈ませて股間を覗き込んだ。パラパラと髪が乳房にかかった。
「ねえ、由美さんのも見せて」
 顔を上げてユウが言った。
 由美もベッドに上がり、女2人が逆さWの字に股を開いた格好で向かい合った。それも、全く正対しているのではなく、2人がサービス精神を発揮して、私にも見えるように少し向きをずらし、私の方に股間を向けた。由美の右足先とユウの左足先が触れんばかりになっていた。
 何ともほのぼのとしたエロチシズムに満ちた情景だ。由美が女陰を指で指し示して解説するのを見ると、極めて健康的な猥褻さで、私はアルコールが実に美味いと思った。
「由美さんのクリちゃん、大きい! はっきり飛び出ている!」
 ユウが叫んだ。
 それを聞いて、すぐさまユウを徹底的にクンニリングスで攻めて、気をやらしてやろうと決めた。
「たまらないなあ。ユウちゃん、この綺麗なおまんφ、舐めさせて!」
 ユウをベッドの端に寝かせ、私は床に座って、由美よりも白くてぽってりとした股間に顔を近づけた。
「由美ちゃん、灯りを消して」
 女は、ソープ嬢といえども裸になるときは普通明かりを落とす。しかし、ローザも由美も、私を迎えるときはいつも部屋の明かりを最高照度にしていた。
 クンニリングスをするに当たって、女がリラックスしやすいように消灯する心遣いをしたのは初めてだ。最初ユウが由美の部屋に入って、明るいことにしきりに驚いていたから、そうしたのだ。
 最初は舌を伸ばし、その先でクリトリスをノックすることから始めた。ユウは脚を上げてたたみ、両手を恥毛の下の生え際まで伸ばし、大陰唇を引っ張りあげて小突起を私の口に差し出した。
(自分からここまで体勢を用意するから、男にクンニリングスをさせるのはかなり経験が深いようだ)
 私は秘術の限りを尽くして女芯を舐め、吸い上げ、さすり、揺さぶり、揉み立てた。
 ユウからあまり明瞭な声が返らないので、私は愛撫を強めにしてみた。ユウの下腹が微妙に波打ち、低いよがり声が聞こえるようになったから、私はほくそ笑んだ。可憐な肉芽に更に強い刺激を持続させ、額から汗が流れるようになった。
 愛液が流れているから、もう少しだ!と期待した。しかし、ユウのよがる反応につつっと昂まり、すーっと鎮静して次の昂まりを待つような変化、波のような起伏がまだ現れない。
 よがる反応というのは、それが不規則な時はまだ最昂揚時に至る準備段階だ。寄せては返す波のようにリズムを取って快感の表現が現れないと、断末魔のような絶頂はやって来ない。返す波が、次により深い昂揚の律動を呼ぶ隠忍、快感の充填期間のようなものだ。
 私は唇と舌による翻弄を根気の続く限り繰り返した。ユウが快感を感じていることはわかるけれど、準備段階のままのようで、今一つ駆け上がる気配がなかった。
 由美は私の格闘を後ろから眺め、カリ首に手を伸ばして揉んでいた。
 私はユウの体勢を変えてみてはどうだろうかと考えた。ユウに両脚を床につくように降ろさせて、腰がベッドの角で、躯が反り気味になるようにもした。
 陰阜が突き出たところで、ふっくらした腿に肘を乗せ、両親指で女芯上部の皮膚を支え上げて、ひたすら充血のルビーを責めた。
 そのまましばらく頑張っても、ユウは決定的な大波が押し寄せる様子ではない。指でしてみたらどうだろうと考え、起き上がった。
 ユウに寄り添ってベッドに腰掛け、中指で膣口から愛液をすくってクリトリスに当てた。小さな海綿体からの抵抗を確かめながら、じっくりゆらゆらと揉んだ。細やかな振動を根気よく続け、口唇愛撫とはまた違う直接的な愛撫をしても、ユウはあまり反応が変わらなかった。
 またクンニリングス攻撃に変えた。クリトリスが小粒なので、充血具合も今一つはっきりしなかった。
 私の唇と舌はもうへとへとだった。
(ローションを使って強めに刺激してみようか?)
