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ソープ新人嬢を考える

 古いことだが、平成13年に金津園のクラブ美人という行きつけの店で初対面の入浴をした。
 私はベテランの嬢が良くて、いつもは、業界入りして半年経っていない嬢を敬遠していた。その時ベテラン嬢は太めの女しか空いてなかった。何しろ私が最重要とするのは女がスレンダーであることだから、新人嬢で、かつ、写真のお顔に(うんにゃ!)と思っても、体型のスリムさからナナミを選んだ。
 ナナミと対面すると、ナナミはエレベーターの中ではっきりした笑顔で迎えず、キスも迫らなかった。自分からうちとけようとする姿勢ではなかった。
 クラブ美人に限らず、トキハやすずめの宿など艶グループの嬢は皆能動的で親愛的な所作により男の気をそそることをしっかり指導されて、殆どが顔を合わせるや私にキスを求めたから、ナナミが積極的に迫ってこないことは少し引っかかった。
 まあ、アルバムで素人ニューフェースと紹介されているから、初対面ではキスがなくてもしょうがない。
 残念なことに、ナナミは部屋に入ってもそれほど愛想良く喋りかけない。これは接客なれしていないというよりは、うち解けにくい性格なんだろうと思った。
 ナナミはエレベーターの中でキスをしないかわりに私の手を握った。それは結構な所作だけれど、その時さほど表情を変えずにちょっとした言葉を添えた程度だから、私の手を握る媚態が手のぬくもりの割には、単にマニュアルに従っただけで気持ちがちっとも籠っていないと感じた。
 キスがないことからナナミに少しマイナスの観察をしたとはいえ、アルバムで、身長 163、バスト85、ウエスト56となっていて、その背丈でウエストが56cmなのは、私には願ったりかなったりの、ペニスから先走りが流れてやまなくなる素晴らしいスタイルだ。
 でも、ドレスから覗く胸元はかなりふくらみが乏しくて、バスト85もありえない。もっとも、そのことは私は全然気にしないから、ウエストの括れたドレス姿を見て性的意欲が膨らんだ。
 ソファに座ってから、私はナナミの立ち姿をあらためて鑑賞し、体型の良いのを褒めた。
 すると、ナナミは私の側ににじり寄り、「ちっちゃなお乳で、ごめんね」と言った。
 言っていることは愛想と気配りが良さそうでも、笑顔が充分に伴っておらず、抑揚をつけてチャーミングに発声したのでもないから、雰囲気に捨て鉢の感があった。
 私はいつものようにさっさと服を脱いだ。すると、ナナミが「そんなに急かさないでよ」と言った。
 それほど非難した口調ではないけれど、それまでの雰囲気から、マイペース型の女だと感じた。笑みを浮かべて言ったわけではないから、ナナミに対するマイナス思考が膨らむのは仕方がない。
 ナナミは両手で私のパンツをおろす心遣いを見せた。私にブラジャーとパンティを剥ぎとらせもした。さあ、お願いねとばかりに背を向ける仕草はそれまでと違ってまあまあ雰囲気があった。
 その後ろ姿は、ウエストが括れ、尻がフワーと広がるから、実に意欲が湧く体型だ。ウエストが58cm以下であることは間違いないから、私はにんまりした。というか、意欲をかきたてねば、と思った。
 入店して3ヶ月経って、即尺はそれなりに大胆だった。しかし、私にはカリ首への唇の圧迫が弱くて、全然物足らなかった。しかも、咥えている時間が短くて、すぐに口を外してベッドに誘われた。
 私がベッドの横に立つと、「どうぞ寝てください」という指示的流れだ。「貴方はどうなさりたいの?」と希望を確かめるムーディな問いかけがない。さすが新人だ。
 初対面だからとにかくナナミの言うままにベッドに仰向けになった。すると、ナナミは私から離れて壁際に行き、部屋の明かりをグーンと下げた。私は明るいのが大好きでも、消灯をとめられる雰囲気ではない。
