18歳未満の方は入場をご遠慮下さい。

ラブホテルの楽しき逢瀬

 禍福はあざなえる縄のごとしを学校の授業で学んだ時、とても心を打たれた光景がうっすら記憶にある。中学なのか小学校なのかはわからない。ただ、先生が白墨で縦書きし、蕩々とした口調で語るのを凝視した絵が残った。
 その後いつの間にか私は『禍、福、禍、福、禍、福、禍、福…』がイメージとしてすり込まれていた。ところが50を過ぎた頃『人生は禍、禍、禍、福、福、福…の偏りが結構ある』と思うようになった。
 仕事でよからぬことが起きると大体禍禍禍だ。金津園で意に染まぬ女に当たるとそれが3人は続く。のめり込む女に当たると、更に続けて見つかって、経済的に困ってしまう(恵里亜やルーブルでは本当に困った)
 で、60歳が近づく頃には、(1) 撮影を許す嬢に当たるとそれが続く (2) AFに持ち込む嬢に当たると他にもできるようになる (3) 嬢に浣腸ができると何故か他にもできる───と禍福の繰り返しよりも連続性に着目することになった。
 そんな頃また禍福の一方のリピート性/塊になって登場!を納得することが起きた。
 私は10代から30代までラブホテルは淫らと悪徳の巣窟だと思っていた。暴力団の資金源、女によくもてる男にのみ有用な偏向場所と認定した。ところがいつの間にかラブホテルは憧れの存在であり、かつ、自分には残念ながら多分一生縁がない施設という認識に変わった。
 遅まきながら36歳、意を決して1983年に買春するようになると、ソープ店でたっぷり時間をかけて性行為ができるし、デリヘルなどは危険視して利用しないからラブホテルは無縁の存在という想いが増し、ソープ店やヘルス店以外でファックするのは自分にはあり得ないと言い聞かせていた。
 ソープ嬢と店外デートを何度かした時も、ラブホテルのことは全く考えなかった。そもそもラブホテルについて何も知らないから、行動しようがなかった。
 ネットで何でも調べる私が、62歳になるまでラブホテルについて一切探ってなかったことが、いかに頭からラブホテルのことを消していたかの証明だろう。
 ところが、62歳の2009年3月に 半年ぐらい前からメールをやりとりしていたご婦人からお誘いを受けた。顔も知らない相手でとにかく驚いたし、ラブホテルについてどう対処したら良いのか困ったが、ご婦人の導きに従えば良さそうだから安心した。
 何事も無い平静な感じで振る舞う様子にうろたえる気持ちを抑えて観察し、性交部屋の気配と淫靡な雰囲気、2人の行為と語らいも想像の範囲内ではあったが、とにかく初のことは瞠目あるのみだった。
 このやり部屋感は、買春経験なかりせば、60歳であろうと上気しておかしくなるぜ───そう思った。
 で、その年に初対面のご婦人とのラブホテルの利用を何と3人もすることになった。全て相手からのお誘いで「目を白黒」どころではない驚天動地の事件が勃発して、本当に今でも奇っ怪な想いだ。サイトを創ったことの霊験が驚異的すぎる。
 そして、これを契機に一気にラブホテルの活用が進んで破天荒の幸せが出現した。地味な人生が様変わりした。
 纏めると次のようになる。他に金津通いがあるから、定年退職後盛りすぎ?だ。
フェリーチェ ミラージュ その他 市外 合計
2009年 10 
2010年 11  13 
2011年 11 
2012年 11 
2013年 11 
2014年
2015年〜
 市外以外は全て名古屋市内の建物だ。
 フェリーチェ名駅前店は2010年1月 に初めて入り、その後よく利用した。地下鉄の駅から近いことと、部屋が明るく清潔感があってとても気に入ったけれど、性交動画の視聴サービスがとても悪くなったことがあり、その時は千種のミラージュにも入った。
 フェリーチェとミラージュ以外では、大須のラグーン、JAZZ、千種のタウス、エーワン、リゾパラを利用したが、この2つと比べれば全然推奨できない。
