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ソープ嬢の独り言
第1夜
私は金津園に出て2年になる。雄琴で1年半やって、あんまり稼げなかったからこっちへ来たけれど、やっぱりさっぱりだ。昔は月に2百万楽に稼ぐ女がぞろぞろいたなんて信じられないよ。私なんか70万円がやっとのことだ。
暇だから友達とぐだ巻くことが多くて、そうなると地元の金津の方がまだ気が晴れる。ぼやきあう友達とすぐに会える。
それにしても不景気だよ。フリーの客の殆どが一回こっきりになってしまう。私は美乳だと思うし、脚もスラーッとしていて、客には褒められる。顔はあんまり正面から褒められたことはない。1年前から、思い切って顔出ししたけれど、そんなに効果があったとは思えない。
客が来ないのにもほどがあるよ。最近は平日だと、早由利とアユに早々と予約の客がつくぐらいで、後は大体夜までボーッとしてなきゃならない。早由利とアユはあんまり控え室に戻らないから、控え室の顔ぶれはいつも同じで、もうゴミダメみたいだ。
私はゴミか。ゴミの女がよだれ垂らして寝てるだけだ、この控え室は。
ヒミコはピルが合わないのかぶくぶく太っちゃっていて、ウエストは公称59で、実際は65まで駆けあがっていそうだ。背丈が152ぐらいだから、一見超デブだ。100分の店にいる体じゃない。本人は器量で勝負のつもりだけれど、ドングリ目で、あれでは勝負できるはずがないよ。
チャコは激痩せで、尻の肉がそげ落ちている。股開いて座っていて、スカートの中でショーツが見えることがあるけれど、あいつのは股の布が垂れ下がっていることがある。みっともないったらありゃしない。
チャコという名の通りかわいらしければいいけれど、あいつは、頬骨が目立つ顔でいつもブスーッとしていて、それで、何かけったいなことがあると、気色の悪い顔でにやついている。面白いわねという顔で同意を求める視線にゾーッとすることがあるわ。
早月は見た目まともだ。私より少しは美人だ。だけど、声が全くのキーキー声で、あいつの声を聞いていると頭痛がしてくる。脳みそに錐が刺さって、背中をゴキブリが5匹這っているような感じがするよ。
それに早月はホントに性格が悪い。人の悪口ばっかり言っている。
私も悪口言っているけれど、あいつの悪口聞いているとあんまり見事だから、私は人間の観察眼がまるでないような気がするよ。早月の悪口は、よくぞここまで欠点を見つけてくれた、心のゆがみを見通す眼力が見事に備わっている、という感じがするわ。
私を含めて、早由利、アユ、ヒミコ、チャコ、早月は皆25前後で歳が揃っている。だけど、早由利とアユがいつも客がついて、残りは暇だから、みんなでそんなに仲良く喋りあうことはないよ。
しかし、今日はスタートが悪かった。店へ出て、すぐトイレへ行って、うんちをして、洗浄のボタンを押したら、おしりの方でなくてビデの方を押してしまった。
ところが直前に誰か使ったらしくて、お湯がものすごく熱くなっていて、しかも、私がたまたま前屈みになっていたもんだから、熱いのがバーッとクリにかかって、飛び上がった。熱かったー。
いっぺんに目が覚めた。
第2夜
早由利とアユがどうしてあんなに客がつくのかわからない。二人とも金玉を舐めているようだけれど、金玉なんか私は舐めたくない。あんなぶよぶよした気持ち悪いものをどうして舐めることができるのよ。
だいたい、あんなところ、さわったって、誰も気持ちよさそうにしてないよ。やだよ。毛が生えていて、皺ばっかりで、くさそうで。
男の股ぐらというのは、洗っても10分もすればもう臭くなっている。私は鼻がいいからたまらない。
早由利もアユも月に最低一度は来る客が10人近くはいるらしい。しかも、そのうち3、4人はダブル・トリプルの時間で来るとマネージャーに聞いた。で、その客は、月1回でなくて、2度3度だから、そりゃ、あいつら稼げるわ。
私もヒミコもチャコも早月も最初からダブルというのはこの店で経験がないよ。
ヒミコは、客が抜けなくて、延長という形で一度だけダブルの経験がある。勃たなかったのか、勃っても抜けなかったのか、どちらかは知らないけれど、それでダブルだなんて最低だよ。私はイヤだ。絶対に出ていけと言うよ。
ちんちんというのは、私がかまわなくてもすっきり大きくなって、さっとゴム被せて、スコンスコンと腰動かしてすんなり出して貰うのが一番いい。私がつきあった男は皆そうだった。男は女の裸を見ただけで勃たなきゃ男じゃないよ。
私は雄琴でまだ新人の頃ダブルの経験がある。
私の時はじじいがフロントに新人だとそそのかされていきなりダブルで注文したやつで、1本目がフリーで2本目が指名扱いという計算だった。後で精算の時に、店長ににやけた顔で「2本目は指名だからね」と言われたけれど、なんでそんな顔をするのかと思った。
あんなじじいには2度と来て欲しくない。とにかくあのじじいは私の身体を全部舐めよった。顔に来た時はほっぺたを叩いてやったら、ニヤニヤしてオッパイに戻った。ケツ舐めた口で耳を舐められるなんて、冗談じゃない。もう、身体中がくさくなって、何分シャワーをかけたやら。