 部屋が暗くなったから、私はガッカリした。それに、私を素っ裸で寝させておいて私から離れるのは、何だか治療を受けるような雰囲気だ。要するに、どう考えても手順前後。
 ナナミは、気をそそるような言葉をかけることもなく、またフェラチオを始めた。
 こういうのは勃起支援作業としか表現できない。ナナミは熱心にフェラチオしているつもりだろうけれど、私には無味乾燥と感じられるほどだ。
 私は今ひとつ情欲が満ちず、勃ちが悪かった。でも、なんといっても即尺だから、私はナナミの唇の感触に集中して自分の亢奮を煽った。
 ナナミは合体のタイミングを計っていたようで、充血度合いがこれぐらいで良かろうと思ったところで、背を向けて女上背膝位になった。これは逆茶臼と言って、女が背を向けて膝をつき上下動を行うものだ。
 初対面ではいきなり背を向けて交わるものではないぞよ、教えられ方が間違っている!、と私は思った。
 例えば、「私の好きなやり方で良い?」とチャーミングに言葉をかけてこの体位になるなら、私の受け止め方は全く変わるだろう。
 ナナミの腰の使い方は、上下動ではなくて前後に揺する動かし方で、これまで体験したことのない不思議な接触感だった。
 上体を私の足の方に傾けて腰を前後に揺するのだが、バギナの包み込み具合が良くて、しかも、大陰唇が陰嚢を揉むようにマッサージしてくれる。金的の前側とペニスの付け根になかなか不思議な感触があって、その腰の揺らし方は、ファックが大変手なれている感じがした。
 射精しそうになる前に、私はクンニリングスをしたいと申し出た。
 クンニリングスにかかって驚いた。ナナミは、私の舐めにいきなりウハーンという感じで反応した。大変立派な感度だ。私はしめたとばかりに、クリトリスの刺激に励んだ。
 ナナミは、私が彼女の腰にあてがっている腕を片手でさすり続け、顎を突き出して、完全に表情を崩してよがった。時には小刻みに体を震わせ、喘ぎ声を延々と洩らし続けた。
 そのうちに、ナナミに不随意的な動きがあった。ナナミがそれらしい声も上げずにイッたところで、バギナに指を入れた。ナナミは指入れを拒まなかった。
 シーツはそれほど濡らさなかったけれど、バギナの中がよく濡れていた。
 明らかに達した後なのに、ナナミは指ピストンにも、躯をよじらせて濃厚な反応を返した。私はナナミのよがる様にそそられ、またクンニリングスにかかった。
 ナナミがMの字に両足を開いたままにしているから、私はクリトリスに吸いついたまま遠慮なくバギナの中で中指を動かした。
 たっぷりイタズラをして、その間ナナミに胸を反らせる頂点が何度もあった。久し振りの、見事なマルチオーガズム体質だ。
 ナナミがもう完全にノックアウトの風情なので、陰部の愛撫をやめて乳房を吸ってみた。これにも、ナナミはウワーンという感じで明瞭に悶えた。乳房でそんなに反応するのは珍しい。
 それで、アナルのほうはどうだろうかと思って、マン汁を塗りつけて指を入れてみたら、これも、はっきりとした快感反応を示した。
 これだけ高感度であれば、私は最高潮に亢奮するはずだけれど、何故か亢奮度合いが今一歩だった。
 それは、ナナミが──(1) スタイルは良いけれど器量が今一歩だった (2) 全体に素っ気なくて(例えば対戦終了後、貴方には溶かされましたわ、という甘いムードが全くなかった)、笑顔もあまり見せず、もう一つ応対ぶりに潤いがなかった──からだろう。
 とにかく笑顔と嬌声が乏しい女は感動できない。
 私が観察したことは次の通りだ。

1.スタイル
 163cmmの身長で ウエスト56cmは本当かと思ったけれど、まさしくその通りの素晴らしいカーブだった。
 ナナミは、アルバムに自己紹介を書かされたとき、バスト78と書いたら店長に叱られて85に直させられたと説明した。いわゆる貧乳でも、乳房が未発達なことを気にしない私には最上級のプロポーションだ。
