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ソープ道入門 5
僕は、吉原から金津園に来た女二人に、金津園と吉原とで客の遊び方の違いを訊いてみた。
一人は、気弱そうなおとなしそうな女だから、東京の客のほうがずけずけとものを言い、金津園は客が内気な感じだ、シャイなほうがいいわ、と言っていたよ。
もう一人は、金津園から吉原に替わり、その後また金津園の恵里亜に戻ってきたヒカルという女なんだけれど、僕が会ってみると、雑誌の写真の通り特級品の美人で、クリトリスが、日本人離れした、中指の先ほどのデカ豆で、性格は芯の強そうな感じの熟女だったんだ。
サヤカがヒカルの出演したビデオを見たことがあって、デカ豆に驚いたと言っていたぜ。
で、ヒカルは、
「吉原の客は遊びが落ち着いてゆったりしているわ。話をするのを楽しんでいる感じなの。私も会話が楽しめたわ。スマートなのよ。こちらの客は、何か遊びが、とにかく元を取ろうという感じでみみっちいの、せこいの。『二回させてくれるの?』とか、『僕、何時何分に入ったから何時何分までだよね』とか、『後、十分ぐらい時間が残っているんだよね』と確かめたりするの。こういうのが本当に多いの。こちらの男は何でそんなことを口に出すの?と思うわ。東京ではそんなの聞かないもん」
と言ったよ。
性格の違いにより、受け取り方の違いもあるのかもしれないねえ。でも、僕は、そういう見苦しいことを心の中で思っていても、口には出さず格好をつけている奴の方が嫌いだなぁ。
金津園は本当にいろいろな客が来るんだよねえ。
毎週来る男、ダブルの時間で来る男、女二人の二輪車が好きな男、ラスト狙いの男、女のその日の最初の客に客にならなきぁ嫌で、店の開始早々で予約する男、一度しか発射しない男、必ず二度する男、何回抜けるか記録を作りに来る男、女のおまんφを見ながら自分でこすって発射する男、常連で通い、会う度に必ず勃起はするけれども、何をしても全く発射ができない気の毒な男、七十二歳の高齢でも毎朝「朝立ち」して自分の手で抜き、奥さんとは週一回のペースで交わって、ソープに来ればコンドームの中に若い男顔負けのたっぷりとしたミルクを湛える男、等々だよ。
女の客が来ることだってあるんだぜ。客の方が男役になるのが普通だけれど、相方のソープ嬢は憂鬱な気分になると言っていたよ。
ワイシャツや肌着は一切脱がずに、ソープ嬢だけ裸にして盛んに指を使っていた客と、マットで互いに乳房をこすり合わせたり、互いに脚を交差させて割れ目を揉み合った客との二つを聞いたことがあるよ。
僕は大勢のソープの女と遊んでいるけれど、レスビアンも愉しむという女には会ったことがないねえ。
酷い男や変わった男もいるんだよ。
女がおしっこをするのを見ながら千ずりをして最後の滴が出てくるまでの短時間で射精してしまう男や、浴槽の中で糞を出して知らぬ顔をしている男や、ビール瓶大のちんちんで、女が腟にも口にも入れられず、勘弁して下さいと謝るような男がいる。
極小のサイズですぐに抜けてしまう男、真性完全包茎で腰を動かす度に痛がり、いつも結局発射はしないのにそれでもソープに来る男、包皮をめくったら恥垢がリング状に溜まり石膏状態になっていて、女がそれを丁寧に取り除くだけで遊びが終わってしまった男もいる。
ちんちんに異物を入れてでこぼこにしている男や、歯ブラシの柄をアナルに入れて貰いたい男や、次に訪れる日をあらかじめ女に告げて、その相方が当日は朝から一度もシャワーを浴びないように頼んでおいて、その日の最初の客になり、少しだけ人間臭いおまんφを舐めるのが楽しみの男、なんていう輩がいるんだ。
女の恥ずかしいところを見ようとも、さわろうとも、舐めようともしない男は、存外と多いんだよ。そのような破廉恥なことをすると女に嫌われると思って静かにしている初なケースと、もともと全然その気がないケースの、二種類だろうねえ。
そういうことをしたら女に嫌われると思っているおとなしい男で、女の眼に好ましく見える場合は、性教育の実践なんかをサービスしたりするんだよ。
「これがクリトリスよ。ここを優しく揉むと、女は気持ちがいいのよ」なんてね。
おまんφを舐めるなんて冗談じゃあないと思っている男は、何故高いお金を払ってソープに来るのか、女には理解できないよね。
おまんφをとんでもない汚いところと思っているようで、せっかく69に誘っても、男が躯を堅くして両腕は脇に揃えたままで手を伸ばそうともせず、おまんφを男の口に近づけても顔をヒョイと背けられると、女は何か侮辱されたような気がすると言うよ。
たまに遊び人ふうの男が来て、オーラルセックスを始めると、ソープ嬢は自分も愉しませて貰えるかと期待する。でも、股の付け根や大陰唇やラビアばかりをレロレロして、焦れったいので指でクリトリスを開いてピンポイント爆撃を要求しても、そのうちにまた小陰唇のつまみ遊びをしたり、膣の中に舌を差し込んだりで、とにかくイライラする。
「男の人はカリをこすられて気持ちよく、そこだけがまともに快感の生まれるところで、とにかく皆亀頭を愛撫されたがる。それなのに、男の亀頭さんに相当する、クリトリスを愛撫されるのが、女にとっては他のどこを刺激されるよりも圧倒的に気持ちいいことを全く理解せず、気持ちよくさせたいのによけいなことばっかりして、私の方は快感の感じようがないから、じれったくて全く蛇の生殺し状態なのよ。そんなことなら、何も愛撫されない方がいいわ!」
と僕に嘆いた女がたくさんいたよ。
酒、追加しようか。
女の管理はどうなっているかだって?……世間の普通の組織と同じだと思う。女を集めてミーティングもきちんとやっているんだ、定例でね。全く個人プレイの世界だけれど、あまりにも常識を知らない女が入ってくるから、ミーティングで教えるべきことが多いんだろうねえ。
女同士の諍いや発病者が出るのや人気の女が辞めるのが、店としては一番困るので、この辺もフォローするんだろうけれど、成績優秀者の発表、表彰などもやっているよ。競争心を煽ぎ立てられるソープ嬢も大変だろうねえ。
店にもいろいろやり方に違いがあって面白いものだと僕は思ったことがあるよ。
ボーイは床に土下座して客を迎えてねえ、女も三つ指ついて客に挨拶する店があると思えば、予約した時刻よりも一時間以上案内が遅れても、何も説明しないような不親切な店もあるんだ。
店の会員になると、二千円程度安くなったり予約がしやすくなったりしてメリットがあるけれど、スタッフが客に会員になるよう勧誘する店もあれば、スタッフはそれをせず、女が客を気に入ったときに会員になることを勧める仕組みにしている店もあるよ。
雑誌に女の写真を出す店もあれば、全く顔写真を出さない店もあるんだ。フリーで入った客に写真を何枚か見せて選ばせる店もあれば、全く見せない店もある。そういう店は雑誌に顔写真も出さなかったから、人間を商品扱いしないやり方に僕は好感が持てたけれども、どんな女が出てくるのか見当がつかないのは、僕もやはり不安だったねえ。
制服を用意し、女が服飾の競い合いをしなくて済む店もあれば、私服で長年通している店もあるよ。
流行る店と流行らない店とは結構落差があるんだ。どこかの店の部屋持ちのNo.1嬢が別の店に移って、その店ではなかなか部屋持ちになれないということもあるんだ。No.1になるかならないかは相対的なものだし、店によって女のレベルの差が結構あるんだよねえ。
そういえば、金津園のソープ店は営業中に時々保健所の立入検査があるのだけれど、知っている?