ダブル・トリプルなんて、稼げるだけで、苦痛は2倍3倍を超えるよ、まったく。大体客というのは女にもてない奴らが来るんだから、話をしていたってださくてやりきれないと思うよ。
うっとうしいやつだと、苦痛は時間に対してy=axではなくてy=ax2の関係だよ。ワンタイム相手するだけでもこっちはいいかげんいやになる。
手がかからずにちんちん勃たせて2度3度したがる客の方が気が楽だ。私のマンコはどっちかというと頑丈にできている。大昔5人の男にまわされたことがあるけれど、男に抵抗して手や顔に傷はできても、マンコには傷ができなかったくらいだ。
ダブル・トリプルで来て貰って、苦にならなそうな客は年に3人ぐらいしかいないけれど、そういうのは裏を返すこともしてくれない。
「またくるよ」と言っていて、次は早由利やアユに入っているんだから、イヤになってしまう。
早月が「早由利とアユはゴムなしでしてるかもよ」と言っているけれど、私はそうは思わない。そう言う早月がこのところ指名が伸びているから、あいつこそゴムなしをしているかもしれないと私は思ってる。
今日はロッカーの壁際に変なものがあるのを見つけた。昔ボーイフレンドが見せてくれたものと同じような形をしていて、きっと盗聴器だ。そんなものをしかけたのは、店長か、マネージャーか、ボーイか、一体誰だろう。
すぐ外して捨ててやった。このところ、入った新人が立て続けにすぐやめているから、それで控え室の雰囲気を知りたくて店が仕込んだのだろうか、それとも、ボーイが、イタズラしたのだろうか。
新人を一番いじめたのは早由利とアユなのに誰もそのことを店長に言わない。あいつら、20や21の歳で器量のいいのが来ると客を取られると思っているのだろうか。
親切心でいろんなことを教えて、それでついてこられずにイヤになっただけなのかもしれないけれどさ。
第3夜
ヒミコが、デカチンを無理矢理突っ込まれて、痛い痛いと泣いている。バカだわ、26も近いというのに客に啖呵が切れないなんて。
直径がチャコの手首の太さぐらいだったって。それぐらいなら私は飲み込めるけど、そんなこと、言ってもしょうがない。もう、客とれないんだから帰ればいいのに、太い体でいつまでもうじうじしているからうっとうしいったらありゃしない。
チャコは、昨日の最後の客が、しつこくフェラを要求するやつで、しかも、店長の知り合いだから丁重に相手をするように言われて、一生懸命やったらしい。
大体チャコは全身お骨が目立つ体だから、男がウヘーッと思って勃ちにくくなる。それを勃たせるためにチャコはちんちんをしゃぶるのがうまくなった。
本人がそう言ったわけではないが、私はチャコに入ったことのある客からいろいろ聞いてそう思った。それで、ちんちん舐めに磨きをかけて、指名順位は第3位だ。2位とは全然離れているけれど。
で、チャコが言うには、結局その男に延べ時間でそれこそ30分咥えさせられたそうだ。それも、すぐに、もっと強く咥えろとか、もっと速く動かせとか要求されっぱなしで、最後は男に両手で顔を抱えられ、グイグイ動かされた。それこそ、むちゃくちゃひどい目にあった。
しかも、予告なしで口の中に射精されて、「飲み込め!」と怒鳴られた。チャコは口でタネを受けたのは初めてだと言った。珍しい。
客が帰った後号泣きしていたとボーイから聞いた。今でも吐き気がするし、顎やら口が痛くておかしいと愚痴っている。こいつもバカだわ。
大体が、男は酔っぱらっていたというじゃないか。私なら、「店長の親戚だか友達だか知らないけれど、アンタなんか相手にしたくない!」と言って追い出すわ。
前々夜、金津園ワールドに投稿したものが、昨日確かめたら掲載されていた。
私は落ちぶれても、短大の国文科を出ているから、名前は紫少納言としておいた。内容は、千戸拾倍というじじいの目障りなのをぶっ叩くやつだ。ごちゃごちゃわかった口を利くやつはホントに腹が立つ。
あいつがおしっこプレイのことを書けば、おしっこをしてくれという客がなんだかふえるし、あいつは唾入れなんかを書くもんだから、そういうことをしたがる客が現れるようになったし、皆いい迷惑だ。
指名を稼ぐ方法なんかも出しているらしくて、そういうのを読んでなんやかやと言う客も増えた。最近は新人講習についてあいつのホームページに書いたらしくて、金津園ワールドでは、講習で本番されただの、中出しされただの、いろいろ愚痴が出ている。
だいたい店長には味方になって貰わねばならないのに、店長に講習で中出しされて怒るやつはこの業界で働く資格がないよ。
とにかく、なんだかあいつにかき回されているみたいだ。やたら、金津園ワールドにわかったような投稿をしていてうざい親爺だと思っていたら、ちょっと前から見かけなくなっていた。
それで、おとなしくしておればいいのにまた現れて、その投稿を歓迎するような発言も女からのが載っていたから、私は頭に来てからかう投稿をしてやった。
でも、あいつがいない時には、何やら大阪方面から、またごちゃごちゃ抜かすやつが現れて、ほんとうっとうしい。
(千戸拾倍 著)