 それにしても、利用履歴を調べるとまさしく大活躍で、まさしく第三次青春時代だ。
 私のセックスの感想を同伴者1人目と3人目から聞いた。全くの素人だから、ロングランの熱いセックスに仰天したらしい。当然ご本人も割れ目のずぶ濡れ反応に驚いたことだろう。
 私はラブホテルがいかなるものかわかると、馴染みの嬢にラブホテル同伴をお願いする勇気と意欲を膨らませた。存外引っ込み思案の私にこれは勇気十倍になる経験で、素人女と入ったからには玄人女とも入らねばと、はっきり言って勇気1億倍だ。
 20代や30代でラブホテルに入った経験がある男には、60代で初めてラブホテルに入る男の感動の凄まじさがわからないだろう。その感動の大きさを反芻すれば、遅かったことが幸せなのだ。若い時から利用した男は60代では存外ラブホテルに突入しないのではないかと思う。
 その3人の観音様のような女性との逢瀬のあとラブホテルはもう数多く入ったが、それで思うのは、ラブホテルでは若い男女のカップルよりも、年寄りの男と若い女の組み合わせのほうを圧倒的に多く見かけることだ。売買春でないものもあるはずだからとても不思議だ。
 オヤッと注目するようなカップルをしばしば見たから、男は社会的地位と年収をしっかり得て、若い女とファックすることが大切だと思うし、旦那がそういうことをしているとは思っていない奥様が多かろうと想像する。
 ラブホテルは逢瀬の場としてとても素晴らしい。専ら金津園の店の見窄らしい部屋でファックしていた私は目の覚める思いだ。
 ソープ嬢との店外デートについて書く。
 ろくすっぽ本指名を入れた実績がないのに、嬢に店外デートを持ち出す自分本位の客がたくさんいるが、これはあまりにもプロの女を馬鹿にした行為だ。相手が20代の若い女でも、プロだ。それをそこらの小娘と同じ感覚でオファーするのはとろすぎる。
 店外デートは本指名数に対する御礼として応ずるものだ。でも、そのようにしなければならない義務が全くないから、そんなに実現するものではない。
 よく本指名を入れている客について。
 店外デートに応ずる嬢の多くはそこで体を許す必要はないと思っている。だから、店の外で逢ってもラブホテルに入らないなら99%は営業的妥協だ。デートしてその場は楽しくても、相手が営業的妥協でやったと思えば嬉しいか。営業的妥協でそこまでさせてしまったという事実を心苦しく思うのが真の男だろう。
 よって、店外デートはラブホテルに入るのを前提にしたお誘いをすべきだ。玄人の女は物見遊山だけで誘うものではない。いわゆる裏引きで良い。もし、店外デートをセックス前提で誘えば断られる可能性が高いと思うなら、そんな誘いかけは互いの心を乱すだけだからやらないほうが良い。
 ソープ嬢と物見遊山だけの店外デートをするのは、デートしている時に女に笑顔が満開であっても、全く意義が乏しい。
 なお、本指名をしっかり入れているなら嬢は感謝するのが普通で、そこで物見遊山の店外デートに応じさせるのは比較的簡単だろうが、店のセックスでプロの女を心底楽しませている確信がないのなら、(1月に6本の本指名を入れるようなリピーターでない限り)店外デートを申し出るのは極めて不遜な行為だろう。まあ、セックスで楽しませていると思ってもフェイクがとても多いが。
 私はこのサイトでソープ嬢と店外デートすることを望むなと書いている。
 ソープ嬢の店外デートは、指名をつなぐための仕方なしの気持ちがあって、そこそこの対価を得るというのが通常の形態だ。自然な感情で店外にて逢うというケースが先ずないから否定的に書いているだけだ。
 しかし、これは相手が店の外で逢うことを好意的に受け止めている時は例外になる。好意的に受け止めているとは、本指名を維持するための義務感を上回る好感を寄せられていることが前提だ。
