「もう
(椅子の上の尻が当たる箇所に敷いてある)あのタオルは濡らさなくても良いからね」
「わかっているわ」
高級店は 即ベッド→湯を張る→入浴→椅子(股間などの清め+性的奉仕)→ が一般的な流れで、私は、助平椅子に座ったままで性技を繰り出されるのも、椅子に腰掛けて洗剤で股ぐらを洗われるのも、いつも断っていた。
理由は、椅子でのプレイは男の一方的な受け身であって、それは性に合わない。また、洗剤を使って股ぐらを洗うなという注文を女がすんなり承ける性格であるかどうかを知りたいからだ。
にっこり微笑んで私の希望通りにすることが、その女が私を認めたかどうか、即ベッドで私に瞠目したかどうかの試金石になる。
私が助平椅子に座ったのは、この10年間で5回ぐらいしかない。その5回は、嬢が初対面の私にそんなに関心を覚えなかったと思われるケースか、非常にきまじめで手順通りやらないと気が済まないという固いタイプの嬢との初対面だ。
「うん。もう彩香ちゃんには何度も会っているけれど、そんなに間をおかずに足繁くという通い方をしていないから、忘れているかもしれないと思ってね。……即ベッドをした後の股ぐらは風呂の中でパシャパシャと洗えば良い。そのほうが、タオルも濡らさず、ローションも使わず、洗剤も使わず、経済的だし、自然に優しい」
「ふふっ。……さっきは気持ちよかったわ」
「僕のほうも今日は随分長持ちして、《ファックをしたぞー!》という感覚がたっぷりだね。疲れすぎて、射精感が小さくなってしまったぐらいだ」
「……いつも堅いのねえ」
「うん。堅いだけじゃねえ。3回発射できると良いのだけれど。何しろ男の快感というのは、チンコの中をザーメンの激流が突進する時だけだと言っても過言ではないからねえ。トリノのスケルトンみたいなものだよ。あのスピード!」
「女にはわからないわ、そういうことは」
「女は良いよなぁ。仰向けに寝たままずーっと気持ちいいんだから」
「うん、気持ちいーい」
「マリに入ったよ。君たちが仲が良いのはよくわかった」
マリは彩香と同じで、艶からクラブロイヤルに来た。彩香と比べると格段にプロポーションが良い。
マリとの初会のことは
個性的で魅惑の嬢2人に書いた。
「どうだった、マリちゃん?」
「マリはかなり色白だねえ。驚いた。それで、スタイルが抜群だ。感心したよ。全体に細いのに太腿だけが太めだから、何だかセクシーな体に見えるね」
「私、マリちゃんが羨ましい!」
「おへそのすぐ下が、彩香は絶壁、マリはぷっくらと突き出ている。両方とも良いよ」
「マリちゃん、おなかが出ている、と言って恥ずかしがっているわよ」
「あれぐらいなら、出ているうちには入らないよ。で、性格は何というか庶民的、それで、チンコを勃たせようという気合いはキミよりもずーっとある。あれならキミよりも客がつくんだろう?」
「うん、私より稼いでいる」
「そんな、簡単に頷いていちゃあダメじゃなーい」
「マリちゃんもこの仕事が向いているねえ。あの子、なかなか頑張っているわ」
「あの白さが良いよ。キミなんか浅黒くて、色白に憧れる僕からすれば本当に魅力不足だ。だけど、マリには一つだけ気に入らないことがある。マリは、僕が正上位でセックスしている時、いつも膝を立てていて、その膝が深く引き寄せられることがないんだよ。あれではピストン運動がしにくいし、チンコがマンコに突き刺さっているのがよく見えない。それはつまらないぜ。まさか、こんな短いチンコが奥まで届くのをイヤだと思ってガードしていることはないだろうから、ホント不思議だ。マリは股の関節が悪いのかなぁ」
「あの子、股関節が動きにくいと言っていたわ」
「へーぇ、そうかね。……彩香はすっかりマンコを上向きにさらけ出して、舐めて!嵌めて!動いて!という感じだから、すっごくいやらしいぜ」
「ふふっ」
「でも、マリに女上位で腰を振らせると見事に動いていたよ。長く激しくね。しかし、バタンバタンと上下に動くのと膝を思いっきり引きつけるのとは、関節の負担がちょっと違うのかも知れないなぁ」
「マリちゃんはいつも上になってしているみたいね」
「そんなふうに女が頑張ることはないと思うんだけれどねえ。やっばりセックスは男が腰を振るべきだから。マリと2度目のセックスをした時、僕は即ベッドで射精していたけれど、何とかもう一度射精したいと思ったんだ。それで頑張って腰を送ったけれど、結局イケなかった。で、僕がベッドに寝そべると、マリが上になって頑張って動いてくれた。でも、イケそうになかった。寂しいぜ。2回出すのは本当に難しい」
「堅くなるのにねえ」
「うん。……しかし、マリのマンコがしっかり狭ければイケたかもしれない。男が何度もイクためにはやっぱり膣の締まりがかなり大切だよ。マンコがガバガバではなかなか客がつかないよ。1回入って、それで終わりだ」
「私は?」
「広くはないけれど、狭くもないね。射精に大切なのは奥のほうであって、入り口じゃあない。入り口だったら、キミのはかなり狭いよ」
「ふーん」
「生理明けはやっぱり狭くなっているよ。生理明けなら、僕も2回射精できるかもしれない。キミの生理休暇はいつだったの?」
「月初めよ」
「何? 月初めなら今じゃん。今日は店に出るようになってから何度目の出勤なの?」
「3日目よ」
「3日目かぁ。じゃあ、2日働いただけだ。……2日間で6本ついたぁ?」
「それぐらいは……」