検査の日にちは予め通知されていて判っているから、接客中に検査員が来ると、女はその時間だけはパンティを穿いて仕事をするんだよ。
ドアにガラス窓がついているだろう? 普段は、部屋の中が丸見えでは困るのでタオルか何かで塞いでいる。検査ができるように、廊下からガラス窓を通して部屋の中が覗くことができなければいけないんだよ。
僅かな時間ドアの窓から覗かれて、仕事ぶりを観察されるだけだから、いずれチェックが終わって客も女も素っ裸になれる。しかし、その間、コンドームや性交をしているところなんかは見られてはならないし、たとえ短時間の視察でも、客には気の滅入ることだよね。
ソープ店は細菌感染に存外注意を払っているんだよ。例えば消毒なんかは徹底している。
僕はいつもセックスが終わると風呂に浸かり、上がる時に僕は必ず風呂の栓を抜くんだ。女が後で、冷めかけた湯の中に腕を肩の近くまで突っ込んで栓を抜くのは嬉しいことではないだろうと思ってね。
僕がそんなちょっとした気配りをすれば、初対面の女は「あなた、やさしいのね」と必ず言うよ。家ではそんな態度なんかしたことがないのにねえ。
それで、僕は最後の案内時間で入浴したことが一度だけあるんだけれど、いつもの通りベッドプレイが済んでから風呂に入り、上がろうとして栓を抜いたんだ。
すると、夏木ルイ(ルイを参照)が「ああー、だめー!」と叫ぶから、何かと思ったら、栓を抜くなということだよ。わけを訊いたら、その日の最後の客が上がると、残り湯の入った湯船の中に、助平イスから盥まで皆放り込んで、強力な消毒液を入れるんだって。そうしないと保健所から叱られるんだそうだよ。
ベテランのお姉さんになると、最初の洗浄作業で、練り歯磨きのチューブの中身を指先で押し出すようにおちんちんをしごく奴がいてね、淋病などのチェックなんだけれども、される方は非常に気分が悪いね。
僕は、湯に入っただけで、身体中にぼんやりした紅い斑点が浮かぶ過敏な体質だから、初対面では必ず疑念を抱かれた。あらぬ疑いで、毎度心配無用だと説明するのがいい加減嫌になっていたよ。
しかし、ヘルスもソープもイソジンをよく使うなぁ。コップにイソジンの溶液を作って、紫色の液体をおちんちんにぶっかけられると、まるで自分が巨大なばい菌扱いをされたみたいで嫌なもんだね。
昔は盥に石鹸液を作り、イソジンを入れて、紫色になった石鹸液を身体に塗りつけられたもんだけれど、イソジンは石鹸液の中では殺菌作用がまるで殺されてしまうことが知られてきて、最近はそんなことをする女を見かけないね。
通い初めの頃はイソジンを少量溶かした液でうがいをさせられていて、馴染みの客になるとそういうことがなくなり、ばい菌扱いされなくなったと気分をよくするんだけれど、同時に、プレイが済んだ後も、うがいをさせられなくなるから、女が客に自分の方もばい菌扱いをするなと言っているようなもんだよねえ。
だけど、女が客にフェラチオをして喉が雑菌にやられる可能性と、男が風俗の女にクンニリングスをして喉が雑菌にやられる可能性とを比べれば、後の方が十倍は確率が高いぜ。
その証拠に、僕は喉が細菌に強くなるまでは、遊ぶ度に咽頭をやられて発熱したりして、本当に往生したよ。今はもうだいぶ耐久力がついた。
女のあそこは湿って温かくて閉鎖的だから、少々の洗浄では雑菌が落ちずに、残った細菌がすぐに繁殖する。ちんちんの場合は包茎でない限り、石鹸でごしごしすればばい菌はすぐに落ち、乾燥して繁殖しない。
女性器に比べればおちんちんはおおらかで健康的だよ。おまんφは陰湿でたちが悪い。トリコモナスにカンジタにヘルペスに、冗談じゃない。でも、おまんφって、いいなあ。
昔の遊郭遊びのことを書いた本なんかを読むと、男が娼婦の女性器を見たいと言って、女が「そんな汚いところは見るものじゃありません」と嫌がる会話がよく描かれているけれど、今、ソープやヘルスでそういう言い方をする女はまずいないね。トリコモナスやカンジタなんかは絶対に素人の女の方が多いからね。
確かに今のソープと比べれば昔の遊郭の女の性器は汚いと思うよ。
第一に女の基礎体力が全然違う。検査の度合いが違う。そして薬や消毒剤が違うし、何よりも大きな違いはシャワーや風呂の設備が部屋の中に備わっていることだよ。
男も女もセックスをする前と、した後に、きっちんと陰部を洗浄できる。これは衛生的だよねえ。
僕は初めてソープに来る前は、そんなところへ行ったら即座に性病にかかるような心配をしていたけれど、来てみたら、徹底的に洗ってまるで臭いのしないおまんφには本当に安心したよ。
さあ、ぼちぼち切り上げようか。君、サクラにちゃんと会いに行けよ。
四
久し振りだね。この前二人で飲んでから一年ぐらい経ったのかな。さあ、乾杯。
今日は川エビの唐揚げとパタゴニアリブステーキからいこうか。川エビの唐揚げはビールに合うよ。口の中でエビのヒゲとか足がごしょごしょするのがいいんだ。
しかし、パタゴニアリブステーキという命名はどういうことなんだろうねえ。
ところで、サクラから聞いたのかい? 僕が彼女に入ったことを。
写真よりもいい女だねえ、サクラは。眼が大きくて、頬が優しいカーブになっているし、特に、唇が丸っこくプチプチした感じで、何とも健康的な張りがあって、魅力的な形だ。
お尻が、後ろから見ても横から見てもとっても形よくて、特に足の付け根の後ろから尻たぶの頂点にかけて柔らかい曲線が素晴らしい。尻も乳房もすごく張りがあって、鷲掴みすると、ゴムまりのような反発力が良いね。ウエストのラインもすっきりしている。下腹もとってもすべすべだ。