 まあこの条件は(この子は俺に好意を抱いているぞ)と勝手に思いたがる男が多いから問題はある。『好意的に受け止めている』ことについて客観的な傍証がいくつかないと駄目だと言いたい。該当するならラブホテルへ突入すべきだろう。対価はあっても高額ではあってはならない。
 それで、ソープ嬢との私の楽しい逢瀬の想い出を綴ろう。
 逢瀬 1
 B女──買春メモ9 '09/8/4 に登場する。(この頃はB女がソープ嬢とは知らなかったかな)
 私がファックありの店外デートをするのは、店では充分にはやりにくいことをしたくて、相手に協力する気持ちがある時だ。具体的には、撮影(店では照明が不充分)、映画など共通の趣味を2人で楽しんだ後のファック、浣腸、こんなところだ。
 B女には前に会った時、「キミの素敵な体を是非ともカメラに収めたいんだがねえ」と言ってあった。とにかく目を瞠るスタイルだ。
 B女からメールが来て、長文の近況報告の後「××日はおヒマですか?」と書いてきた。私は「おもしろい話が聞けたらうれしいです。 165cm、全裸の姿がカメラに収められたら楽しいなぁ、といつも思っていたんですけれどね。とにかく 165クラスは生涯すごい憧れだから」と返信した。
 返しは「お小遣い程度で店外営業でもいいですが」で、お小遣いの額を打診して了解を得ると、久しぶりに命の洗濯ができることを喜んだ。
 当日ラブホテルのfelice(名古屋駅近く)に入り、待合室に向かうとB女が既に待っていた。車で遠くから来たので、時間に余裕を見たからだ。
 feliceはよく知っているので、たった1つの空き部屋が窓から外光が全く入らない部屋だとわかってがっかりした。
 部屋に入ってから、B女の立ち振る舞いが全く手慣れたものだった。堂々として全くプロの女の貫禄だ。もう会話が矢継ぎ早に続く。とにかくB女はSMクラブ、AV出演を含めていくつかのセックス稼業を経験しているし、その間堅い職業も複数やり、出たソープ店は私が驚くほどの数だ。
 好奇心が極めて旺盛で、何でもやってみるタイプ、喋り好きで、人の世話も良くし、交友関係がものすごく広い。私とは全く別世界の人間でとても興味深い。話題がどんどん広がる。
 私はスマホを持っていないので、B女のスマホで良性記を出させて、スマホ対応のサイトをどのようにするかまで及んだ。
 私が「レビトラ10では効き目が悪くなったけれど、老人で小柄だから20は体に良くないし…」と言うと、「私のお客さんは20を使う人ばかりよ。全然心配ない。20をそのまま使いなさいよ」とまでのたまう。
 相当な時間喋り込んだ。私がソープ業界の情報や性的な話を大好物としているからやむを得ない。
 1時間以上過ぎたところで撮影を確認すると、顔が隠されれば良いと言うから、着衣の姿や下着姿を撮影してから2人が裸になった。
 裸体も股間の写真も撮った。後で確かめると、フラッシュを発光させずに撮った写真はかなり不満足の出来栄えだったが、撮っている最中はそんなことに気づかず、発光ありの写真が数枚しかないのが返す返すも残念だった。
 満足するまでB女にいろいろポーズをとらせてシャッターを押した。
 そして、一戦を開始したが、実に勃起が中途半端で終始した。私は相当気落ちしたまま腰を送った。勃ちが悪いだけでなく、放銃する気配が全くなかった。長く喋り込んだことと、B女の意外な実像(=ド迫力)にたじたじして、性的亢奮が最高潮に至らなかった。
 それでもB女は途中で長くフェラチオした。それでまた合体したけれど、完全勃起に至らぬまま抽送していた。B女は中イキ体質で、クリイキすると中イキができない。クリイキさせぬまま、いじけ模様のチンボでもこもこやったけれど、それでは中イキはさせられない。
 諦めてB女にHand-Jobを頼み、かなり時間をかけた後私は刹那の昂揚を得た。