 私は小声で由美に声をかけた。
「ローション!」
 由美は、得たりとばかりにローションを盥に仕込んで運んだ。
 私がローションをクリトリスに落とし、股ぐらを覗き込むと、薄明かりの中でシーツの色が変じているのがわかった。よがり汁の跡を見て、ローションさえ使えばユウはきっとオーガズムまで到達するだろうと、更に愛撫に努めた。
 右手をユウのクリトリスに伸ばし、左手で乳房を撫でた。仰向けに寝てもバストの形がいい。首筋から肩へ、腋から乳首への、曲線が優美で、肌が張って艶やかだ。
 ウエストの締まりがはっきりしておらず、後ろ姿が魅力に欠けていることを気にしなければ、ユウは顔も肌もバストも、すべて絶品だ。これで、ガクンと躯を震わせるようなアクメになれば、本当に特上の女だ。
 先ほどマットで割れ目を愛撫したときにユウに顕著な反応がなかったので、鈍感なクリトリスではないかと危惧した。
 その予感の通り、それまで長々と頑張って口唇愛撫をしても、更に、ローションまで使って指でクリトリスに厳しい刺激を加えても、ユウにはっきり昇りつめる気配が見られなかった。時々快感の波が押し寄せているようではあっても、落ちるまでには今一歩の様子にみえた。
 私は、ユウがアクメには到達するのはどうも難しいようだと思うと、今一つ亢奮できなかった。上半身が汗だくになり、ペニスは縮んでしまった。
(諦めるか、続けるか、それが問題だ……どうしよう)
 悩みながらも、ひたすら中指を振動させ、乳首に唇を這わせた。
 まだユウとキスをしていないことに気がついて、私はクリトリスを弄いながらユウの唇に口付けした。すると、ユウはいきなり舌を私の口中に突き出し、同時にまとまった量の唾液を流し込んだ。
(こいつ、なかなかやるわい)
 少し間をおいてからもう一度唇を寄せると、また唾液を流し込んだので、それをユウの口の中に送り返して、また吸い込んだ。
 私はユウの、男の気をそそるディープキスに煽られ、またその気になって、ペッティングとクンニリングスをしばらく続けた。
 再びユウの股の間にしゃがみ込んで、中指を肉壺に入れてピストンしながら、ローションの粘りが残っているクリトリスを唇で揉んだ。
 由美はもう私のペニスを愛撫するのをやめ、暗闇の中でぽつんと座って、煙草を吹かしていた。
 私は汗まみれになりながら弄っていたけれども、結局、時間切れの気配を感じ、最後にまた未練がましく強めのクンニリングスを続けてみて、女体演奏をやめることにした。
 徹底してクリトリスを責め続けて、ユウがよがり声を出しているのに、それでも究極のエクスタシーにまで持っていけないのがなんとも腹立たしかった。
「君は、イケそうで、イケないんだなぁ。僕は、もう疲れたよ」
「気持ちよかったんだけどぉ」
「あんた、彼氏とエッチするとき、どれくらい愛撫して貰ったら、イケるの?」
「私、いつも遅いの。イクのにいつも40分ぐらいかかるの」
「えーっ、40分? それじゃぁ、少し時間が足りなかったなぁ」
 由美は自分の方がダブルになったことをユウに告げ、ユウに身繕いをするように言った。
 ユウは、愛液と私の唾液とローションでぬらぬらしている股ぐらを洗うためベッドを離れた。
 ユウが洗い場に立った時、私が由美に向かって肩をすくめると、由美も肩をすくめて微笑んだ。
 ユウを相手の遊興時間が終わってユウが去った後、私と由美は、ユウの容姿や性格と、オーガズムの遅いことをさかなにしてブランデーを飲んだ。
 由美は、ユウが気をやらなかったことをとても残念がった。
「いゃー、由美がダブルにしてくれて助かったなぁ。さあ、2人でのんびりしようよ。あとでたっぷり舐めてやるからな。……しかし、ユウがイキそうでイカないのには、腹が立つなぁ」
「私、もうイクぞ、それ、イケ、それ、イケ、イッてしまえ、と心で声援していたのに、ユウちゃん、イカなかったのねえ。××さんにあんなに攻められて、それで、すこんとイッてしまえないなんて、可哀相な躯よねえ。××さん、大汗かいてしていたのにぃ」
「あそこまで濡れれば、初対面の女でも僕は絶対にイカせているぜ。しかし、後で40分と言うのにはまいったなあ。恐ろしいことを言うぜ。あいつの彼氏もたいへんだなぁ」
「そうよねえ。私だって、もうイキそうだ、もうイキそうだ、イケ、イケ、イッてしまえ、と思って見ていたのよ。ユウちゃん、時々いい声を出していたもん」
「そうだよなあ。……でも、ユウはきれいなおまんφだったねえ。あんな美しいのは見たことがないよ」
「ほんと、きれいな形、してたわよねえ。私、びっくりしたわ」
「クリトリスがそれほど大きくはなかったから、イキにくいのかなぁ」
「うーん。きれいに剥き出ていたのにねえ」