あれだけ身体のラインが綺麗な女に会ったのは、僕は初めてだよ。つくづく若い身体だと思った。
サクラは鼻の形もいいし、顎の線も綺麗だし、肩幅がそんなになくて、女らしい体型だなぁ。それで、何だかのったりしたしゃべり方をして、なかなかユニークな個性に思えたよ。
薄いピンクの下着が似合っていてねえ、サクラが下穿きを脱いだ時、上部の陰毛が鉛直線から二十度の角度で直線的に団体さんになって上方に一斉に突き出ていたから、それがみょうにおかしかったよ。量が多くてカールの乏しい毛を上向きのままで押さえてショーツを穿いていたからそうなったんだね。
君はサクラから僕の助平ぶりをじっくり聞いたんだろう?……
サクラは僕のことを、おちんちんとかおまんφとかうんことかの放送禁止用語をやたらと連発する変な親父だと言ったんじゃないかい。彼女は僕が卑猥なことを喋る度に随分面白がっていたよ。
入浴時間が終わろうとして二人とも服を着終わった後でね、サクラは僕に「私、今までこの仕事をしていて会った男の人の中で、貴方が一番助平な人だわ。断然ワイセツ!」と誉めてくれたよ。
由美やサヤカから僕のことはたっぷりと聞いていたけれど、噂に違わぬ、とにかく愉しくて、しかも強烈にどエッチな男で、卑猥な言葉がオンパレードでもいやらしさがないんだってさ。
由美が病気になって一ヶ月ぐらい店を休んだことがあって、僕は誰と遊ぼうかと迷っていた時に、君が以前に、サクラは殆どアクメになったことがないらしいから、イクことができるかどうか試して欲しい、と言っていたのを思い出したんだ。
それで、それならサクラをすこーんとイカせてやろうじゃないかと思って、入浴した。
でも、僕はサクラに自慢のテクニックを発揮して、丹念に舐めても結局イカせられなかったし、その上、サヤカの時と同じで、僕の方は完全勃起にならないから、サックを被せてピストン運動をすることができなかった。セックス的には、さんざんだったねえ。
僕は結局サクラの指の往復運動でイッたんだよ。
サクラは僕にしっかりうち解け、笑いっぱなしで、しかも、一級品のナイスボディなのに、僕が完全勃起しなかったのは不思議なんだけれど、その理由はいくつか考えられるねえ。
一つは、君がサクラを好ましい女と思っていることを知っているから、申し訳ないような気がして、どうしても抑制の心が出てしまったようだよ。
もう一つは、僕が熱烈なクンニリングスをして、サクラも多少のよがり声を出し、愛液をしっかりと流したけれど、結局エクスタシーの頂点までいかなかったこと。これは僕にとっては面白くない。
更にもう一つは、部屋が暗かったこと。僕が部屋を明るくして欲しいと言っても、サクラは協力してくれなかった。
最後は、サクラにフィンガーテクニックがまるでなく、尺八専門で、その尺八が時間的には長くていいんだけれど、僕のちんちんにはちょっと単調なやり方であること。
この四つが心に引っかかって、僕の生殖器は完全な戦闘状態にならなかったねえ。
サクラはとても唾液が多くて、それは、キスをしてべろを吸った時に感じた。べろは、唾がねっとりと絡み、ヌラヌラしていて、ベーゼがおいしかったねえ。
それで、ベッドプレイでサクラがちんちんを口に含んだ時も、すぐにペニス全体がヌラーっとしてきて、ああ、これはいいぞと思ったよ。おちんちんにもすぐに芯が通りかけた。
でも、彼女のフェラチオは舐める感じのものばかりで、吸い込みも唇でしごき立てるのが全くないから、そのうちに芯がどこかへ飛んでしまったよ。だらだらと唾液を垂れ流して、舐めるだけだから摩擦感が消えちゃうんだね。
おちんちんがべとべとになるのは、フェラチオに吸い込みの動作が全くないということで、僕の好みのやり方ではないんだ。サクラが棹の先から滲み出した発情の粘液を金輪際喉の奥に流し込みたくないという心なのかと思うと、やっぱり心のどこかで白けてしまうんだね。
ちんちんというのは、いったん芯が通ったら、完全に張りさえすれば、後は舐める動きだけでも勃起が継続するんだけれどねえ。
サクラはぴちぴちの若い女で、みずみずしい肌をしていて、体型も絶品で、しかも、初対面でもうち解けてくれた。それでちんちんが完全勃起をしてくれずに、おまんφに嵌め込んでパコンパコンとピストンができなかったのは、全く自分に腹が立つよ。
サクラがフィンガーテクニックを知らない実例としては、彼女の指の往復運動でザーメンの第一弾を放ちかけた時、すぐにこするのをやめてカリ首から手を離してしまったことが挙げられるね。
あれは、ザーメンが出ている最中も、掌をザーメンまみれにしてヌルヌルゴシゴシと亀頭をこするのがいいんだよねえ。カリ首に泡だらけの精液の膜ができるまでね。精子君は迷惑だろうけれど。
それで、深い深い射精感とアフターフォローの余韻が生まれるのに、それをしないから、僕は勝手に空中へとばしているような気分だったぜ。
サクラはねえ、僕が由美の常連客で、君を店に誘った男だということが判ったら、「田倉さん、由美さんに、私が二十六歳ぐらいかと訊いたんでしょう?」と睨む目つきをしたよ。
二十一でも、写真の顔は二十六の可能性があると思ったんだから、しょうがないよねえ。
君のことをサクラに話していたらね、きちんとその会話につきあい、君のことを好意的な感じで話していたから、君が彼女の眼中にない男ではないということは判ったよ。
君は僕のアドバイスの通りにして、彼女の好みそうな食べ物を持参して会ったんだろう?