 不思議だったのは、B女は長身で、ファック稼業も長いのに、完全充血していないペニスでバギナがやけに狭く、しっかり咥え込まれているように感じたことだ。みっともないセックスをしたから、そんな感想は言わなかった。
 B女は「まだ時間がたっぷりあるから(予定は11時〜16時)、もう1回しようね」と言ったけれど、「無理だよー」と答えるほかなかった。
 その後、手コキにローションを使ったから入浴して洗い落とし、また、話にのめり込んだ。金津園の店の裏話をたくさん聞いた。良性記に書けないことばかりだ。
 精力の衰えを嘆くと、オナニーを頑張って回数を増やすように勧められた。B女の常連客は65歳を超えていても自慰の回数が多いそうだ。
 喋りながら私はいつの間にか亀頭をこすりだし、気がつくとカチンカチンになっていた。それまで全くなかった張りだ。
「嵌めたい!」と言うと、B女が笑顔を返した。
 実にしっかりしたピストン運動ができた。私は体位をいろいろ試み(要約すれば、L字型→重ね餅型)、最後はB女の好む恥骨押し当てスタイルで頑張った。押しつけと横ゆらしだ。
 中イキさせることができて本当に嬉しかった。秘めやかな喘ぎ声が高まっていくのが耳に残った。
 そう言えば前回(2009年08月)は腰の送りが忙しすぎて気持ちよくなれないと指摘された。早くスラストさせないと(初対面の緊張があって)縮んでしまうと説明したいのをこらえたのを思い出した。
 その後も話し込んだ。
 一番印象的なのは、「貴方のチンコは決して小さくないのよ。特に根元のほうはかなり太いわ」という指摘から始まった。私がサイズを愚痴ったことがきっかけだ。
 B女が言うにはゴムのMサイズでは外れそうになる客が結構いて、「貴方のはMサイズではきついぐらいよ。貴方はいつもゴムを着けないからそういうことがわからないだろうけれど」と言った。
「昔金津園でゴムを着けてガバガバだったことがあって、もう悲しんだよ。ほんと、ゴム恐怖症だ」
「じゃあ、証明してあげる」
 B女は立ち上がってベッドサイドのコンドームを取り出し、口に咥えて、チンボに被せた。
「ほらっ、きついでしょ」
 ペニスを嵌めこむとき、前戯無しだからカリに唾を塗ろうとしたら、B女がつけ根のほうを唾で濡らすように求めたのを思い出した。
 私は自分の勃起ペニスを上からしか眺めていない。いつも形の良いペニスだなと思っている。先が充分膨らみ、亀頭冠から根元まで左右のラインが綺麗に平行だ。
 根元が太いと言われて、どういうことかと怪訝だったが、自分のハメ撮り画像で勃起物を横から撮ったものは、棹の中ほどから根元までが妙に膨らんで、膨らみが顕著なはずのカリ首がやけにすぼんで見えた。
 全く意外で、(存外不格好だな)と思い、美形ペニスが台無しになっていると感じたのを思い出した。そういう時は(たまたま先のほうが完全に充血していない状態なんだな)と取り繕う思考をしていた。
 要するに、棹の断面で考えれば、カリ溝近くでは円形でも、そこからつけ根にかけては楕円形なのだ。それで、上から見るとよく張ったカリ首に見えても、真横から見ると先細りに見えてちゃちな感じになる。自分のことは60歳もとうに過ぎてからわかることがあるのだ。
 B女はコンドームがしっかり被さるためにはペニスが太いことが大切で、太さが足りない男が結構いると強調した。今はNSで接客しているいるが、もともとゴム着で接客していたようだ。
 おたんこなすは御短小茄子。短小認定による罵倒言葉で、吉原遊郭で発祥した野暮な客を罵る言葉のおたんちん(御短ちん?)も同種かも知れない。共に「馬鹿!」というのと同じ用い方をするが、源は男に一番ぐさりと来させる貶しだ。
 私は自分のペニスが小ぶりであるという意識をずーっと引きずっていたが、B女の指摘で何やら爽快な気分になって、また撮影を所望した。