2.経歴の説明
 どこか取っつきにくいというか堅そうな感じなのに、私の質問に対しては、生まれ故郷、育った場所、クラブ美人が風俗稼業の初体験であること、高校を出て普通の仕事をしていて、26歳と遅い年齢でこの業界に入ったことなどきちんと説明した。
 素人っぽい髪型だけに、顔立ちは、26歳よりは若く見えた。
3.講 習
 講習はベテランの女3人に指導された。私はそのベテラン嬢の一人ミナミ過激店の女3に登場)に入浴しているので、ナナミが教えられたとおりにこなしているのがよくわかった。
 教えられたとおりやっている実例が次だ。
(1) 即尺の入り方…バスタオルを私の陰毛に被せてペニスを咥える。
(2) マットプレイ…手順も躯の動かし方もベテラン嬢のやり方の通りである。
(3) 壺洗い…………足の親指までバギナに入れる。
(4) タオル敷き……マットプレイで私を仰向けにした時、滑り止めに腰の下にタオルを敷く。
4.休みの取り方
 テーブルの上にあった名刺を取って裏に記載の出勤カレンダー表を見ると、ナナミは二勤二休のペースで、めずらしく日曜日に休みを入れていた
5.教養と常識
 最初ナナミがセミヌードの姿になった時に、私は、ナナミの腰のラインにカーブがついて素晴らしいことを褒めた。すると、ナナミはカーブがわからなかった。
 出勤カレンダー表を見て、「二勤二休だね」と言うと、二勤二休の意味がわからなかった。
 マットが終わって雑談している時に、手マンコとか恥垢とか会陰とか陰阜とか講習とかカリ首とかザーメンのゴックンドリンクとか、普通金津園の女が知っているような特殊な言葉も日常の普通の言葉も、ナナミはかなり理解できなかった。
 ナナミとの会話は話がつかえることが多く、うち解けようとする流れが中断してしまうようなところがあった。私が会った女の中では最も日本語を知らなかった。
 プレイが終わって、最後にイソジンでうがいをしたとき、うがい後にナナミが湯を差し出さなかった。
 私が湯を求めると、ナナミは、何故そんな要求をするの、という雰囲気で訝しがった。
「イソジンでうがいさせた後、いつも、湯で口をゆすがせていないのかい?」と聞くと頷き、「私はイソジンでうがいした後口をゆすいだこと、ないし、お客さんにもそんなこと、言われたこと、ない」と言った。
 私が「ヘルスでもソープでも必ず湯を差し出すものだよ。後味が残るし、イソジンはとにかく強力な殺菌力があって、これがのどの奥に残っていると咳が出る人もいるのだから」と言うと驚いていた。
6.生 活
 ナナミが出身地とは離れた金津園で働き、しかも、日曜日に休みを入れていることから、「両親は健在で、親に内緒で働いているんだろう?」と聞くと頷いた。
7.快 感
 ナナミにクンニリングスの感想を尋ねると、「イキっぱなしだった」と答えた。
 オナニー経験について尋ねると、全くないと言った。これだけ感度が良くてもオナニー経験がないのが本当に不思議だ。
 それで、初めてイクことを知ったのは何時かと聞いたら、この店に来てからだと答えるから驚いた。
 客に舐めが上手な男がいて、グーンと盛り上がったところで比較的長い抽送をされて、結局全身の力が抜けて動けない状態になったそうだ。
 初めてのエクスタシーをペニスのピストン運動で得たと言った女は、ナナミが初めてだ。
8.おまんφ
 ナナミに会ったのは月曜日の6時台。その時刻で私がその日の初めての客だから驚いた。その結果、即ベッドでクンニリングスすると、おまんφが大変人間くさかった。
 おまんφは、内部構造はかなりよし、外形は平凡、クリトリスが小さい。
9.総合感想
 尋ねれば何でも話して、性的感度も大変良好だった。性感度だけで見れば、私が対戦した女の中では5本の指に入るだろう。しかし、何故か私はあまり亢奮できなかった。