サクラに入浴した後、僕は由美から聞いたよ。
控え室でサクラがお菓子の袋を持って、忙しく中に手を入れてお菓子を掴んでは口の中に放り込み、一人だけでぼりぼり食べていてね、由美がそのお菓子はどうしたのかと聞いたら、サクラが嬉しそうに、君から貰ったと言ったんだって。
とにかくサクラは、お菓子が、何も高いものでなくてもいいから大好きなんだそうだ。でも、大きな袋に詰まったお菓子なら、数人しかいない控え室の仲間にも少しぐらいあげればいいのにねえ。
いろんな意味で変わった女の子だね、サクラは。
由美が言うには、とにかく何でもマイペースの子で、他の女なら腹の立つことでも、サクラは言い方が何とも可愛くてとぼけた味があるから、嫌みのようなものがないんだってさ。
僕が不本意ながらもサクラの手こきで射精した後、「さっきまでずーっと君のおまんφを舐めていたけれど、目の玉が近すぎて、僕はまだ君のおまんφをよく見てないんだ。ちょっと股を開いて、見せてよ」と言ったら、サクラは「毛が多いから恥ずかしい」と言うんだ。
「だから、いいんだよ。僕はいつも由美の、しっかり毛を処理したやつばかり見ているから、サクラちゃんの毛だらけのあそこを是非見たいんだよ」と更に一押しすると、サクラは恥ずかしいのだか嬉しいのだかよく判らない顔をして、少し股を開いて両手で大陰唇を開いたよ。
でも、部屋が暗かったし、毛が多いから、本当の色彩と輪郭がよく判らなかったぜ。ラビアの形はとっても良かったと思う。
僕がペニスを勃起させたまま由美に金玉を吸わせているデジカメの写真をサクラに見せたらね、あの優しいほんわかとした口調で、「まあ、このおちんちん、とってもいい形だこと!」と言ったよ。
あの、のったりとした言い方は本当に不思議な魅力があるね。
どういうふうに僕のちんちんは形がいいのか?と訊いたら、彼女が言うには、ペニスは、やたら先細りとか、折れ曲がっているのや、ねじれちゃって、本来下側についているべき尿道口が上や横についているのや、反り返りすぎているとか、とにかく形の綺麗なのが意外と少ないんだって。
若い女が、カリのえらが張っていないペニスは美しくない、なんて言うと面白いもんだ。
じゃんじゃん飲もうよ。貝の刺身の盛り合わせと塩からを頼もうか。
リブステーキはなかなかの味だろう? 胡椒と、何か判らないけれど香辛料の味付けがいいんだよ。
やっぱりセックスのお相手は美人がいいけれど、僕の場合は、女が助平であることとか、性的にどん欲なこととかが一層大切だと思っているなぁ。綺麗でも、お人形さんのように寝ているだけというのはご免こうむりたいねえ。
そういう意味では、サクラはスタイル抜群で、まあまあの器量でも、セックス好きとはほど遠い感じだから、僕には面白くない女だね。
僕はいつも徹底的にクンニリングスをしてから嵌め込むから、クンニリングスをしようとする時、女がガバッと股を開いて、待ってました!という表情が滲み出ていると、気合いが入るよ。
それで、クンニリングスですこーんと天国に行かせてから、今度は、ベトベトになったおまんφにちんちんを嵌めようとすると、腰をよじってイッてしまって股を閉じていた女が、これもまた、ガバッと股を開いて、おまんφの匂いを発散しながら、待ってました!という表情を浮かべる、そういう女が好みで、そういう性交渉は全く嬉しくなるぜ。
躯と躯を合体してねっとりとピストンしている時に、組み敷いている女から挑発的な視線を受けたりすると、これもいい。
僕が気をやろうとして動きを激しくして射精の気配を見せたら、女から、激しく奥の方へ出して!という感じで、迎えるように足や手で僕の躯を抱える、こういうセックスには、僕は間違いなく強烈な射精感で腰が震えるねえ。
腰をパコンパコンしている時にうっとりと男の顔を見つめるようなソープ嬢は、なかなかいないもんだ。何せ皆歳が若いからそれほど性感を開発していない。
上手な前戯で快感にふるえたことが滅多にないから、男が腰を動かしていても、女の表情にそれを愉しむような感じも、頼りすがるような眼差しも、求めるような切なげな表情も浮かばせることはまずないだろうな。どうしても、目を瞑ったまま平然とパコンパコンが終わるのを待っているというセックスが多くなるんだねえ。
もし、ピストン運動をしている時に、男がソープ嬢に顔を見つめられたとしたら、それはきっと、「この人、馬鹿みたいな顔をして腰を使っている!」か「さっさと出せよ。この野郎!」かどちらかの気持ちで見ているんだよ。
親しい女と対面正上位でしていて、女から迎えるような腰の動きをされ、それが同時に、目は瞑っていても、唇のかすかなわななき、微妙な首の動き、そういった仕草全体で、何とも悩ましげな顔つきになっている、そういうセックスがいいんだよねえ。
そういうのは、気をやった後に必ず余韻のようなものが残り、僕は満足感にひたれるんだ。
僕は運悪くどうしようもない女に対面しない限り、必ずいいエッチができるようにもっていく。だから、女に送られるとき心から「楽しかったわ」と言われることがよくあるよ。
女から見ると、つまらない客、うっとうしい男、野暮ったい客、イヤな男、臭くてたまらない男、いばりちらす客、気持ち悪い男、そういうのが本当に多い。
だから、風俗の百人の女とセックスしても、二人でともに燃え、女が本当に心を許して情交した、そのような経験がない男も大勢いると思うよ。
よがりまくる女ばかりが登場するエロ小説の世界と現実とはかなり開きがあることは間違いない。