 昔嵌めるや否や「大きい!」と言われて(ご冗談を)と思い、その数年後また同じことを言われて、(どういうことやねん?)と怪訝だった。そんなことが突然蘇った。
 クリトリスの皮を剥いた中身と尻穴を接近の観察もし、恥毛の処理も毛穴確認までして、楽しい店外デートが終わった。会話が豊かで、色白すらり体型の女と5時間も一緒に過ごすのは全く無上の極楽だ。
 それにしても補助光なしの室内撮影では、B女の色白美肌が全く目立たない。
 逢瀬 2
 琴音──この作品の随所に登場するソープ嬢。
 私は琴音に「映画を観にいかない?」と数ヶ月前に要請した。「浣腸して写真に撮りたいな」とも申し入れた。それで、その後お互いの日程がなかなか合わないまま数ヶ月経った。あまりに日程が合わないから私は内心(琴音はそんなに乗り気ではないのかなぁ?)と心配した。
 ところが、琴音がメールで2週間以上先の店を休みにする日取りを示して、「(この日にちで)何か良い映画があるかな?」と聞いてきた。
 開いている日で私は大喜びした。琴音は長い時間私につきあえるという感触だった。ミッドランドスクエアシネマの公開予定がなかなか出なかったので行動予定を決められなかったけれど、22日になってようやく行動案が決められた。
 私は次の案で琴音に打診した。
 (第1案)27日に【名古屋のホテル→映画・某作品】…(28日も可)
 (第2案)28日に【岐阜のホテル→岐阜城行楽】………(天気予報では27─雨、28─晴)
 これに次を補足した。
「僕は金華山には何度も行っているから映画のほうが良いけれど、キミが岐阜城を是非見たいならつきあっても良いよ。まあ、岐阜でお金を稼がせてもらっているから、岐阜城ぐらい1度は行っておくものだと思うしねぇ」
 多分映画で来ると思っていたら、琴音は岐阜城を望んだ。
 私は琴音に「歩きやすい服装と靴を用意してね」と指示した後次のように連絡した。
じゃあ、28日 名鉄新岐阜駅の一番大きな改札口(2階だったかな?)の前で
10:30くらいで!!!
店のローションをかっぱらっておいてね。
 ローションは2人の性技では絶対に必要で、アナルセックス、前立腺マッサージ、ロングランの手こき、こういったものを楽しく行うためにはラブホテルに備わるちゃちなものではだめだ。
 琴音が「ホテルはだいしょうぶ?」と心配した。私は次の検索で調べた。
岐阜 ラブホテル
 いろいろあったが、新岐阜駅徒歩10分のドルフィンリゾートに決めた。
 2chの『◎岐阜のラブホ◎』スレは書き込みが乏しくて参考にはならなかった。
岐阜金華山 登山ルート
 七曲り、百曲り、馬の背(健脚向け)、めい想の小径等のルートを確かめた。
 前日にこれだけのことが居ながらにして調べられて、便利な世の中になったものだとつくづく思った。その夜は気持ちが高まってなかなか寝付けず、しかも、朝は3時に目が覚めてしまい、全く往生した。
 トップページの末尾に示した通り、前々日の2012年11月26日は独自ドメインのryoseiki.jpに初めてアクセスが入った記念の日だ。完全に無職となって5年目だが、何かと気分が高揚しまくることばかりだった。
 当日28日の朝メールを確認すると前日にメールが入っていた。前日には見ていないから、携帯からのメールは受信処理がかなり遅いとわかる。
11月27日 22:16
××さんこんばんわぁ
私も楽しみ♪ 晴れるといいね(o^−^o)
 もう1通が次だ。
11月27日 22:29
三越 ライオン前にたぶん着いた(o^−^o)
マスクしてます。
 私は22時29分のメールに驚いた。28日の午前10時半の待ち合わせを27日の午後10時半と間違えられたのかとびっくりした。
 しかし、三越は名古屋だ。琴音は私と会う日の前日の夜中に、名古屋から少し遠い自宅からわざわざ名古屋まで出てきて、一体誰と待ち合わせしているのか。文面の書き方と会う時間から見て相手が男である確率は高そうだ。