 情緒が乏しいということなのだろう。教えられたことはきっちりとするけれど、それ以外のことには想いを巡らさないタイプだ。

 艶グループは嬢に対する作法指導が徹底している。ナナミは、教わったことは教わった通りに進めたいという態度で、一方私は艶グループの定型的やり方とは違ったことを嬢にさせたい熟達客だ。だから、ナナミは私を相手にして戸惑うことが多かった。
 私が、「プレイはお客さんの希望に合わせることも大切だよ」と言うと、鳩が鉄砲を喰らったような顔をしていた。
 雑談の途中でナナミの出勤カレンダーカードを取って、二勤二休を確かめた後、それを元に戻さずにテーブルの上に置いた。
 遊びが終わって服を着るところで、ナナミは、テーブルの上のカードを黙ってケースにしまおうとした。
 イキっ放しになるほどセックスを楽しみ、会話も弾んでおれば、カード(名刺)については「お持ちになりますか?」と尋ねるのが大部分の女の態度だろう。
 そう言わないことが、ナナミはマイペース型というか固定観念というか応用力のないことの象徴だ。
 私は何かにつけてナナミの思惑とは違った行動をしたようで、ナナミは散々戸惑ったに違いない。
 ナナミはいわゆるヤンキーそのままで、私はナナミをあんまり評価できなかった。(但し、その内心を対面中に面には全然出さなかったつもりだ)
 しかし、ナナミが笑顔をあまり見せなくても、私の突っ込んだ会話にきちんと付きあったことから私に好感を抱いたことは間違いないと思うし、相当なマルチオーガズムの体質であることから、初会の印象はしっかり残った。
 ナナミはその後結構ファンがついたようだ。客とのセックスで中イキができるなら、チンコピストンが自慢の男が常連になるだろう。
 私はナナミについて最初に「これは接客なれしていないというよりは、うち解けにくい性格なんだろうと思った」と書いたが、今振り返るとやはり男になれていなくて、恐る恐るの心だと思わざるを得ない。

 私はナナミに会った平成13年以降も新人嬢にはあまり入浴しなかったけれど、平成19年から業界入り半年以内の嬢をよく相方にするようになった。
 勃起の確実さが増したことにより、コギャル嫌いから、コギャルを私のソープ知識の深さや情熱の性技で驚かすのを楽しむようになった。
 それで、ソープの新人嬢について考えてみる。
 嬢は業界入り前の仕事と呼応して新人の頃の振る舞い方が概ね次のようになる。
   前職    ソープの新人の頃の振る舞い方の特徴
ヘルス
(デリヘル、抜き系飲み屋など含む)
 客をさほど恐れず、男へのうちとけ方が上手。
 ペニスの手こきもフェラチオも上手い。
 自分の体を愛撫されることについて潔癖な態度であることがよくある。
 キスに情緒が乏しい傾向がある。
 男の底・限界がわかっていて、ある意味最初からしたたかなことがある。
 性処理屋の雰囲気が漂うことがある。
キャバクラ
(非抜き系)
 笑顔を出すこと、会話を進めること、キスをすること、この三つがとても上手い傾向がある。
 男の底・限界がわかっていて、ある意味最初からしたたかなことがある。
 指名を稼ぎたい意識が育っていることが多い。
 トークは嬌態たっぷりで、受け身で売る傾向がある。
売り子、事務員等
 堅気職業経由
 いかにも素人っぽいのが多くなる。業界入りの事情によりいろんなタイプがいるが、傾向としては、性技下手で、男への応対に硬さがある。
 落ちこぼれ意識で、取り組み姿勢がよくないことがある。
学生(→無職・アルバイト)
 →業界入り

看護師→業界入り
 浮かれ女系が多い。男好き。セックス好き。性経験豊富。
 性感度良し。指名を稼ぐ意識があまりない。自分のやりたいようにやる。
 いわば、借金により間違って業界入りしたのもいて、この手の嬢は大変『硬い』ことがある。