いいセックスをするには、男がどういうふうに振る舞うかが一番大切なことで、フェラチオさせてピストン運動をするだけの男が、女に淫蕩なセックスを期待したって、燃えるようなベッドプレイは絶対にできない。
男は優しく、そして話が面白く、相手に好感を持たれるようにして、かつ、素晴らしいテクニックで女をめくるめく快楽に誘うことが必要だね。
もっとも、大抵の男は自分が気持ちよく射精すればいい、と思っているんだから、そんなことはどうでもいいんだろうが。でも、そういう男は、ソープよりも安いヘルスに行けばいいと思うねえ。
そういえばアメリカのエロビデオは、女が「ファック、ミー」と叫び、手はベッドやソファーに置いたまま、口をとがらせて「オー、イエー!」なんて騒がしく吠えているのが多いけれど、ヨーロッパのエロビデオは、女がパコンパコンされながら、微笑み、男に視線を絡め、男の身体に手を這わせたり、男の腕にうっとりした顔で頬を寄せたりするのが多いねえ。吹き替えでよがり声もしっかり入れているし。
日本の男優のテクニックはまるでなっていないよ。バイブを突っ込んでピストンしたがる奴ばかりだ。女を見下ろしている男が多いぜ。そんな奴におまんφをくじられて、それをビデオに撮られてうっとりしている女は本当に馬鹿な女だ。
もっとも、棹師にも例外はいて、カメラが回っていないときに、女の気分が盛り上がるように会話と態度に気を遣い、本番になると念入りに愛撫をして、女を本当に昂まらせるAV男優がいる。必ず女をアクメに至らせるというから、一流の棹師だ。クリトリスを舐めることも、愛の囁きも、とってもうまいらしいよ。
ソープ遊びの紹介記事を読むと、「ソープ嬢に気をやらせようと思っても、相手は気をやりたくなくて、お客をイカせることだけを考えているから、どんなに心を込めてファックしてもイカせることはできない」なんて書いてある。
これには二つの間違いがある。
一つは、ソープ嬢は気をやりたくないというのが間違い。もう一つは、もともと二十代の女は男のピストン運動でイクことはなかなかないということが判っていない。
ヘルスだってソープだって、お客を好ましい男だと思い、その男に上手に導かれれば、女はたまにはセクシャルな気分を昂めて気をやりたい。だから、性的亢奮を誘うようにしなければならないぜ。
性風俗で働く女はまずオナニーの経験がある。クリトリスでイクことを知っているから、そこを口で優しく弄えば必ずイク。指じゃダメだよ。指では愚弄感がある。
川エビの唐揚げの残っているの、整理しようぜ。貝は好物だけれど、ホタテの刺身だけはあんまり好みではないねえ、僕は。……貝はいい。女のむらさき貝も。
雑誌に、ソープに来る客の分布が、三分の一は女についている客、もう三分の一は店についている客、最後の三分の一は店のスタッフについている客、と記載してあったけれど、馬鹿じゃないか!と思ったね。風俗業者の思い込みをそのまま記事にしている。
店のスタッフとセックスするわけでもあるまいに、店や店長についている客と言うのは、思い上がりもはなはだしい。
気に入った女が業界から上がった時に、すぐ他の店に遊び場を変えずに、同じ店でしばらく他にいい女はいないかと探したら、その男は店の客だと考えるのは間違っている。あくまで女の客なんだ。気に入るような女が見当たらなかったら、その店は見限られるに決まっている。
ソープ店は僕の見るところ、二種類あってね、一つは店の営業方針が客を呼んで女が稼がせて貰っているという姿勢の店、これを甲のタイプとすると、もう一つは、女が事業をしていて店はそれに協力しているという姿勢の店、これは乙のタイプとしよう。
甲と乙との違いは店長のソープランドに対する考え方の違いから生まれるのだけれど、甲のタイプは、概して女の休日が少なく、乙よりも相対的に女の手取りが少なくて、ボーイの給料が高い、女に対するスタッフの態度が高圧的、と言えるね。
客から見て、どちらがいいとは一概には言えないけれど、僕は、乙のタイプのほうが、男のスタッフにちんぴらっぽいのがいないような気がして好感が持てるなぁ。
女のしつけはあきらかに甲のタイプの店のほうが厳しいよ。控え室は軍隊の兵舎のような規律的な雰囲気があるようだ。トイレに立つときは一々ボーイに報告したりしてね。
だから、甲の店は、頭の先から足の先までしびれさせるような凄い女もいない代わりに、二度と金津園に来てやるもんかと思わせるような女に当たることも少ないと思うよ。
乙のタイプの店には、奔放で個性的な女や、猛烈に男を魅惑する美女がいるねえ。相手を見て、手抜きした接客をする女も大勢いる。遅刻、早引き、欠勤のようなルーズな面が、甲よりも多い。でも、美女をずらりと揃えている店はだいたい乙のタイプだろうねえ。
甲の店は、店の方針に従順な女ばかりになってしまうし、乙の店は、個性的な女や、子持ちで休みがたくさん欲しい女が集まることになるよ。
乙の店は、本指名やP指名を重視し、指名報奨金を女に支給し、部屋持ちの制度がある。甲の方は、乙ほどには指名に重きを置いていないことが多い。
甲の店は平気で振替をするから、僕は嫌いだよ。
振替は、指名の予約があって、その当日女が店に出なくても知らぬ顔で予約を受け付け、客が店に来ると「実は、ご指名の女の子が躯の調子が悪くなって、しょうがないので帰らせてやりまして……」と言って、「お宅さんが予約した女よりももっといい女がおります。是非会ってやってください」と押しつけることだよ。