 いささか憂鬱になった。琴音はプライベートで肉体関係が現在進行形の男は先ずないと思っていた。客の私とラブホテルに行くぐらいだから、私以外にそういう客がいても不思議ではない。しかし、よりによって前日とはひどすぎる。でも、午後10時半に待ち合わせてラブホテルに行くだろうか。文面も年齢の近い相手の感じがしないでもない。
 いろいろ思い乱れると、琴音がメールの誤発信をしたのが腹立たしいし、また、馬鹿なミスをして興味深い情報をもたらしてくれたとも思う。
 とにかくいろいろ思いを巡らした後、私はこの件について琴音に訊くのはラブホテルのエッチの後にしようと思った。

 当日待ち合わせ時刻の少し前に琴音と会い、そこから徒歩10分というドルフィンリゾートに向かった。
 道々琴音は快活に語りかけ楽しそうにしていた。親密感たっぷりに振る舞うから、私は気が変わった。誤発信メールについて今質問しても気持ちが崩れるようなトラブルにはならないだろうと考えた。
 三越での待ち合わせのことについて聞くと琴音はしまったという顔をした。しかし、誤発信したことをそこで知った様子の割には狼狽え方が軽いので、それなら詳しく聞いてやろうと思った。まあ、狼狽ぶりが激しいなら問い質したところでお互いに不快感や気まずさが出てくるだけだ。
 聞き出したのは、客ではない、年の近い男友達だ、前から食事をおごってもらう約束だった、セックスはしていない、帰宅して就寝は2時になった───ということで、それほど嘘が入っていないように思えた。私自身、琴音がその男と恋仲であろうがなかろうがそんなことはどうでも良い。全裸の琴音が私を楽しませてくれれば良いのだ。
 現に琴音は私と一緒にラブホテルに入ろうとしているし、殆ど丸1日つきあおうとしている。全く不満はない。昨日の相手が客でなければかまわない。
 遠回りしたわけでもないが20分かかってドルフィンリゾートに着いた。周りにはラブホテルや連れ込み宿が数多くあるから驚いた。
 ドルフィンリゾートはいつも名古屋で使っているラブホテルと比べればかなり格落ちの感じだが、部屋が広くてそれほど不満は感じなかった。ベッドもかなり大きかった。
 湯を張るのにかなり時間がかかりそうだからしばらくお喋りした。琴音がローションを忘れたので、ホテルのローションを確認した。
 ようやく湯が溜まって、2人で風呂に浸かった。何度見ても琴音の肉体は女の魅力が充満している。色白で、乳房が少し豊かで、しっかりウエストが括れている。女の体型にうるさい私の目からでも合格だ。もちろん器量も良い。性格は慎ましい。
「いつも(店で)はおっぱい、さわらないのに」
 私が後抱きして乳首を弄うと、琴音が言った。
 風呂から出るとカメラを三脚に取り付けた。全裸の2人が並んでベッドに腰かけているポーズの写真をセルフタイマーで撮った。次はキスシーンとフェラのシーンだ。
 撮影を終えてから私は琴音に言った。
「浣腸、良いだろう?」
「えっ」
「何だよ、覚悟決めていたんだろ? ウンコは昨日出したの? それとも今朝?」
「昨日」
「じゃあ、今日出さねば」
「うん」
 私はバッグからイチジク浣腸(2個入り)を取り出した。
「1つ余るんでしょ。頂戴ね」
 琴音は便秘の体質だ。
 琴音が早速ベッドの上で四つん這いになった。陰部を見ると割れ目の一番上の内側、要するに、膣口の近くがはっきり潤んでいた。私は水気を嬉しがりながら肛門を舐めた。差し込み口を濡らしてやった。イチジク浣腸は一気に入れ込んだ。
 琴音がトイレに入った。私はデジカメを持ってつき従い、撮影にかかった。
 尻穴からウンコがにょっこり顔を出しているのが撮れた後、ミンチボールのような形の便が4つ落ちた。