「いくら生休明けでも、6人の男と10回以上エッチをすればマンコも拡がっちゃうなぁ」
「6人も相手していないわ。トリプルで来た人がいたから」
「この店でトリプルかぁ、すごいねえ。いつも長い時間で入る人?」
「うん」
「じゃあ、艶の時から続いている客?」
「そう」
「僕は 120分ダブルが限度だな。トリプルだとすっごい長い! 時間はどんだけになるんだい?」
「6時間半よ」
「すげえ長さだな。……そんだけ長くても、セックスは3回ぐらいだろう?」
「うん」
「セックスが3回ではそんなに時間がかかるはずがないし、マットはするの?」
「その人は、マットをしないの。お喋りが好きな人」
「いくら女に惚れていても、僕は6時間も会話を続けるのは不可能だなぁ。トリプルって、店外じゃなくて、店の中だろう?」
「うん」
「キミは退屈しないの? 6時間も相手していて」
「退屈はしないわ。その人はよく喋るし、面白いことも言うし」
「退屈しないなんて信じられない。彩香にそんな客がいるというのは妬けるなぁ。僕よりはつきあいが古いだろうし」
「アナタはアナタよ」
「僕はこのところ毎月1回のペースだけれど、いつもきちんと早めに予約して来ているから、たっぷり惚れ込んでいるのはわかるだろう?」
「うん。私も楽しい」
「しかし、6時間というのは、僕は持ちこたえられないなぁ。セックスには時間をかけているの?」
「その人はエッチが長いのよ」
「長いって遅漏かい?」
「ううん。舐めるの、じっくりと」
「へーぇ、めずらしい。そんな奴に長く舐めさせるなんて、むちゃ妬けるぜ。キミはイケるんかい?」
「イカないわ」
「イカないのか、イッヒッヒ。それは僕にとって良いことだ。イカないというのは、ポイントのところに舐めが来ないのかい?」
「うん」
「そういうのって多いねえ。本人は一生懸命舐めているのだろうに、もったいない」
「……」
「僕の時は派手にイッて、他にはなかなかそういうことはないの?」
「イカせてくれる人って、少ないのよ」
「女をイカせられない舐めを長くする奴って、馬鹿だね」
「ふふっ」
「6時間でも、店外ならば時間が消化できるとは思うけれど、店外はしないの?」
「この店はそういうのはダメなの」
「へーぇ。艶は?」
「あちらも駄目だったぁ」
「へーぇ。艶は外出がダメなのか。ちっとも知らなかったぁ。ふーん。艶もこの店も女の子のことを真面目に考えている良い店だ」
「うん」
「昨日休みだったということは、一昨日に店に確かめて、今日僕が朝一で予約を入れていることを知っていたの?」
「知らなかった」
「何だ。張り合いがないねえ」
「うふっ。でも、今日店に出てアナタに会えることがわかって、嬉しい!と思ったから良いじゃない」
「逢う度に気持ちよくさせてもらえるもんねえ」
「うん。気持ちいい」
「助平だね?」
「うふっ」
「僕はダブルで入るのは100分のダブルばかりだったよ。お金の節約で100分プラス60分というのもよくやっていたし、よほど余裕がある時にだけ 120分のダブルをした。この店は高いから、ダブルはできない」
「……」
「ダブルはできないし、月2回は来れないけれど、できるだけ嵌めに来るから、僕の気持ち良い舐めでいつもたくさん汁を流せよ」
「うん。気持ち良いもの」
「僕は、ソープ嬢になる女はセックスが好きな女が多いと思っているぜ。そうだろう?」
「うん、そう。私もエッチが好き」
「キミは、マンコを舐める時やチンコを嵌める時に思いっ切り膝を引き寄せて、マンコが上向きになるぐらいの体勢を続けるから、こういうのは絶対に性感が強いんだなぁ」
「そう」
「逢いはじめの頃は舌と口ではなかなかイカず、指の協力が必要だったけれど、そのうちに舐めだけでイクようになったし、最近ではもう僕にすっかりなれたと見えて、イクのが早くなった。いつもたくさん汁を流すし……最高の女だよ」
「ほんとうに気持ちが良いの」
「さっきは、キミがイッてから、お尻の孔とマンコの孔と両方に指を入れたら、文句も言わずに気持ちよさそうにしていたから、だいぶんお尻のほうはなれたようだね」
「どうしてかなぁ」
彩香は対面3回目までは、アナルへ指を入れることが断固NGだけれど、いつのまにか受け入れるようになった。
私は、いつもクリトリスをしっかりオーラルしながら、女が最高潮の時にアナルを刺激した。
その日は彩香の尻穴とバギナに同時に指を挿入してゆっくりと動かした。これは精神的に不快感がない限り先ず気持ちいいと思う。
「そのうちにキミのお尻のほうの処女をもらうからね」
「イヤだ〜ん。……私がパイパンにして最初のお客がアナタだもん、良かったぁ」
「それも縁だよなぁ。しかし、なんだかベテランソープ嬢っぽいねえ。キミは落ち着いた感じがあるから」
「ふふっ」
「どっぷり浸れよ。金津園に」
「どっぷりはイヤだけれど、しばらくはいるわね」
「結婚が遅れるなぁ」
「うーん」
「おいおい、さわるならいつも言っているように、幹のところではなくて、先っちょを3本の指でこにょこにょだぜ」
「こういうものは全体をさわりたいんだなぁ」
「その気持ちはわかるけれど、先っちょが一番肌触りが良いだろう?、すべすべの柔肌なんだからぁ」
「ふふっ」
「うん、そうそう。あくまでカリだよ」
「もう勃ったぁ! カターイ!」
彩香と即ベッドが済んだ後、2人が風呂に浸かりながらの会話だ。