誠意のかけらもない。客は皆、穴のある女をあてがっておけばいい、と思っているんだよ。
たとえ店長が、どの女も客をがっかりさせないように徹底的に指導していると自負していても、僕は許せないねえ。
でも、初めて金津園で遊ぶ場合は、甲の方が当たり外れが少ないから、絶対にこのタイプの店がいいね。三月に一度ぐらいの割合でソープに行く程度の男も甲の店に入る方がいい。
皆美人を求めるけれども、実際に一対一で対面してセックスするとなると、たとえ自分の愛児の葬式の日であっても、女の裸を見ただけで勃起するような男でない限り、性格がいいというか、絶対に男に気持ちよく射精させて、ありがたく料金を頂くという心根のあるような女が間違いがないねえ。
相当金津園に通うことができて、女と親しくして、心からうち解けたつきあいを求める男なら、乙のタイプの方がいいだろうなぁ。
ソープで稼ぎの多い女には二種類あって、一つは、相当な美人で、スタイルがよくて、男の気を惹く会話をする上手くする女、もう一つは、情欲をそそる淫奔なプレイをして、凄まじいほどのサービスをする女だね、すごい美人もいれば不美人もいる。前者をAタイプ、後者をBタイプとすると、Aタイプの女はまず雑誌に写真を出しているよ。
Aタイプの女は雑誌に美人顔の写真を載せてP指名を相当稼ぐ。会話が上手だから本指名も多いけれど、通いつめる男は、性行為的には未熟な男ばかりだ。性的には、献身的なサービスをあまりしなくて、会話の楽しさとお愛想だけで男をその気にさせる女が結構いる。
僕はこの十年間を振り返っても、Aタイプの女にはそんなには入浴していないんだ。僕は、むしろ雑誌に顔を出していない掘り出し物を探りたい気持ちが昔からあったからねえ。
それでも何せ別嬪が多いから、僕は一応Aタイプの女に十人ぐらいは入浴しているけれど、三度会った女は一人もいないよ。
取りにくい予約にイライラしてまで裏を返す気にならないし、どちらかというと、皆慎ましくて上品ぶって、受け身が嫌いな女が多いからねえ。おちんちんを完璧に亢奮させるようなねちっこい愛撫が下手で、受け身も上手にこなせないんじゃあ、僕は面白くない。
それに、常連客がいっぱいいるから、女の心の中に飛び込みにくいんだ。少々通ったぐらいでは適当にあしらわれている感じがするんだよね。
その点、Bタイプの女は親しくなりやすいんだ。過激なのが好きという趣味が一致しているからねえ。二十五を超えていても、常連客を捕らまえるように一生懸命サービスに努める心が好きだね。相当な美人で、おまんφを舐められるのが大好きなBタイプの女だったら、これはもう最高だ。
このタイプの女でも、自分は猛烈なフェラチオとちんちんこすりをするけれど、自分が受け身になって客に愛撫されるのは苦手というのがいる。上手にクンニリングスをされても肉体が発火しないんじゃあ、気の毒とも言えるね。
Bタイプの女は八人ぐらい知っているよ。皆最低三回は入浴しているし、二十回以上会った女が三人もいる。このタイプは売れっ子でもそれほど美しくない女がいるけれど、会話が上手ならば実に愉しめるよ。
Aタイプの女で、まるでサービスをしなくても、完璧に男心を誘って、セックスをしなくても男を幸せにするソープ嬢がいるんだよ。話しているだけで男をぽーっとさせるんだ。
昔マスターズにいた神崎愛がAタイプの女で、歳は三十ぐらいだけれど、たくさん稼いでいるよ。常連客が大勢いる。
僕は七年前に神崎愛とマスターズで会ったことがあるけれど、まあ、喋る表情がなかなか妖艶だよ。おちんちんを全く触ってくれなかったし、クンニリングスをされるのも嫌々の感じだったから、僕はそんなのが売れっ子になるのが心外なんだよねえ。
で、その神崎愛はねえ、会ってもエッチをしない常連客がいるし、入浴する度に十万単位の金をチップとして差し出す客もいるということだよ。入浴時間が百分の店なんだけれど、常連客で毎度、服を着たまま三十分ぐらい喋っただけで部屋から追い出されるという男がいると聞いたぜ。
で、そのAタイプの女で非常に印象深いのが一人いて、そいつの話をしようか。
神崎愛よりももっと前に会ったんだけれど、貴公子という店の優子という女で、雑誌に写真を出していなくてもなかなか評判だった。
美人女優の浅野ゆう子に瓜二つで、本人よりも綺麗で、大層話が面白いらしい、とよその店の女から僕は聞いた。優子には多くのファンがいて、どちらかと言えば若いのが多く、皆、優子に陶酔している賛美者で、部屋に入っても楽しくお話するだけで、セックスをしなくても満足して帰るそうなんだよ。
決して少額とはいえないお金を払って抱擁もしない常連客が一人や二人ではないなんて、そんなソープ嬢がいるのだろうか、一体どういう女なのだろう、と僕は興味を抱いたよ。
それで、会ってみたら、優子はたまげるような美人だ。眼も顔の輪郭も本当にその女優によく似ていて、本人よりも色白だからよほどいい。今振り返っても、僕が会ったソープ嬢の中では一番の美人だったね。
こちらが呆然としてしまうほど顔が綺麗なだけでなく、とにかく話す風情がいかにも男の気を惹く女で、愛想がとても良く、合いの手とちょっとした質問が効果的だ。僕から話を引き出すのが上手かった。
良家に育ったお嬢様のような上品な語り口も絶品の上に、会話の応対のセンスも抜群で、エッチ話をしてもすぐに何となく高尚な話に戻ってしまうんだ。