 琴音がシャワーを使った後本格的に絡みを始めた。クンニ→69→ノーマル性交(正上位→後背位)→アナル性交(正上位→女上跨位)→69→アナル性交(正上位)→ノーマル性交→終了の経過だ。たっぷり時間を使ったから第2戦はしなかった。
 琴音のセックス面は、イケる体質ではないのが欠点で、アナルセックスに応じられるのが美質だ。抽送やクンニやクリトリス攻めでイケないけれども、抽送時の反応はなかなか楽しいものがある。アナルセックスは先に浣腸しているから何となく安心感があってなかなか結構だった。
 2人が絡む時間は長く、ずーっとテレビにポルノを映したままでラブプレイをしていた。
 画面にパイズリシーンが出た時、琴音はAV女優が乳房の下の付け根に亀頭を摺り合わせるのを見て、「ああいうやり方があるのね」と感心していた。
 男優のペニスも2人でいろいろ批評した。
 とっても痩せこけた男がやけに太いペニスだったので、琴音が「痩せている人のものがあんなに太いなんて、へん!」と驚いた。私も同感だ。
 それこそ20cmを超えていそうなペニスの男が出たから、「おい、あれは僕のチンコの2倍ぐらいあるぜ。すごい」と驚くと、琴音が「もっとあるんじゃない!」と返した。4年のソープ経験でそのクラスのペニスには1人だけ会ったそうだ。
 11時にホテルに入り、出たのは12時半だ。ホテルから柳ヶ瀬が近いので少し繁華街を歩いた。昼食は柳ヶ瀬の寿司屋にした。
 琴音は何年も金津園で働いているのに岐阜の繁華街を歩いたことが殆どない。風俗嬢がドレスを買うのによく利用する店に行くことがあるぐらいで、その店は新岐阜駅からそんなに離れてはいない。だから、琴音は私と手をつないで楽しそうに歩いていた。
 バスで岐阜公園に向かった。以前なら絶対にタクシーを使うが、年金暮らしではバスを使うのが正しい。琴音もそんなことで私をケチと認定しない性格だ。
 琴音は名和昆虫館も歴史博物館も興味はないと言い、もともと「(ロープウェイを使わずに)登りましょう」と言っていた岐阜城を麓から仰いで、「うわー、こんなの登るの!」と怯んだ。琴音の靴が、急坂の下り道には多分無理そうだが、登り道に耐えられるものだったので、私は登山を勧めた。
 結局百曲りルートを登って、七曲りルートで下りることにした。私自身は金華山登山に少し不安があったが、完全に運動不足の体にはやはりとても応える山登りだった。
 私は健脚向けの馬の背ルートで3回登ったことがある。その他小学生の時に遠足できたことがあるがこれは多分七曲りルートを使ったのだろう。
 百曲りルートも殆ど直登で馬の背ルート並の急坂が連続する。若い頃なら休憩は3回以内で登り切ったと思うが、結局7回も足を止めてしまった。
 琴音は殆ど観光・行楽に縁がなかったので、この登山に驚いた。事前に知り合いに「簡単に1時間ぐらいで登れる」などと聞いていたから情報のいい加減さにあきれた。
 晴れていたから琴音も城からの眺めの良さに感動していた。下りの七曲りルートは軽い下りがずーっと続き、琴音は私と腕を組んだままで歩いた。始終会話して楽しい散歩になった。
 金華山は所定の場所以外は禁煙ということらしいが、登山道路に全く吸い殻が落ちてなかった。日本人の公徳心の篤さに感心した。
 はっきり時刻を覚えていないが、登りはじめが午後1時半で、麓まで下りたのが4時過ぎだった。
 新岐阜駅まで戻り、近くの喫茶店でゆっくりした。琴音にデジカメを渡すと、液晶モニターに排便シーンが出たところで見るのをやめた。
 琴音が「お小遣い」と言うので3万円渡した。そのつもりで用意はしてあった。まあ、価値は10万円あったと思う。
 帰宅すると「楽しかった」という趣旨のメールが入っていた。

 翌日琴音からメールが届き、これを見てびっくりした。
11月29日
××さんこんにちわぁ(^-^)
突然ごめんなさい(;_;)
こんなメール絶対したくなかったんだけど…どうにもならなくて(T-T)
お金貸してもらえませんか?