「それにしても、あれだけお尻の形が悪いのも気の毒だよなぁ。腰から腿まで絶壁だったぜ。あのウエストの括れのなさと角張ったヒップが目に入れば、なんぼ美人でも、俺はがっかりして自力勃起ができないよ」
「ユウちゃん、ほんと、腰から下がぺったんこだもんねえ」
「入れ墨はそんなに大きくなかったねえ。赤い色が鮮やかだった。もう少し豪快なやつを期待していたのに」
「うん。私も」
「まあ、いろいろあったけど、君が言う通り性格のいい子だった。なんで、彫り物を入れたのかなぁ。あいつねえ、僕がキスしたら、どっと唾を流し込んできたぜ。びっくりしたよ」
「あはっはぁ」
「でも、疲れた。やっぱり、由美が一番だよ。由美がいい」
「ふふっ」
「二輪車は、片方が初対面だと僕はあれやこれやと気を使って、どうも亢奮がぼやけるなぁ」
「そうねえ。……やっぱり二輪車をするときは、ダブルの時間にした方がいいわ。時間が足りないわよ」
「そうだよなぁ。相手がどんな人間かわかるのに時間もいるし。……おしっこする?」
「うん」
 私は由美と一緒に流し場に立って放尿した。由美は脚を少し開いて豪快に落とした。
 躯を流してから、2人は前年ローザを交えてした二輪車の想い出話に花を咲かせた。
 その日のベッドプレイは、いつものように執拗な口唇愛撫で由美が明瞭なエクスタシーを迎えた。私は勇み立ってペニスを嵌め入れ、恥骨を押しつけての短いピッチのスラストとストロークの長い出し入れとを、躯を開いてしたり、躯を密着してキスをしながらしたりして快楽を貪った。
 情愛の籠った表情で抽送を味わう由美の顔を見つめ、ふと想った。
(男の躯の一部が女の躯の微妙なところに入り、それが格別に気持ちいいとは、神様は何と玄妙なものを創り賜うたか)
 私は息も荒く男のしるしを噴出した。
 後日私は由美から二輪車プレイについて店の女達の反応を聞いた。
 由美が私を送って控え室に戻ると、中はその話題で持ちきりだった。皆二輪車プレイの経験がないから、先に下りてきたユウと後から下りてきた由美に進行の様子を聞きたがった。
 由美の独特のマットプレイをユウが描写し、女2人の割れ目の見せ合いっこや、私の長いクリトリス攻めのシーンを少々大袈裟に報告すれば、日頃マグロ状態の若い客ばかりを相手にして射精補助をしている女は目を丸くする。
 ユウは由美に「とても楽しかった」と報告した。
 由美がユウに、オーガズムへ到達しなかったことを話題にすると、ユウは、「私、××さんに悪いから、イッたふりをしようかと思ったんだけど……」と言った。
 私は、ユウがそんな演技をすれば多分見抜けるだろうし、そうなれば不愉快になるから、ユウがエクスタシーの演技を思い止めた気持ちを褒めたいと思った。
 ユウは、私の求めに応じてアナルに指を入れたし、由美の前で逆さWの大股開きをしてご開帳したし、何よりも、キスをしたとたんにどっと唾液を流し込むような、なかなかの助平感覚とサービス精神に拍手を送りたい女だった。
 私は、ソープ嬢に会って、膣に指は入れたけれども、男根を嵌めないという、いまだかって経験のないことをユウでしたことになった。もっともそれは、尻の形が良くて、必ずエクスタシーに到達する由美のために取っておいたのだが。
 勿論、ユウが生のファックに応ずるはずがないというのもファックをしなかった理由でもあった。勃起具合がそんなに良くなかったのでゴムを着けて頑張れる自信が全くなかった。私はもう2年ほどサックを被せてセックスしたことがなかったのだ。
 そもそも由美の前でサックを着けてユウと交わったら、NSを認めている由美に対して具合が悪い。由美の前でユウにサックを着けなくても良いかと聞くのも大変具合が悪い。あれやこれや思い悩むと、私のED傾向が姿を現すのは当然だった。
 私がローザとの二輪車の想い出をよく口にするから、由美は店で一番話し相手にしていたユウとの二輪車を私に勧めた。
 そのユウは初体験の二輪車をして少し変貌した。
 控え室で突然仲間に、「ねえ、おまんφ、見せて」と言うようになった。別に猥談をしていたわけではないのに、いきなり持ちかけるのだから、仲間は目を白黒させた。
 私と由美に、「こんなきれいなおまんφ、見たことがない!」としきりに感嘆されたこと、それと、由美と互いに陰裂を開いて見比べ合ったことがユウの好奇心をそそったのだった。
 ユウのその変化は、控え室の雰囲気が白々しいと苛立っている由美にとっては好ましいことだった。
 昔の控え室は女の笑い声が絶えず、皆仲がよく、暇なときに皆で風呂に入ったりしていた。そんな昔が懐かしいから、ユウのような気取らない女を誘って、そんな和気藹々とした雰囲気を作りたいと由美は思っていた。