優子の視線が僕の眼に向けられていないことがなくて、僕を見つめるその眼が眩しくてね、これは桁違いの女だと感心したよ。
互いの趣味についての話を中心に長々とお喋りが続き、僕は残り時間が気になった。そろそろマットプレイを…と頼むと、優子はかなり不満そうな顔をした。
強引にマットをさせたんだけれど、その時間はあっさりと短く、殆ど僕のペニスを弄わないお座なりのものだった。
更に、マットが終わると、わざわざパンティを穿き、洒落た水色のキャミソールを身に着けたんだ。しかも、僕からかなり離れたところに座って、「もっと近寄ってよ」と言っても優子は側に来なくてね、僕は何か悪い予感がしたね。
それからまたお喋りとなって、それが流れるように続き、口許は笑みを浮かべ続け、本当に男との会話になれている感じだったよ。僕も次々と話題が出てきて恍惚の気分になった。
ネットの位置を特別に高くしたバトミントンのように、いつまでも会話のラリーが続き、互いに無言になることが全くないんだ。優子の眼は、視線を受けるのが辛くなるほど常に僕の眼を直射し、横座りして、上体を少しくねらせて微笑みかける姿が際立って艶麗だった。
そんな優子の話の中で、「私は不感症なの」という言葉もあった。
僕が、「僕は女の子には上手だとよく褒められるよ」と言うと、「まあ、じゃあ、私、期待しちゃうわ」などと品を作る。でも、それを潮にそろそろベッドへという気配も見せずに、すぐに色事とは無関係の趣味などの話題に移ってしまうんだ。
優子から会話を終えようとは全くしなかった。僕の方も超美人と見事に楽しげに話ができ、甘美な気分になって、ベッドに上がろうとは切り出しにくかった。
しかし、いくら何でも時間が気になりベッドインを促したら、優子は素知らぬ顔をしていてね、僕がめげずにしつこく要求すると、自分の常連客はセックスをしなくてもお話しているだけで満足してくれる、と嫌味めいたことを呟いたよ。
僕が怒りを殺してもう一押ししたら、優子がパンティーも取らずにしぶしぶベッドに寝そべったから、僕はパンティーを剥ぎ取って観音様を拝んだ。
色白の股間に突き出したラビアの色が薄く、綺麗な薄茶色をしていた。薄すぎず厚すぎてもいない左右対象のそれは先端に肥大が見られず、形良く先細りになっている。割れ目は短めで、中はきれいなピンク色をしていて、薄目の春毛が柔らかそうで、この美人は性器まで天女のように端麗だと感心したぜ。
それまでいい加減優子の性根が判ってむかっとしていたけれど、(この尼、ヒィヒィ言わしてやるぞ)と思って攻めようとした。ところが、乳首を吸いながらクリトリスにさわろうとすると、「痛いから駄目」と言うんだ。
「じゃあ、舌なら良いだろう」と返して、本格的に愛撫を開始したよ。
そんなことするのぉ!という顔つきだった。
それで、感じやすそうな割れ目に見えるけれども、僕がいくら頑張って愛撫しても、優子は全く無言で、吐息も平静で、雪のように白くて優美な肉体が全然反応してくれない。もちろんマン汁は出ない。
それどころか早く入れてとしきりに急かし、ペニスが勃ち上がっているかどうかなど確かめることもなくインサートを要求するんだ。
挿入可能となるようさわって欲しいと頼んでも、素知らぬ顔をしているから、完全に頭に血が上って、いよいよ肝心なところが駄目になる。結局、僕は射精を果たせずに帰る羽目になったよ。
「今日は、貴方のお話がとても面白かったわ。また来て下さいね」
ニコニコと先ほどまで何も問題はなかったような顔つきで送られたけれど、どうにも腹が立ってしょうがなかったぜ。
夜も遅い帰りの列車の中で、精液が変な所に止まっているような感じがして、まわりに誰もいなかったので、ズボンのチャックを下ろして手淫をした。床にエキスを散らしたのが何とも虚しかったよ。
名古屋の町を歩いていて美人に会う確率よりは、金津園で美人にお目にかかる確率の方がやっぱり大分高いけれど、本当に優子は壮烈な美人だったね。
でも、Aタイプの女でも満足できるという男は幸せだよな。セックスをしなくても、お喋りしているだけでハッピーなんだから。
素人ではなく玄人の女を抱くのだから、ソープランドではマットプレイやフェラチオが上手だったり、へんてこな体位でドッキングしてくれる、Bタイプの女と遊ぶのが楽しいと僕は思う。
ソープ嬢に、素人の女がしないサービスをさせるのが面白いといっても、ベッドでしつこくフェラチオを要求する遊び方は、僕はどうかと思うねえ。
そういうことは、マットプレイで愉しめばいいのであって、ベッドでは自分が女を愛撫することに努め、ぐっしょぐしょに濡れるまで亢奮させた後、ちんぽこを固くするのはあくまで自分の力で果たすべきだ。
自力勃起して合体すると、一番力強いパコンパコンができ、ゴージャスな射精感が生まれるぜ。
僕は君にソープ遊びの想い出話をしていて、ちんちんが自力で固くならなかった話を何度かしているけれど、それは例外的なことで、五十歳になっても、基本的にはフェラチオなんかされることなく、自力勃起して挿入しているよ。
だから、最近の若い男は、エロビデオを見て間違ったセックス作法が身につくのではないかと心配になるねえ。やたら、女に尺八を要求したり、パイブレーターを使いたがったりしてねえ。本当に、ああいうビデオは良くない。
しかし、射精というのは人によって様々なやり方があるものだとつくづく思う。ヘルスで聞いた話なんだけれど、いろいろな男がいる。