 店の売れっ子嬢を自分とは別の世界の人間視してしまうことがよくある。
 近頃はキャバクラ(非抜き系)嬢がソープにまわるのが多くなった。ヘルス嬢もキャバクラ嬢も男なれしているのは同じだが、後者のほうが性的なことに初々しさがあって、しかも、会話のパワーが良いから、過ごす時間が楽しいような気がする。
 私は昔はフェラチオが厳しくできるヘルス出身の女を好んで選んでいたが、キャバクラ出身の愉快な女に何人も巡り会うと考えを改めた。
 キャバクラで遊んだことはないけれど、元キャバクラ嬢の大勢をたくさん舐めて嵌めまくりわかったことがある。
(1) キャバクラは、美容院代・衣装代・化粧品代・交際費等コストが大きい。
(2) 仕事が仲間と一緒だから、アフターも仲間と付きあわされることが多くなり、交遊の金がかかる。
(3) その点ソープはアフターの交遊が少なく、必要経費も雲泥の差でかからない。
(4) キャバクラ→クラブというコースの女と、キャバクラ→ソープというコースの女との違いは、
  エロさ金銭欲の違いである。
 キャバクラ出身の女は男をそそのかす会話が本当に上手い。私が金津園で遊んだキャバクラ出身の嬢には、次の女がとても多かった。
(1) キャバクラ時代に売れっ子だった。
(2) 性的手法で売れっ子になったのではなかった。
(キャバクラで客に唇を許すことすらなく、同伴とアフターを盛んにしても体へのタッチを許さず)
(3) エッチ好きだ。
(4) キャバクラで充分稼いでいて (2)の態度だったのに売春に回るというのは、金稼ぎに貪欲だ。
 まあ、いろんなタイプの女がいて面白いと思う。
 ソープで働いて一家を支えているような女は客への応対やものの考え方がしっかりしていると感じる。軽い動機で入った女は仕事ぶりが悪く、重い動機で入った女は仕事ぶりがすごい傾向がある。

 ソープという一般人から見て相当とんでもないところで働くのは一体いかなる事情によるものだろうか。
 女がソープで働くようになった訳は客からすればかなり興味深い。
 以前私は、馴染みの嬢驚嘆の濃厚プレイの春菜)に、その知り合いの嬢の業界入りのわけを書いてもらったことがある。
 次がその一文だ。
☆1 子供の頃から美人でもてた。「なんとなく」ラクして稼げる仕事をしたくて、ソープへ。
 ちょっとやってすぐにやめるつもりだったが、店長とできてしまい、一緒の店は具合がわるいので系列店へ移籍。その後金津の店を転々としている。
☆2 結婚を機にキャバクラをやめたが、その後離婚。
 子供を二人抱えているから、まともに生活するにはソープしかないと考え、資格専門学校に通いながら金津で働いている。
☆3 小遣い稼ぎのためにヘルスとOLをかけ持ちしていて、結局ヘルス一本にする。
 金遣いが荒くなって、店長に「もっと稼ぐ手はないですかねえ」と何となく言ったら、知り合いのソープを紹介される。以後ズルズルとソープ稼業を続ける。
☆4 たまたま行ったホストクラブで、好きなホストができた。
 彼の歓心を得るには、店でたくさんお金を使うか、生活費やスーツ代の面倒を見なければならない。そこで、もっとお金を稼げるソープへ。
☆5 ホストクラブにはまる。ホストクラブではツケができて、遊び続けるうちにツケがたまった。
 支払える金額ではなく、店のホストにソープを紹介される。
(注)
 ホストクラブとソープとは裏でつながっていることが多く、女が借金を返せそうにないとわかってからソープで働く話が成立するまでは、驚くほどスピーディ。
 ホストにとっては、その女はますますお金を落としていくようになる。ソープにとっても、女の良き供給源であり、こういう女は必死で働き、すぐにはやめないので、大変結構である。
☆6 旦那も子供も健在、所得を増やしたくってソープへ。
☆7 亭主または彼氏に借金がある。両者が話しあった結果、亭主または彼氏の了解の上でソープへ。