 私はソープ嬢に借金を頼まれて引き受けるような甘い人間ではない。これまで人にこれを頼まれてOKしたことは友人、親戚、遊び相手を問わず一切ない。当然はっきり断るとともに、たしなめの一文を入れておいた。
 それにしても琴音がこんなことを私に申し入れるなんて思いもよらなかった。性格からは信じられない。真面目な人間なのだ。私の気落ちは激しかった。1千万円ほどの借金ができて業界入りしたと聞いた。サラ金はすぐに借金が膨らむから、これぐらいの負債で業界入りした女はいくらでもいる。
 琴音には前科がある。客と金銭問題でトラブルになったことがあるのだ。それを知って以前琴音に聞いたが、私が納得できる回答はなかった。琴音はそこそこ稼いでいるのにお金が必要になるということが私には理解できない。
 3日真面目に働けば間違いなく30万円は稼げる。だから、足りないお金は百万円単位だろうと思ったが、どうしてそんなお金が要るのか不思議でならなかった。そのうちに琴音から詫びのメールが入った。
(前略)
収入あるはずなのにお金が足りないのはおかしいよね<(_ _;)>
計画性が足りないんだな(TT)
 琴音に入浴するのをやめる潮時だが、もったいなさ過ぎる。

 私は1947年生まれだが、2008年以前はラブホテルに入った経験がなかった。知らないどころか、淫靡と不倫の巣窟と考え、邪悪視した。だからこそ今振り返ると、2009年から2015年まで毎月のようにラブホテルに入ったのは何という素晴らしい人生だったかと思う。ラブホテルでの痴態は記憶に焼き付いている。
 私がファック動画を観た数は相当なもので、エロ心をしっかり育てたから、ラブホテルの絡みはただペニスをバギナにインサートするだけではなく、相当に淫らがましいシーンだ。僅かながら動画も撮っていて、見返すと実に懐かしい。
 2016年以降はラブホテルに行くどころか、難聴が進んだせいで、家族親族以外の人間とは会話らしい会話をしていない。2017年に至っては、所得の減少により買春活動を殆どしていない。
 こうなると、人生の落日感が凄まじい。
 それにしてもラブホテルで淫靡なことをやり尽くして、長い時間過ごすのは本当に楽しい。世の中にはラブホテルに入っても1時間ぐらいで出てしまう人が多いようだ。1時間や2時間で一体どう愉しむのか。私は2時間以上平均して3時間は過ごす。その長い時間しっかり性的な絡みをするのが実に極楽だ。
 で、最後にラブホテルを利用したことのある男性に、ホテルで次を経験したか尋ねたい。
 (1) 浴室で合体したことがあるか。
 (2) 脱衣室(←大きな鏡がある)で性的行為をしたことがあるか。
 (3) 浣腸してウンコ出しを観たことがあるか。
 (4) 部屋でハメ撮りをしたことがあるか。
 (5) 2時間以上そこにいるのが通例か。
 (6) 部屋の床で絡み合ったことがあるか。
 (7) 部屋のソファーで絡み合ったことがあるか。
 (8) 照明全開で絡み合うのが通例か。
 (9) 両者立位で絡み合ったことがあるか。
 (10)部屋の床で絡み合ったことがあるか。
 (11)そこでアナルセックスをしたことがあるか。
 (12)ベッドによる段差を活用して床上床下男上前位でかかったことがあるか。
 (13)部屋のテレビに性交動画をつけっぱなしにして絡み合うのが通例か。
 (14)女性の愛液でシーツが汚れるのが通例か。
 (15)互いに全裸で30分以上性行為するのが通例か。
 私は全部がYesだが、15項目のうち10項目は該当させたいと思う。まあ、ラブホテルでは広いベッドの真ん中でいつも盛るようではエロさと面白味に欠けるだろう。
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(千戸拾倍 著)