女が初対面の男の身体を流して拭いてから、客を待たせて自分の身体を洗い、「お待たせ!」と言って客のいるベッドに向かった。すると、男がベッドに俯きになって寝そべっていたので、「起きて」と促すと、「このまま背中を舐めて欲しい」と頼まれた。妙な人だと思いながら言われた通り背中に舌を這わせていたら、そんなことで男はペニスをギンギンに張らせて悦び、そのうちにペニスの先をシーツにこすりつけただけでイッてしまった。
同じ女から聞いたもう一人の変な男は、ヘルス嬢に「お姫様だっこをさせてほしい」と言った。マッスル系の筋肉質の身体でも愛嬌のある男だから注文に応じると、女を両手で抱き上げた。左手で背中を、右手で尻の辺りを支え、抱いたまま、狭い部屋でいつまでも降ろそうとしない。鏡に映ったその姿を見て愉しんで、女を抱いたまま器用に右手でオナニーをして、白い滴を弾丸のように壁に飛ばした。
その男にそんな遊びをしたい気持ちについて聞いたら、「とにかく女を抱っこしているのが好きで、これが一番愉しい。でも、ガールフレンドにこんなことをしていたら変人だと思われるから、ヘルスのようなところで抱っこプレイをして楽しんでいるんだ」と答えた。
いろんな趣味があるもんだろう。面白いねえ。
ソープ情報誌の写真を見ていると、ヘアースタイルは長い髪に綺麗にパーマをかけているのが多いだろう。男は皆ロングヘアーがお気に入りだからそうなるんだよね。
サクラの黒髪もなかなか良いね。
髪の短い新人が入ると、店長に髪を長くしろと言われるんだよ。長い髪の女ばかりだから、時々逆を行って、ショートヘアーにしている女もいる。中加減の長さというのが、ソープ嬢にはいないね。
僕は、茶髪にしている女はとにかく嫌いだけれど、手の爪を伸ばしてマニキュアをしているのが一番嫌だね。爪が伸びていて、上手にペニスマッサージをする女は絶対にいないよ。
三年前に会った女で、爪を伸ばしているのがいたけれど、僕が爪を切ったほうがいいと忠告したら、女は、爪の先を軽く当ててカリ首を掻くように動かすのが得意の愛撫で、そうすると皆おちんちんを固くして悦ぶから、私の絶妙の得意技を楽しんでよ、と自慢げに言うんだ。
そんなこそぐるようなもどかしい愛撫で亢奮する軟弱なカリ首ではないんだ、僕のちんちんは。掌でガッと握られて、グイグイとこすられるのが好きだからねえ。
ネール美人を相手にして、やっぱり、僕のちんぽこは全くいきり立たなかったよ。女が僕のアドバイスを素直に聞かないことに性欲が沈んでしまったんだね。
かなり昔に、別嬪で売れっ子の、ベテランのソープ嬢に入浴したことがあったんだけれど、その女が爪を伸ばしているから、そんなのは気に入らないと僕はケチをつけたんだ。
そしたら、女が小生意気な顔で、「私は爪のマニキュアの色をあれこれ楽しむのが一番の趣味で、爪の手入れだったら、何時間でもあきずにしているの。女の人が爪を化粧しないというのは全く理解できないわ。私は、爪を伸ばしていても、絶対に男のあそこの先を傷つけるようなへまはしないし、爪が決して当たらないようにして男の人に気持ちよくなってもらうフィンガーテクニックに、私は自信があるのよ」と言った。
経験年数のある女だから期待してやらせてみたら、彼女がマットプレイで熱心に手を動かしていると、やっぱり爪が時々当たってカリ首がシカッとして、それが気になって縮んでしまったぜ。
僕は昔から、爪を伸ばしている女と髪を茶色に染めている女は、風俗の女であろうと自分の勤め先の社員であろうと、そういうのは嫌いなんだよ。
そういえば、サクラは少し爪を伸ばしていたよね。まあ、君がサクラと毎度楽しく遊べればいいけれど。
あぁ、酔ったねえ。
僕は若い頃は、女に飽きるほど女とやりたいと空想していたけれど、何度やっても、性交というものは飽きないねえ。この遊びは、機械を相手にしたゲームではないし、自然を相手にした娯楽でもなく、感情のある人間が相手の趣味だから、絶対に飽きが来ない。
初対面の女の左右の大陰唇に両手を当てて、割れ目を開きながら人差し指でクリトリスの包皮を押し上げてお豆さんを舐めようとする瞬間と、左手で割れ目を開いて、右手でばんばんに張ったちんちんをぐっと押し下げて嵌め込む瞬間の、眼前の女のクレバスは人体の神秘と造形美がそのまま出現して、何度見ても本当にいいもんだよ。
僕は女上位の性交は絶対にしないから、女の指でペニスを摘まれて導かれる嵌め方をしたことが殆どないぜ。
それで、熱意を込めてエッチをして、粘膜と粘膜がこすれ合い、女が奔放に燃えて、相互に熱情溢れる抱擁だったと後で振り返ってにんまりするようなセックスは、いいなぁ。
僕はねえ、最近、自分は性の求道者ではないかと思うようになった。
女を気持ちよくし、自分ももぎ取られるように射精する。風俗嬢に仕事を忘れて発情させる。とにかく、これが、たまらない悦びなんだねえ。
もともと徹底的に洗ってアンモニア臭のようなにおいの全くないおまんφが、ぐっしょり濡れて、欲情の匂い、メスの香りを発散するようになると、本当に幸せを感じるぜ。
それで、女が「私、もう今日は、お客、いらない!」と呟くと、心のエクスタシーがもう一度やってくる。ビバ、おまんφちゃん、濡れマンに万歳、観音開きを拝め、放尿視姦、充血のクリトリスに栄光あれ、アナルに指を、女のイソギンチャクの蠕動運動に乾杯!、だ。
さあ、帰ろうか。明日の土曜日、僕は由美に予約が入れてあるんだよ。 (了)
(千戸拾倍 著)