 このケースでは、亭主または彼氏がソープを利用していたり、ましてや、馴染みの女がいたりするようなことは先ずない。
 ソープがどんなところか知っていたら、男にとってのソープの楽しさを知っていたら、自分の女をそこで働かせることはあんまり考えないだろう。
☆8 つきあった男がやくざだった。
 何かと物いりで、「俺の女だから」という理由だけでソープへ。
自分のためより、誰かのため、誰かの尻ぬぐいのためにソープ入りした女性のほうが圧倒的に多いですね。
 客は、若くて綺麗でいかに楚々としたソープ嬢と知り合おうが内実はこんなものであることをよくわきまえ、嬢への慕情に身を焼くよりは、セックスの腕を磨き、嬢との華麗にして芳醇きわまりない(淫汁が出て、生々しい匂いに満ちる官能的な)セックスを楽しむという気持ちになることが望ましい。
 嬢の性的奉仕を楽しむだけの遊び方もあるが、そんな“抜きナビ”思考では、業界入りに必ず特殊な背景がある嬢の心に飛び込むことはなかなかできず、毎度表面的なつきあいと親近度で終わるだろう。
 そんなとろい遊び方で何年もソープに通うのは銭の無駄だ。
 嬢の前職から嬢の傾向を分析し、業界入りするに至った(常識人から見たら)切ないとも情けないとも言える事情を書いたが、別の角度の分析も必要だ。
 確かに最近はヘルス出身者の割合が減っている。
 じゃあどういう流れでソープに来るのかというと、セックス経験から見たほうがよいのかも知れない。
 ここまでの記述では性交経験が乏しい女が意を決して性交が豊富な世界にトラバーユするような見方をしているけれど、果たしてそれだけだろうか。風俗の世界に入る前にファック回数もファック相手数もかなりの数になっている女は結構いるのだ。
 男に迫られることによって自分の存在感を確かめるというタイプだ。
 男性経験人数3人ぐらいの女が大きな金を稼ぐ必要が生じてソープに来るケースもあるけれど、豊富な男性経験をベースにその延長で業界入りする、要するに、援助交際上がりの似非素人が多くなっている。
 客が馴染みの嬢に過去を聞くと、ヘルスにいたことは打ち明けるかもしれない。しかし、しっかりうちとけても、援交を10代の時からしていたとはなかなか言わないだろう。しかし、そういう女は多そうだ。
 援交をさんざんやった浮かれ女が、確保していたパトロンを失うとか、より大きな稼ぎを望んで、ソープに来る、或いは、援交の発展形のDC(デートクラブ、ホテトル→無店舗風俗…違法)で働き、遂にはソープに移るケースは、昔よりは確実に増えている。
 以下、思いつくまままとめてみた。
 過去に風俗経験が無くても、援助交際経験がある嬢について次のように考える。
・援助交際相手からリピートを確保していた子 →店に入ってもそこそこ勤まる。
・援助交際相手の懐を探って玉の輿の愛人願望がギラギラだった子
→そういう考えの子は高額店を狙う傾向がある。そして、客の不評を受けやすい。
(本指名されたくないと思った客と、本指名がなかろうと思った客には愛想を出さない)
・たまに万単位のお小遣いがあればいい子 →店にはあまり出てこない。無断退店が多い。
・楽してお金になれば何でもいいという考えの子 →高級店、中級店を問わずいて、努力できないタイプ。
・たまに万単位のお小遣いがあればいい子 →店にはあまり出てこない。無断退店が多い。
 近頃のソープ働きの動機と顛末の傾向について思いつくまま書く。
 ★贅沢な暮らしがしたい・愛人希望
 セレブ願望の女は客から見たら当たり外れが激しい。金持ち客には頑張るが、性技的には研鑽しない。
 できる限り男に身体を与えずに色恋でお金を引っ張ろうとするのもこのタイプに多い。
 一方、まとまった金のためなら何でも我慢できる女も多い。(No.1嬢候補)