 私はユウに興味を抱いたけれど、恵里亜で通う女は由美だけで充分だし、ゴム着のファックなんてしたくないから、ユウにもう一度入ることは考えていなかった。ただ、ユウの中性的な美貌と美麗なシンメトリーの性器があまりにも印象的で、由美に逢う度にそれを話題にしていた。
「あんなに綺麗なおまんこは是非一度写真に撮ってみたいなぁ」
 そう私が呟くと、由美はそのことをユウに伝えた。
 ユウが「いいわよ。私もそういう写真を撮られてみたい」と言ったという意外な反応を聞いて、私は、それではユウにもう一度入浴してみようかと思った。
(いやいや、由美だけで充分だ。それに、イカない女は面白くない)
 と、うち消す心もあるので私は迷っていたが、ある日逢瀬が終わって由美とエレベーターに乗り込もうとしたとき、ユウが現れてにっこり笑って会釈した。
 男が相方と一緒の時、知っている男でも知らない男であっても、風俗の女は男と顔を合わせそうになるとさっと身を隠すのが習性だ。店の方も、案内の時や客を送り出す上がりの時に、女が客と鉢合わせしないように気を配っている。
 だから私は、一度客になっただけなのにユウが全身を表して挨拶したのがとても新鮮に映った。
 結局私はユウに予約を入れることにした。
 平成9年8月、ユウは私を満面の笑みで迎えた。次に私の顔を見るとしても、また由美と一緒の二輪車だろうと思っていて、単独指名を喜んだ。
 再来を嬉しがるのが接客の心得と思ってしているにしても、本心にしても、喜ぶのをはっきり面に出すのは、ユウが意外とローザと同じタイプのようだと私は思った。
 前回服を脱ぐのをやけに恥ずかしがっていたので、ユウがどういうタイミングで裸になるのか注目した。
 その日は特に脱ぐのが遅いわけでもなく、また、恥ずかしそうにもしていなかった。前は由美がいたからなのかと理解した。
 ユウが朗らかにしているので、しばらく話が弾んだ。
 4ヶ月前の二輪車の感想を訊くと、ユウは自分が付け足しで呼ばれたような気持ちだったと答えた。
「××さん、由美さんの顔ばかり見ているんだもん。ほんと、私、付け足しでいるような気分だったのよ」
 その感想は私には意外だった。
 私は会話をユウにしかけるように気を遣ったつもりだけれど、私と由美があまりに親しい間柄だから、何も言わなくても、また、僅かな言葉だけでも互いの意志が通じて、由美がてきぱきと動いているのをユウが見て、場違いなところにいるような気分になったのかもしれないと想像した。
 二輪車ではなく一対一で抱擁すればユウはエクスタシーに達するかもしれないと私は思っていたが、やはり究極の状態まで駆け上がることはなかった。そのことはもの足りなかったが、ユウがベッドで長々と69に応じ、熱烈なフェラチオを続けたことに充分満足した。私は何とかゴム着でファックを済ませた。
 私はユウがイカない体質で良かったと思った。同時に、ユウが生セックスを誘わない考えであったことも良かったと思った。
 ユウは、金津園の顔出ししている女の中で美人コンテストをすれば、間違いなくベストスリーに入る器量だ。イキやすい躯であって、NSがOKであれば、あれだけの美人で気だてもいい女であるからには絶対に毎月通いたくなってしまう。それでは由美に申し訳ない。
 そう思うから、ホッとした。
 私が由美と逢っているときに、ユウが僅かな暇を見つけて部屋まで遊びに来たことがあった。ユウが相当関心を持っているようだと私は喜んだ。
 私が、「ついでに、おまんφ、見せて。服は脱がなくてもいいから」と言うと、ユウがすぐさまパンティだけ脱いでベッドに上がり、仰向けになってスカートをめくった。
 2度客になっただけなのに随分サービス精神旺盛だから、由美も私も驚いた。まだ2人が部屋に入ったばかりで裸になっていない時だった。
 ユウはそんなサービス精神に溢れた気取らない女であるけれども、それから間もなく店長と衝突して店を変わってしまった。いい性格なのだが全くこらえ性がない、と私も由美も残念がった。
 私は女2人との性の饗宴を2度愉しみ、痛快な想い出ができた。それまで14年ソープ遊びをして、若い女の裸を見ただけでは亢奮しにくくなったけれど、完璧に淫蕩な気分になれる二輪車は素晴らしいと思う。
 私が初めて買ったデジカメは富士フイルムDS-7だが、33万画素の低能力だから残した画像は少ない。上の画像は残存品の数少ない一枚だ。データ名称(dsc00079.jpg)はカメラがつけたものだ。
 撮影年月は1997年8月。
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(千戸拾倍 著)