 整形をしまくるタイプもこのグループに多い。
 何故か普通以上の容姿スペックに多い。DC経験率が高めの傾向。
★自分の夢や趣味の時間とお金が欲しい為(やむにやまれぬ方便として利用)
 劇団・資格試験等が狙い。贅沢が夢ではない場合は、生活や金遣いも堅実な場合が多い。
 口だけで努力しなくなっている状態では坂道を転げ落ちている場合も多い。
 容姿スペック的に高級店よりも中級店以下に多いだろうが、美貌系は高級店にもいる。
 私は“坂道を転げ落ち”なかった女を何人か知っている。ソープ嬢としての頑張り方は見事だった。
 ★チヤホヤされたい、構って欲しい
 最近多い鬱や人格障害気味の嬢によくあるケースで、プライドだけは高く自分勝手な子が多いため、女の思い通りにならない客からは不評を買う。
 ホストにハマるのもこの部類が多い。ヘルス経験率高め。若い時異常なプリクラ好き。
 大抵が大金を使う以外のストレス発散の方法を知らない。ソープ嬢になるとブログなど出したがる。
 まともに就職経験がないのもこの部類に多い。
 ここに多い層は、自己管理ができない少しだらしないタイプ。思い通りに行かないと店を転々する。
★まともな高校や短大を出て、うまく就職できなかったので、お金を稼いで挽回しようとしている
 数百万稼いですぐ辞めるか、辞められないか二分される。
 ぬるま湯日銭生活のソープ暮らしをやってそのまま坂道を転げ落ち続ける傾向がある。
 私はこの手の子によく入浴しているが、薄給でもまともな仕事で働く心になればいいのにそれができない。
 指名を取るのに躍起になって、病んだり、他の女が目立つと僻むタイプをよく見る。
 貯金が貯まるとすぐ美容整形を考える。
 ★チヤホヤというより、自分の存在価値を確かめたい。
 ソープ稼業でも良いから自立し続けたいという強い意志があり、指名が多い子が多い。
 ★とりあえず風俗なら暮らしていける。
 貯金に励むタイプより、どちらかというと借金抱えてる子が多い。
 ソープではそんなに頑張った働き方をしない。
 ★とにかく子供を一人で育てたい。
 一部で指名がダントツに取れるタイプがいる。自分にはソープしかないと腹をくくっている。
 私はこの手の嬢にはよくリピートしている。存外真面目なのだ。
 以上の『まとめ』を2022年1月に読み返して、これは自分の書いたものだろうかと思った。
 それで、春菜あるソープ嬢の想い出の嬢)に書いてもらったと思い出した。
 まあ、たっぷり稼いでさっと上がり、その後堅気の生活をしっかり送る女は相当立派だ。そんなにはいないと思うが、それなりの数はいるだろう。でないと、我々ソープファンが寂しくなる。
 蓄えを3千万円以上残せて上がった女は立派な部類に入るだろう。後はその活用の仕方だ。
 23歳以下で業界入りした女で考えると、(1) ソープが合わない(嫌になった) (2) 堅気復帰が優先──のいずれかの理由で2年以内に辞める嬢が一番多いと思う。
 私のこれまでの知りうるところでは、28歳を超えてまだソープに出ている女は40歳近辺まで続ける可能性がかなり高い。
 これが二番目に多いだろう。
 三番目は32〜35歳ぐらいで上がる嬢。(いつまでも続けていたら駄目だ)と思って上がるのだろうけれど、2ちゃんねるとかアルバム見分でババア扱いされるのに心が折れてそうなるのでは、正常な軌道に乗れるのかが大変心配な層だ。
 四番目は25〜28歳で上がる嬢。
 これが一番健全だが、次の仕事がやはり性的な風俗というのが多く、それでは三番目と同じだ。
 なお、24歳以上で業界入りした嬢は、借金返済が目的で目的を達成したらすぐ辞める女を除き、稼ぎのあまりの美味しさに長く留まるケースが多いと感じる。
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(千戸拾倍 著)